負荷の高め方(その2)
負荷を高めるときになすべき配慮と工夫 負荷が不足すれば生徒の力を十分に伸ばせませんし、出口で求められる学力への到達が遠のき、結果的には乗り越えなければならない段差を後に大きく残すばかりです。生徒が感じる難易度や負荷耐性の高まりを常に把握して、適正な負荷をバラつきなくかけて行くことが重要です。チャレンジングな課題に挑む中では学び方の工夫も生まれ、学習方策も身につきますので、学習者としての自立も進むも…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
負荷を高めるときになすべき配慮と工夫 負荷が不足すれば生徒の力を十分に伸ばせませんし、出口で求められる学力への到達が遠のき、結果的には乗り越えなければならない段差を後に大きく残すばかりです。生徒が感じる難易度や負荷耐性の高まりを常に把握して、適正な負荷をバラつきなくかけて行くことが重要です。チャレンジングな課題に挑む中では学び方の工夫も生まれ、学習方策も身につきますので、学習者としての自立も進むも…
学校生活を送る中で生徒は様々な悩みや問題を抱えます。生活、学習、進路の各領域で成長を遂げようとする中、自分の中に蓄えてきた知識や経験だけでは判断がつかないことや解決できない問題に遭遇します。 しかしながら、そうした悩みや問題を抱えたときに適切な相談ができていない生徒もいます。周囲に信頼して相談できる人がいても、自分が抱えている悩みや相談の正体を捉えきれなかったり言語化できなかったりしたら、何をどう…
教科・科目に固有の考え方を理解させ、それに基づき物事を正しい見方で捉えられるようにさせることは、教科・科目を学ばせる最大の目的のひとつだと思いますし、そうなれたとの実感は生徒がその先に学びを進めていく上で大きな動機になると思います。科目への自己効力感も高め、興味も大きく広げさせるでしょうし、今まで興味を持つことがなかったことに面白みを感じ、関心を向けられるようになったら、そこから先の成長には大きな…
別稿「手を使って書き写すことの大切さ」で書いた通り、デジタル機器の普及で、手を使って書く機会はめっきり減りました。その影響は、手を使っての筆記が、キーボードやタッチバット、音声認識に置き換えられるという行動面での変化に止まりません。思考のありかたや、物事を考え出すときの手順そのものも変わっていきます。普段の生活の中で使うことができる道具は、教室での学びやテストの場に持ち込んでこそ、時代が必要として…
11月も半ばを迎え、最上級生はいよいよ進路希望の実現に向けて本格的なスパートに入ったものと拝察します。一方で、ここから先は弱気の虫も騒ぎ出しやすい時期。期末考査の終了後は登校日も少なく、周囲の頑張りや先生の励ましに触れて気持ちを新たにする機会も減りがちです。“受験期はまたとない成長の好機“です。苦しく感じるのは頑張っている証拠ですから、受験を終えたときに気づく自分の成長を楽…
模擬試験を受験するときに生徒がどんな志望校を書いているか、きちんと目を通して把握しておく必要があると思います。言うまでもありませんが、生徒が記入した志望校群を漫然と眺めて、「なるほど、こういう大学を志望しているのか」と受け入れているだけでは不十分です。第一志望から順に並ぶ大学・学部・学科が、きちんとした手順を踏んで選び出されたものか、十分な理由をもって志望校に挙げられているかを観点に、各生徒の志望…
学習評価は多面的に行う必要があります。仮に成績が伸びていたとしても言われたことをただこなした結果であれば、先生が手を離した途端に学びを止めてしまうかもしれませんし、伸びている実感を欠いた生徒はその科目を学び続ける意欲を失いつつある可能性もあります。正しい学びの場を創出できているか、授業を中心とする教科学習指導がきちんと成果をあげているかを知る上で、チェックすべきことがらは多岐に亘ります。以下はその…
高大接続改革や新課程を目の前に、知識・理解、思考力・判断力・表現力、協働性・主体性・多様性をバランスよく伸ばす指導方法の確立は先送りできない課題です。主体的で対話的で深い学びを実現するには、解くべき課題を与えて生徒が自ら/協働で解法を考える場を作る必要がありますが、そうした授業内活動を含む授業をデザインしても、生徒が積極的に参加してくれないことには狙った効果が得られません。教え込むより、調べさせて…
授業内の活動に生徒を積極的に参加させるには「失敗への恐れなどを上回る強い動機」を与えることが大切であると別稿で書きました。アクティビティを配列するだけでは目的意識のない「やらされ感」が先行するばかりですし、外圧で行動を促すだけでは外圧が解けたときに生徒は行動を取らなくなります。こうした手段に拠らず、簡単にはさぼれない環境を作り、頑張った生徒には相応の達成感が得られる仕組みを作り出すことにこそ、教え…
今期もあちらこちらの学校をお訪ねして授業を拝見させていただきました。様々な工夫が凝らされた実践を拝見して、刺激を受けながら貴重な時間を過ごせました。この場をお借りして御礼を申し上げます。素晴らしい実践については、機会を見つけて当ブログでもご紹介していく予定ですが、それとは別にどうしても気になる場面も少なからず見受けられました。その中の一つが、以前の記事でも取り上げた「生徒を指名して発言させるとき」…
普段乗ることがあまりない路線を利用したとき車内を見回していたら、専門学校の中吊り広告に「私の進路は最短距離」というコピーを見つけました。ある職業を志す決意で入学する専門学校では、進路希望という夢を最短距離で実現させることが求められるのは当然ですが、高校での進路指導となると全く別の話になります。 ❏ 寄り道が視野を広げ、正しい選択を可能にする 高校の進路指導は、「進路希望や志望理由を作るフェイズ」と…
より良い授業の実現を図るには、習ったことを使ってみる機会(=授業を通じて獲得した知識や理解を用いて答えを導くべき問い)をしっかり用意する必要があり、それらが学習目標の理解や学びの仕上げに正しく利用できているか、生徒の学力向上感との間で散布図を描いてチェックしてみるべき、というのが一昨日と昨日の記事の趣旨です。 ❏ 紙の上に固定できることは議論の進めやすさ どのように授業を進めていくかは、教科の中で…
2020年に迫る高大接続改革に備えてこれまでに何年もかけて積み上げてきた準備を土台に、新しい学力観に沿った学ばせ方への転換が図られているものと拝察しますが、同時に、学力形成の中間検証手段である定期考査もそれに見合ったものに更新されていかなければなりません。次に控える定期考査までに、教え方と測り方の双方がきちんと更新できたか、ご自身で/教科の中で確かめておく必要があると思います。生徒は考査問題に合わ…