理解確認/学びの振り返り
理解の確認を怠ると…
振り返りを経てこそ次への課題形成
授業内に行う小テスト
小テストは、前回までの授業で学んだことや自学用に持たせている副教材の内容など、覚えさせる/確かめる内容とそのソースは様々ですが、実施のタイミングは「授業の冒頭」というのが一般的だと思います。始業の礼から間髪入れずに小テストを始めることが習慣として確立している授業では、休み時間からの切り替えもスムーズで、授業時間を無駄なく使うことにも大きく貢献しているように見えます。これに対し、今回ご提案するのは、…
理解度の確認~場面と方法 #INDEX
理解度の確認~場面と方法(その4)~課題を提出させて
前々稿の発問による理解度の確認 、前稿の小テストによる確認 に続いて、「提出された課題を通して行う理解度の確認」について考えてみたいと思います。この方法で確かめる「理解度」は「知識・理解が生きて働くものになっているか」に焦点を据えます。言うまでもないことですが、教えたことを生徒が正確に覚え、答案に再現できたことをもって「理解できた」と判断しては、新しい学力観に沿った学ばせ方とは言えません。 201…
理解度の確認~場面と方法(その3)~小テストの活用
前稿では主に「発問」を通じた理解度の確認方法について考えてみました。導入・展開・まとめのいずれの局面でも「反応の即時性」と「対話への繋ぎやすさ」が発問が持つ最大の強みです。これに対し、小テストで行う理解度の確認の強みは、正誤の結果や誤答の分布を定量化しやすく、データを効果検証などに活用できることにあり、それを十分に生かしていきたいものです。ICT/デジタルツールの進歩により、その場での採点の自動化…
理解度の確認~場面と方法(その2)~発問による確認
理解度の確認といっても、その方法には、発問、小テスト、課題などの提出物の点検、生徒同士のやり取りなどの観察といった様々なものがあります。それぞれ長所・短所があり、用いるべき場面や上手に行うために押さえておくべき勘所というべきものもあります。まずは、発問/問い掛けによる理解度の確認から、場面を分けながら効果的なやり方について考えてみたいと思います。 2014/05/23 公開の記事をアップデートしま…
理解度の確認~場面と方法(その1)~目的とするところ
理解度の確認は、次に進む準備が整っているかどうかを確かめるために行うものです。もちろん、教えたことを覚えているかどうかも大事ですが、断片化した知識として記憶に残っているだけでは、理解したことにはなりません。獲得した知識が「生きて働くもの」になっているか、課題解決に活用させることで確かめるところまで踏み込みましょう。 2014/05/22 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 次のフェイズに進む前…
活動させるのは観察のため~「観察の窓」を開く
授業の中で生徒は様々な活動に取り組みますが、それらを通して生徒は以下をはじめとする様々な「学びの目的」を達していきます。 自ら考えて行動する中での体験を、知識や理解に再構成していくこと 理解や思考の結果を言語化する中で学びをより確かなものにすること 対話(気づきの交換)で思考を拡充し、判断に必要な視野を得ること 一方、教える側/学ばせる側である先生方にとっても、生徒が活動する場を整えることでしか、…
対話で行う理解確認
チェックリストを用いた目標提示と達成検証
学習目標を示すときに最も効果的なのは「学び終えたときに解を導くべき問い」を導入フェイズで示してしまうことですが、練習場面や話し合いなどの活動では、「問いを解く」こと以外にも目標があるので、その伝え方を別の形で考えなければなりません。練習を通じてできるようになるべきこと、活動への取り組み方、チームへの貢献の仕方といった行動目標を「目指すべき到達状態/評価規準」の形で示しておけば、生徒は求められる行動…
答えを仕上げる中で学びは深まる
授業を通して学力の向上や自分の進歩を実感できることで、生徒はその科目を学びつづける意欲を維持・向上することができますが、その実感をもたらすのは「習ったことを使って課題を解決できた体験」です。課題を与え、知識や理解を活用する場面を整えることが重要なのは言うまでもありませんが、とりあえず答えが出せたところで立ち止まらせては深く確かな学びは生まれません。答えを仕上げてこその学びです。問いを軸に授業を設計…
理解を確認した後のフォローに不要な時間を取られない
授業ごとに/単元ごとにターゲットとなる問いや課題を設定するのは、教室での対面で行う学習活動と、それ以外の場で獲得させるものを切り分けることで限られた授業時間を効率良く活かすための方策の一つになるのは、別稿で申し上げた通りです。 そうしてデザインした授業をワンステップずつ確実に進めて行くには、前稿のように、ターゲット設問を分割した小さな問いで要所ごとにそこまでの理解を確認していく必要があります。 …
ターゲット設問を分割~小さな問いで場面ごとの理解確認
その日の授業を終えたとき/単元をひと通り学んだときに、そこまでに理解したことをもとに考え、生徒が自力で答えを導くべき問いや解決すべき課題(「ターゲット設問」と呼びます)を与えることは、学習目標を把握させたり、何のために学んでいるかを認識させたりするのに有効であるのは、以下の各記事でもお伝えしてきた通りです。 学習目標は解くべき課題で示す 単元ごとに設定するターゲット設問 解くべき課題で「何のために…
最初の答えと作り直した答えの差分=学びの成果
何らかの課題や問いを与えて生徒に取り組ませるとき、生徒が最初に作った答え(=単元やテーマを学ぶ前の段階で考え出せたこと)を保存しておき、それを学び終えて仕上げた答えと比べてみると、両者の違いに着目することで学びの成果を確認・可視化できるようになります。たとえ、答えに行きつかなかったとしても、書きかけの答案や題意を図に起こそうとしたときの痕跡もあるはずです。それをノートやワークシートから消してしまわ…
散布図中の位置で探る改善課題[活用機会×学習効果]
習ったことを使ってみる機会
授業評価アンケートの標準的な質問設計の中に「宿題や課題など、習ったことを使ってみる機会が整えられている」かどうかを尋ねる項目【活用機会】を設けてあります。この質問で尋ねていることのメインは、言うまでもなく文の後半です。文頭に付いた「宿題や課題」は、後半部分を実現するための手段例であり、「など」が含意する通り、ほかにも実現の手段はあり得ます。要は「習ったことを使う機会」が整えられていれば良いのですが…
既習内容の確認は、問い掛けで
新しい単元を学ばせるときには、関連する既習内容をきちんと理解しているか/覚えているかを確かめないと、どこまでを前提に学びを始めさせれば良いか見極めることができません。土台ができていないところに建材を組んでも上手くいくわけがありませんよね。確かめるには、問い掛けて生徒のアタマにあることを言葉にさせるのが最も効果的。わからないこと/思い出せないことがあったとしても、以前に学んだときのノートや教科書の該…