新しい学力観に基づく評価方法(記事まとめ)
どんな道程を辿って目標に導くかは「地図」に相当するカリキュラムや指導計画に描き出されていたとしても、今どこにいるかを知るすべ(=評価)がなければ、この先をどう進めば良いか、判断がつきません。評価は「生徒の学習を改善し、成長させる」と同時に「指導の効果を測定する」ためのもの。適切な評価なしに、指導の改善はあり得ません。指導と評価の一体化を図ることはまさに急務。学びの多様な側面にきちんとモノサシを当て…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
どんな道程を辿って目標に導くかは「地図」に相当するカリキュラムや指導計画に描き出されていたとしても、今どこにいるかを知るすべ(=評価)がなければ、この先をどう進めば良いか、判断がつきません。評価は「生徒の学習を改善し、成長させる」と同時に「指導の効果を測定する」ためのもの。適切な評価なしに、指導の改善はあり得ません。指導と評価の一体化を図ることはまさに急務。学びの多様な側面にきちんとモノサシを当て…
探究活動や課題研究のプログラムを作って導入し、生徒に取り組ませるとき、「何を目的とする活動か」という根源の問いに先生方がどのような答えを共有しているかはとても大事なことだと思います。探究活動には様々な役割がありますが、以下の2つは他の活動での代替は困難です。 指導に当たる中、「調べ学習」で終わっている生徒、そこにも到達していない「検索&コピペ作業」だけで調べ終えた気になっている生徒を見過ごしてしま…
各地の学校で探究活動や課題研究の成果発表会を拝見していると、自らの興味を掘り下げ、リサーチクエスチョンを立て、きちんと探究のプロセスを踏んで答えを導いた後に、自分の生き方・あり方まで踏み込めているものも多々見かけますが、そうでないものも少なからず…。先行研究を拾い上げ、そこに書かれていたことを繋ぎ合わせただけに見えるものもあります。高校で体験する探究活動は「どんな研究成果が得られたか」より「各プロ…
より良い授業の実現を目指し、全国各地で様々な指導法研究や実践報告が行われています。ご参加の先生方からの意欲的な提案や報告にいつも大きな刺激をいただき、たいへん勉強になります。 各地の先生方が、それぞれの置かれた状況の中で「あるべき学びの姿」を考え続けて生み出してきたアイデアの数々は、それに触れた人が授業をデザインするときの手札を増やし、それを使ってさらに工夫を重ねた実践はまた別の機会で報告され、別…
模試や外部検定などのテスト、ルーブリックを用いた活動評価、さらには生徒による授業評価アンケートの結果などから、優れた実践(=有為な学びに大きく寄与した指導)の所在を特定し、それを共有することが組織的な授業改善を進めるときの「基本」です。共有したものは、先生方の協働で更なるブラッシュアップを図ったり、他の手法と組み合わせたりして、より大きな成果が見込めるものに仕立て直していきたいところです。 しかし…
授業の終わりは「今日の授業の内容をまとめて」というのが定番のスタイルかもしれませんが、ちょっと発想を変えて、問いに答えを出さずに次の授業につなぐというやり方はいかがでしょうか。授業を「復習→導入→展開→演習→まとめ」という固定的な構成で考える必要はありません。結論を与えてしまうことで学びや思考を締め括らず、問いをオープンにしたままま授業を終えることが、生徒に考え続けさせることにつながることだってあ…
同じ教材を用い、同じ展開で授業を行ったとしても、授業を終えるときのアクションや教室を離れて行わせる学びの仕上げのあり方しだいで、学習効果は大きく異なります。授業を進めて、教科書の予定のページまで終わったからと言って「ほっ」としている場合ではありません。以下のそれぞれの場面で、押さえるべきところをしっかり押さえていたか、これまでのご指導をときどき振り返ってみるのも良さそうです。 2016/08/31…
1 選択の機会ひとつひとつに備えさせる 1.1 大きな分岐(選択の機会)を前に整えるべき指導機会 ★1.2 先に控える選択の機会をいつ認識させるか1.3 進路の手引きは冊子よりもファイリング形式で ★1.4 準備が整わないうちに選択を迫っていないか 2 進路希望の実現をあきらめさせない 2.1 どこまで伸びるか見立てる2.2 第一志望をあきらめさせない指導2.3 受験期は、またとない成長の好機 ★…
授業終了のチャイムが間もなくというタイミングで、生徒に「今日の授業でどんな気づきがありましたか」と尋ねている先生がおられました。いつものことなのか、生徒は戸惑いも見せず、ササっとノートに鉛筆を走らせ、書き終えるとすぐに隣同士で見せ合います。授業のルーチンの一部として「学びの振り返り」が習慣化しているようでした。日々の授業で「本時に得た気づき」を言語化することを習慣づけておけば、授業中に得る瞬間ごと…
前稿「質問を引き出す~学びを深め、広げるために」で書いた通り、質問を見つけ出して文字に起こすことを求めたら、生徒はノートや教科書を見返して「疑問点」や「その先を覗きたい箇所」を探し始めます。漠然とした「よくわからない」に止まっていては、質問の形での言語化はできませんので、否が応でも「何がどうわからないのか」を明らかにせざるを得ず、その中で学びはより深く確かなものとなっていきます。同時に、対象を精緻…
ひと通りの学習を終えた場面で生徒に質問を考えさせれば、そこまでの学びを振り返らせることができます。質問を考えさせるのは、生徒に問いを立てさせることに他ならず、教材に深く関わる好機になります。しかしながら、「質問はありませんか」と声を掛けるだけでは、その後の展開は期待薄でしょう。もともと積極的な生徒が手を挙げてくれたとしても、他の生徒は押し黙ったまま時間が過ぎるのを待っています。生徒からの質問があれ…
新年度となりました。お陰様で当オフィスも、開業から丸10年を迎えます。ひとえに皆様のご厚情の賜物と、衷心より御礼を申し上げます。気持ちも新たに、現場の先生方の実践から学び、少しでもお役に立てるよう、できる限りを尽くして参る所存です。今後ご指導を賜る機会もますます多くなるかと存じますが、何卒宜しくお願いいたします。年度当初の数週間は、先生方におかれましては、特にご多忙を極める時期と拝察いたします。く…