理解確認/学びの振り返り
メタ認知、適応的学習力
振り返りと行動変容(まとめページ)
21世紀型能力(新課程の具体化に向けた議論の土台)における思考力の構成要素には、「問題解決・発見力・創造力」と「論理的・批判的思考力」に加えて、「メタ認知、適応的学習力」が挙げられています。各教科の学習に限れば、「自分の問題の解き方や学び方を振り返るメタ認知、そこから次に学ぶべきことを探す適応的学習力等」と説明される力ですが、生活や進路などにも拡張すれば、広く「先に控える課題を見据えて、取るべき行…
学ばせたことは、きちんと教科書に落とし込む
教室での学びを「きちんと教科書に落とし込む」ことには以下の効果が期待されますし、実際に教室で試してみるとその手応えも十分です。 しかしながら、授業時間の不足もあってか、その重要性にあまり目が向いていないのか、教科書への落とし込みが徹底できている授業は(これまでに拝見してきた限り)それほど多くないようにも感じます。 2018/10/22 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ PBL型学習を推進す…
5分間アウトプットの費用対効果
最初の答えと作り直した答えの差分=学びの成果
課題などに取り組ませるときには、その日の学び(調べる、話し合う、説明を聞くなど)を始めさせる前に、その時点で持ち合わせていた知識や発想で、生徒それぞれに「仮の答え」を作らせてみましょう。その後、ひと通りの学びを終えてから、改めて答えを作り直させてみると、仮の答えと作り直した答えの間に明らかな違い(差分)が生じているはず。言うまでもなく、両者の違いは「学びの成果」そのものです。最初に作った答えを消さ…
単元で学んだことの体系化に挑ませる
どの科目でも、単元ごとに沢山のことを学びますが、それらを順番に覚えていくだけでは、単元の全体像を掴めなかったり、体系化されなかったりします。的確に整理され、自在に想起できる記憶は、体系的に物事を考える(物事を理解し、展開を予測する)ときの大切な土台です。まとめプリントを先生が作って配ってあげたとしても、生徒は「自力で知識を体系化する場面」を経験しておらず、その姿勢と方法を獲得する機会も持てずにいる…
学習者としての成長を促す"活動評価"と"振り返り"
生徒は各教科を学ぶ中で、教科固有の知識や理解を蓄えているだけではありません。学びへの姿勢や物事の学び方、課題を解決するための思考手順、協働場面でのふるまい方など、様々なものを身につけています。どんな能力や資質、姿勢を獲得させたいのか(ゴール)を明確にし、生徒一人ひとりが今、成長過程のどこにいるのか(現在位置)を掴まないことには、両者を結ぶプロセスである「指導」も計画できません。生徒自身もまた、段階…
振り返りはプロセスを分解して~失敗から正しく学ぶ
何かの問題を解いたとき、あるいは何かのタスクに挑んだときに、できた/できなかったという結果にだけ注目しているのでは、どこに間違いがあって成功しなかったか、原因への認識はあいまいになります。失敗の原因を見誤らず、同じ轍を踏まないためには、結果に至るプロセスをステップに分解した上で、振り返りを行うことが肝要です。成功も失敗も、振り返ってこそ、その先に生きる「智恵」になります。進捗と改善課題を捉えた学び…
部分理解と全体把握
人の話を聴いていて、目の前でなされている説明の一つひとつは理解できるのに、全体として何が言いたいのか、どこに向かおうとしているのか、どうにもピンとこない。こういった経験はないでしょうか。授業中の生徒も同様の経験をします。先生方の話す内容の一つひとつは理解できていても、今日の授業で何を目指しているのか、自分は今何を学んでいるのか、全体像を生徒が掴み切れていないことがあります。つまりは、説明の部分部分…
理解度の確認~場面と方法 #INDEX
理解度の確認~場面と方法(その4)~提出課題の点検で
本シリーズでは、理解度の確認について、目的とするところ、発問による理解度の確認、小テストによる確認と順に考えてきました。本稿では続いて「提出された課題を通して行う理解度の確認」を考えます。ここでいう「課題」とは、論述答案、レポート、調べたことをまとめたプレゼンシートなどを指します。発問や小テストが個々の項目の理解を測定するのに対し、より広い理解と深い思考を試すもの、単元やテーマの全体像をどれだけ捉…
理解度の確認~場面と方法(その3)~小テストの活用
前稿では「発問」を通じた理解度の確認方法について考えてみました。導入・展開・まとめのいずれの局面でも、発問という形態が持つ「反応の即時性」「対話への繋ぎやすさ」という強みを生かしたいところ。確認に頻用されるもう一つの形式は「小テスト」。よくある求答式や選択式の回答方式では、理解しているかより、覚えているかどうかに測定が偏りがちという弱みもありますが、一方で、正誤の結果や誤答の分布を定量化しやすく、…
理解度の確認~場面と方法(その2)~発問による確認
理解度を確認する方法には、発問、小テスト、課題等の提出物の点検、生徒同士のやり取りなどの観察といった様々なものがあります。それぞれの方法に長所・短所があり、用いるべき場面や上手に行うために押さえておくべき「勘所」も違います。まずは、発問/問い掛けによる理解度の確認から、場面を分けて効果的なやり方について考えます。 2014/05/23 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ 新しい概念等を学ばせ…
理解度の確認~場面と方法(その1)~目的とするところ
理解度の確認は「次に進む準備が整っているかどうか」を確かめるために行うもの。もちろん、学んだことを覚えているか(=知識として保持されているか)も大事ですが、断片化した知識が記憶に残っているだけでは、理解したことにならず、次の学びの土台にはなり得ません。獲得した知識が生きて働いているかは、思考(課題解決など)の中で活用させてみて確かめる必要があります。「新しい単元を学ぶとき」「新たな概念を導入してそ…
小さな問いで学びを点検~フェイズごとの理解確認
リフレクションシートの記載を参考に観察精度を高める
生徒にその日の学びを振り返らせるのは、「できるようになったことを棚卸しさせて学びへの自己効力感を高める」と同時に「次に向けた自分の目標を設定させる」ためですが、ログに書き出された「振り返りを通して得た気づきや内省」は、生徒が成した進捗や抱えている課題などを指導者が知る貴重な手掛かりとして、欠かさず目を通すべきものです。リフレクションシートへの記載を熟読して「授業者としての意図がどこまで生徒に伝わっ…
答えを仕上げる中で学びは深まる
授業を通して学力の向上や自分の進歩を実感できることで、生徒はその科目を学びつづける意欲を維持・向上することができますが、その実感をもたらすのは「習ったことを使って課題を解決できた体験」です。課題を与え、知識や理解を活用する場面を整えることが重要なのは言うまでもありませんが、とりあえず答えが出せたところで立ち止まらせては深く確かな学びは生まれません。答えを仕上げてこその学びです。問いを軸に授業を設計…
確認した結果に基づいてきちんと学びを仕上げさせる
授業では、教えたこと/学ばせたことの確認を様々な場面で行っているはずですが、現時点での理解や進歩の度合いを確かめるところを終点にしては、理解や習熟に不足が残る生徒をそのままにしてしまいます。十分な理解が形成されたか、習熟に不足はないかを確認するのは、確認した結果を踏まえて「仕上げ」に向かわせるためです。確認後に仕上げの工程を伴わないのでは、確認の意味は半減し、下手をすると「できなかった」ことを生徒…
理解を確認した後のフォローに不要な時間を取られない
授業ごとに/単元ごとにターゲットとなる問いや課題を設定するのは、教室での対面で行う学習活動と、それ以外の場で獲得させるものを切り分けることで限られた授業時間を効率良く活かすための方策の一つになるのは、別稿で申し上げた通りです。そうしてデザインした授業をワンステップずつ確実に進めて行くには、前稿のように、ターゲット設問を分割した小さな問いで要所ごとにそこまでの理解を確認していく必要があります。 20…




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