総合学習/探究活動における「知識の活用」
各教科の学習指導において「評価」を行うのは「生徒一人ひとりの学びをより良いものにする」ためであるのは言うまでもありませんが、これは探究活動や進路指導においても同じだと思います。獲得すべき知識や技能(=各単元に固有の知識など)がきちんと身についていなければ、それを補う機会を与える必要がありますし、知識や技能を「生きて働かせる(=活用する)」ことができていないようなら、できるようにさせなければなりませ…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
各教科の学習指導において「評価」を行うのは「生徒一人ひとりの学びをより良いものにする」ためであるのは言うまでもありませんが、これは探究活動や進路指導においても同じだと思います。獲得すべき知識や技能(=各単元に固有の知識など)がきちんと身についていなければ、それを補う機会を与える必要がありますし、知識や技能を「生きて働かせる(=活用する)」ことができていないようなら、できるようにさせなければなりませ…
生徒や学生にアンケートで授業への感想を尋ねてみると「正解をちゃんと言ってもらいたい」という声がちらほらと混じります。先生は意図をもって敢えて正解を示していないのが傍からも明らかな場合にもです。ここから垣間見える問題は、「答えは与えられるものではなく、自分で作るもの」という発想をしっかり持っている生徒・学生ばかりではないということではないでしょうか。 2018/04/11 公開の記事を再アップデート…
単元内容が明示され、何を学び、何を身につけるべきかが示されたとしても、その前段階として、「何のために学ぶのか」という問いに生徒が答えを見いだせないことには、「学ぶことへの自分の理由」は生まれてこないのではないでしょうか。自分の理由がなければ、所詮は他人事。身を入れて学ぶ気にならなかったとしても、生徒を責めるわけには行かないような気がします。何のために学ぶのかという如上の問いには、「学ぶことがどのよ…
授業は50分という限られた時間の中で行われるものですから、その中でできることには自ずと限りがあります。授業内での学びで得た知識や気づきを携えて課題にじっくり取り組み、学びを深く確かなものにすることや、教室での学びの中で刺激された興味や関心に沿って学びを拡張していくことで、学びの総量(深さ✕広さ✕密度)を大きくしたいものです。 2020/01/27 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 教室での気…
教室での学びを「きちんと教科書に落とし込む」ことには以下の効果が期待されますし、実際に教室で試してみるとその手応えも十分です。 個々の学習内容を全体像の中においた体系的な理解が形成できる 教科書を深く学べば受験にも対応できるとの安心感が得られる 教科書をきちんと読む[読めるようになる]ことに動機が生まれる しかしながら、授業時間の不足もあってか、その重要性にあまり目が向いていないのか、教科書の落と…
課題に取り組み、努力や工夫で達成できたら、生徒の中には自信が生まれ、達成への過程では新たな能力や資質を獲得し、課題への向き合い方も学んでくれますが、レディネスや時間の不足で課題を完遂することができなかったら…。生徒にとっても面白かろうはずがありません。やるべきことを完遂しない/できないでいることを不用意に繰り返させていては、学ぶ意欲や完遂を目指す姿勢は失われていくばかり。その先で得られた可能性のあ…
知識の獲得・拡充を図る場面でも、獲得した知識を活用して課題に解を導く場面でも「適切な支援を行って完遂に導くこと」は指導者が果たすべき責任です。やりきらない/仕上げきれないことを習慣化させたときに生じる弊害は小さくありません。努力や工夫を重ねて物事を完遂した達成感は、生徒に自信を与えるとともに、その過程で様々な学びの方策を身につけさせていきますが、それと逆に、挑んでみて壁に跳ね返される体験を重ねさせ…
与えたものをきちんと仕上げさせることは、教える側が常に意識をしておかなければならないこと。課題を与えた以上、達成/完遂させるのは与えた側の責任です。やりきらずに放置した経験/課題を達成できなかった体験を繰り返させるうちに、意図せず、それで良しとする意識や姿勢を「学習」させてしまっては一大事です。生徒に与える課題には、持てる知識や思考力を使って課題解決に当たらせるタイプと、与えたものを覚えさせるタイ…
2019年に出版されてベストセラーになった『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』では、その冒頭に簡単ながら、答えがちょっと意外なクイズが 13 個用意されています。例えば、こんな問題です。 自然災害で毎年亡くなる人の数は過去100年でどう変化したか。{2倍以上になった/あまり変わっていない/半分以下になった} 単純な三択問題ですので、まったく手掛かりなしに当てずっぽうで答えたとしても33%…
新課程におけるカリキュラムマネジメントでは、各単元の内容(コンテンツ)を学ばせることを手段に、21世紀の社会を生き抜くために必要な能力・資質(コンピテンシー)を育むという目的を達成していくとの発想を持つことが求められます。実際のカリキュラム編成や指導計画立案においては、各単元の学習内容を縦軸(行)に、育むべき能力・資質を横軸(列)に配したマトリクスを想定し、行と列の交点にある各セルに適切な学習活動…
学んだことを活用して解決すべき課題をきちんと用意し、対話や協働を含む様々な学習活動を通してその解決に必要なもの(知識や技能に加えて思考・判断・表現の力、学習方策など)を獲得させたとしても、学びの仕上げにどのように取り組ませるかで、学びがどこまで深く確かなものになるかが決まり、その後の学びのあり方も大きく左右されます。対話や協働を通して学びを膨らませた後の仕上げ方で、深く確かな学びの成否が決まるとい…