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高大接続改革に向けて今できる準備(その2)

昨日の記事でご紹介した「採点ルーブリック」ですが、すでに一部の学校では、定期考査において自由英作文や意見論述問題などで利用が始まっているようです。最初から満点のものなど作りようもなく、使いながら、規準そのものの妥当性(※)を高め、適用しやすいものに改めていくことが大切です。 「直感で与えた点数と、基準に沿った点数が一致するのが良い基準」というのも荒っぽく聞こえるかもしれませんが事実です。良い答案だ…

高大接続改革に向けて今できる準備

大学入試改革では、これまでと違った新しいタイプの問題が登場すると考えられています。昨年末に文科省のホームページでイメージ例が公表されましたが、検討の途中とあってまだサンプルは十分ではありません。現段階では、出題の変容を正確に予想するのは困難です。しかしながら、すでに一部の大学で出題されている「正解がひとつに決まらない問題」 などは、今後も出題を増やすはず。正解がひとつに決まらない以上、結論を書かせ…

2015年度 新入社員 春の意識調査

日本生産性本部のホームページで、「2015年度 新入社員 春の意識調査」の結果が公表されています。 http://activity.jpc-net.jp/detail/mdd/activity001440.html 今春実施した新入社員教育プログラム等への参加者を対象に行った結果をまとめたもので、1990年から数えて今回は26回目だそうです。 本来は、新入社員を迎え入れる側である企業が、世代として…

即興型英語ディベート大会

平成26年12月、東京都立西高等学校で開催された、首都圏公立高等学校即興型英語ディベート大会を見学する機会に恵まれました。西、日比谷、湘南、浦和の4校の生徒さんたちが集まり、会場は熱気に包まれていました。この大会は、文部科学省助成事業である「高等学校における多様な学習成果の評価手法に関する調査研究」のうち、「即興型英語ディベートを活用した統合型ルーブリック評価の研究」(研究代表者:大阪府立大学工学…

即興型英語ディベート大会(その3)

この大会は「即興型英語ディベート」ですから、当然ながら「英語の使用」という点でも教える側に大切なメッセージを伝えてくれています。学んできたことが 「運用力」 に昇華するには、「使う場面」 が整えられる必要がある、ということです。 ❏ 適切な使用場面が、学んできたことを統合する ディベートの参加者たちは、さすがにトップ校の生徒ですが、それでも英語力には個人差もあります。しかしながら、誰もが、必死に且…

即興型英語ディベート大会(その2)

前回に引き続き、首都圏公立高等学校即興型英語ディベート大会を見学して感じたところをお伝えします。学校の垣根を越えた生徒同士の交流の起点になっただけでなく、チームディベートという活動そのものが、生徒の間に良好な人間関係を築くきっかけを与えました。当然ながら、この大会を通じて生徒が得たものはこれだけに止まりません。 ❏ 課題解決力/協働力を、意識させずに養う機会として 即興型英語ディベー…

即興型英語ディベート大会(参観録)

先日、東京都立西高等学校で開催された、首都圏公立高等学校即興型英語ディベート大会を見学する機会に恵まれました。西、日比谷、湘南、浦和の4校の生徒さんたちが集まり、会場は熱気に包まれていました。 この大会は、文部科学省助成事業である「高等学校における多様な学習成果の評価手法に関する調査研究」のうち、「即興型英語ディベートを活用した統合型ルーブリック評価の研究」(研究代表者:大阪府立大学工学研究科の中…

学習指導・進路指導を通じた汎用スキルの獲得(その2)

汎用スキルの一部をなす 「批判的思考」 は、教科学習指導や進路指導を行う上できちんと整えておきたい土台の一つです。その能力は、それだけを取り出して訓練するより、具体的な場面で教えるやり方(文脈モデル)の方が所期の成果を得やすいとのこと。学習・進路の指導に、どんな発想を持って臨んだらよいか、もう少し考えてみたいと思いますのでおつきあいください。 ❏ 言語活動を自己目的化させない 自由研究や自主レポー…

学習指導・進路指導を通じた汎用スキルの獲得

11月1日に玉川学園で行われた、「21.5世紀探究型学習研究会」で勉強してまいりました。実践報告からは多くの刺激と学びを頂戴しました。また、京都大学大学院教育学研究科の楠見孝教授による「批判的試行を育む:探究学習スキル」と題する基調講演では、探究型学習について理解を深め、整理できただけでなく、たくさんの新たな可能性に気づかされました。楠見孝先生の基調講演は、文科省のホームページにある「批判的思考に…

授業クリニックの現場から(後編)

前稿(前編)に引き続き、授業クリニックの現場で目にした「倣いたい手法」をご紹介したいと思います。現場で頑張る先生方の創意と、それを実現していく努力には、いつも深く学ぶことばかりです。 ❏ 板書で授業に流れを作る(前段理解と展望の共有) 前稿でご紹介した、問いを重ね、生徒の発言に乗っかりながら展開していく授業では、対話を重ねながら、そこまでの理解や今考えていることが、常に板書によって生徒の眼前に示さ…

授業クリニックの現場から(前編)

ある高校を訪ねて行った「授業クリニック」で見つけた、様々な場面で活用できそうな指導の手法を幾つかピックアップしてご紹介します。どの学校でも授業公開や相互参観が行われていると思いますが、複数の先生方が同じ授業を見て、それぞれの気づきを言語化してシェアするところまで、取り組みを進められば、効果はさらに大きくなります。 もちろん、授業の中にさらなる工夫が必要な部分(改善課題)を見つけることもありますが、…