指導目標と指導方法が変わったら定期考査の問題も
答案を正しく評価できているか
別稿「学力観の変化は良問と悪問の分け方を変える」でも申し上げた通り、高大接続改革以降の入試で出題の増加が予想される「答えが一つに決まらない問題」などの新しいタイプの問題では、採点基準の在り方しだいで、設問は良問にも悪問にもなり得ます。答案を正しく評価することは、生徒の学びを正しい方向に導くことにほかなりません。新しい学力観に沿った出題が増える以上、それを正しく採点する方法の開発・確立は真っ先に取り…
本日のブログ、お休みします(パソコントラブルで)
おはようございます。 今朝、「さあ、今日も頑張るぞ」とパソコンを立ち上げて、メールを確認しようと思ったところ、本文の2行目以降が表示されないトラブル。 状況の確認と対処法の模索に、もたもた手こずっているうちに、今日のブログの記事を起こす時間がなくなってしまいました。(昨夜の内に書き上げとけば問題なかったのですが…。宿題は寝る前に終えないと。) そんなわけで、本日のブログ、お休みさせていただきます。…
分散登校/オンライン授業下での授業計画の見直し&修正
緊急事態宣言の延長と対象地域の拡大で、学校の授業にも影響が大きくなっています。分散登校とオンライン授業の併用で対応しているケースが多いようですが、通学時間をずらすための短縮授業なども行われる中で、授業を予定通りに進めるのは容易ならざるものと拝察いたします。 たとえオンライン環境が整っていても、画面を見ながら生徒が集中を維持できる時間は普段の授業より短くなりますし、アクティビティの切り替えやフォーメ…
ボールを投げるのはミットを構えさせてから
相手にボールを投げようとするときには、相手がミットを構えているかを確認しますよね。少なくともこちらを見ているかどうか確かめているはずですが、普段の指導の中で同じことが徹底できているでしょうか。大事なことを伝える前に、前振りもせず、問題意識や関心を刺激しておかなかったら、投げられたことにすら気づいてもらえなかったボールがグランドの隅を転がるのと同じように、伝えたことは生徒の意識をすり抜けてしまい、受…
指示を的確にこなす生徒~それだけで良いのか?
どの生徒のノートもしっかり板書を書き写しているし、予習も完璧に行われており答え合わせだけで十分。生徒を指名しても期待通りの答えがきっちり戻ってくる。一見すると「これまでの指導の成果」のように見えなくもありませんが、どこかに違和感を覚えます。もちろん、ちゃんとノートを取れない、予習もしない、答えさせれば的外れというのでは、これまでの指導のあり方を反省しなければならないでしょうが、指示を的確にこなす姿…
三度めの緊急事態宣言~分散登校、リモート学習への備え
東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に緊急事態宣言が発出されることになりますが、都立高校などでは分散登校を実施し、自宅でのオンライン授業と組み合わせて、通学する生徒を減らす方針とのこと。 期間が大型連休と重なるため、実質的に影響を受ける授業日数はそれほど多くならずに済むかもしれませんが、感染拡大が収まらず、他の地域にも緊急事態宣言の対象が広がっていく可能性も否定できません。 ここでもう一度、リモート指…
既卒生が残した「成果」を教材に~探究活動の導入指導
高校に入学してくる生徒は、小学校や中学校で横断的、体験的な「総合的な学習の時間」を経験してきていますが、高校で新たに取り組むのはその先にある「総合的な探究の時間」です。数学や情報の授業で新たに獲得する知識や技能なども駆使して課題の解決に取り組む中、これから自らが生きていく社会に自分がどう関わり、どんな接点を持ちえるのかを「探究」していくことになります。当然ながら、初めて挑戦する学びである以上、取り…
声に出して教科書を読むことの効能
ICTの導入が進む中で、個々の機器も技術の進歩でどんどん使い勝手が良くなっています。道具は上手に使えば、余計なところで浪費していたエネルギー(時間や手間)を目的に直結するところに集中して使えるようになるだけに、使い方を工夫し、積極的に活用したいところです。その一方、手を使って板書や資料を書き写すことや声に出して教科書を読むといった、特別な道具もいらなければ、やり方を改めて学ぶ必要もない「クラシカル…
令和3年度も宜しくお願いいたします。
新年度となりました。お陰様で当オフィスも、マイペースながらも充実した日々の中、あしかけ8年度目を無事に迎えることができました。ひとえに、皆様のご厚情の賜物と、衷心より御礼を申し上げます。これからも引き続き、「現場で頑張る先生方を応援します」という開業以来のミッションを実現すべく、できる限りを尽くして参る所存です。ご指導を賜る機会も今後ますます多くなるかと存じますが、何卒宜しくお願いいたします。新年…
探究活動やPBLを通して涵養すべき統計スキル
効果測定は、理解者と賛同者を増やすため
以前の記事「 効果測定とスクラップ&ビルド(教育資源の最適配分)」 をお読みいただいた先生から、「効果測定や成果検証の必要性は十分にわかっているが、作業が増えることに負担感もあり、どうしても二の足を踏んでしまう」とのご感想を頂戴しました。確かに、指導の効果測定を行うには相応の手間がかかります。「足し算だけのビルド&ビルドから抜け出そう」との文脈なのに、そこに無駄な作業を新たに作るようでは、何を目指…
中学での経験を踏まえて考える「高校での探究活動」
中高一貫校では、6年間という長い指導期間を活かして探究型学習プログラムの整備が比較的進んでいます。これに対して指導期間が3年(実質的には2年半)しかない高校では、本格的なプログラムを組み込むには時間的な制約が小さくありません。成果が確認できるまでの期間が中高一貫校の半分の3年間で済むという利点を活かし、短いサイクルの中でプログラムの改善を加速させるとともに、生徒が中学校までに経験してきたことをうま…
互恵意識で結ぶ学びのコミュニティ
一人ひとりが意欲をもって学び、生徒が互いを支え合う、互恵意識で結ばれた学びのコミュニティを作り上げることは、ホームルームの担任に限らず、各教科の授業担当者としても切なる目標の一つだと思います。新学期スタート後の数週間は、好ましい学びのコミュニティを作れるかどうかを決める大切な期間です。どんな手立てと見通しでコミュニティ作りを進めていくかしっかり戦略を立ててから新年度を迎えましょう。互恵という言葉が…
グループワークで作る学びへの積極姿勢
授業評価アンケートの自由記述意見を読んでいると、グループワークを多く経験する中で、協働での学びに貢献する「責任」を感じた、「役割をきちんと果たさなければ」との思いを強くした、といった記述に出会うことが少なくありません。グループワークは、個人の発想を超えたところに解を見出すことを目的に、集団知/分散知の活用や対話による気づきの交換を図るために採り入れる活動ですが、協働を経験する中で、個々の学習者とし…
プレゼンテーション/成果発表を機につくる成長の場
探究活動を始めとして生徒が自分(たち)が取り組んできたことの成果を発表する機会は以前に比べて多くなっています。日々の授業の中でも個人/グループで調べ学習や討論を行った結果をプレゼンテーションにまとめるのは既に「ごく普通の光景」になったように思います。プレゼンテーションの準備に取り組む工程での試行錯誤や努力そのものに加え、発表の場を通して得る直接/間接のフィードバックは、生徒にとって他に代えがたい成…
提出物は丁寧に添削して返すのがベスト?
日々の学習指導の中では生徒に様々な提出物を課しますが、それらをどう取り扱うのがベストなのか、正解は中々見つかりません。丁寧に添削して返却することが思考力や表現力を高める上で本当に効果を挙げているのか、最善手が他にないかは疑ってみる必要があるように感じます。丁寧に答案に目を通し、先生が「添削」してあげれば、生徒はその答案をより良いものに仕上げ直せるでしょうが、先生に助けを求められない場面で、きちんと…
新年度を迎えるに当たり~まとめページ(2021年度版)
年度末を迎え、新年度準備が着々と進んでいることと拝察いたします。 新入生を迎え入れる準備、次年度の計画の最終的な詰め、異動等に伴う引継ぎなど、定常期と異なる業務も加わり、いつにも増してのご多忙と存じますが、こんな時こそやるべきことをきちんとリストアップして、優先順位の高いものからしっかり/漏れなく進めたいところです。 これまでに公開してきた新学期にまつわる拙稿の中から、優先順位が高そうなものをピッ…