月: 2023年12月

年末・年始の業務について(ご挨拶)

平素より格別のご高配を賜り、誠に有難うございます。早いもので師走も後半に入り、今年も残すところ10日あまりです。 先生方におかれましては、ご多用の日々をお過ごしと拝察いたします。年が明ければ、共通テストを皮切りに入試シーズンに突入です。 年末年始はゆっくりお過ごしになり、リフレッシュされますよう。さて、当オフィスでは以下の通り、年末年始の営業をお休みさせていただきます。新年の営業開始は1月4日(水…

理解確認/学びの振り返り

1 理解度の確認~場面と方法 1.0 理解度の確認~場面と方法(序)1.1 その1)理解度の確認はなんのために行うのか1.2 その2)発問/問い掛けによる理解度の確認1.3 その3)小テストによる理解度の確認  ├ 小テストをもっと効果的に(前後編)Updated!  └ 授業内に行う小テスト1.4 その4)提出された課題に目を通して行う確認  └ 提出物は丁寧に添削して返すのがベスト?1.5 既…

新たなチャレンジに先生方の協働で取り組むとき #INDEX

高大接続改革以降、パフォーマンスモデルからコンピテンシーモデルへの学力観の転換に伴う「新たな学ばせ方の確立」、さらには「総合的な探究の時間の指導法の開発」といった課題もあり、先生方が知恵を出し合い、協働で新たなチャレンジに取り組む機会が増えてきました。こうした「新たなチャレンジ」に取り組むときに大切なのは、目指すところを明確にして、工夫の一つひとつの効果を測定すること。効果測定なしには、いつまでも…

新しいことに生徒が戸惑いを見せても

生徒をそれまでやらせたことがないことに挑ませれば、最初の戸惑いは当たり前のこと。例えば、拙稿「教科書をきちんと読ませる」や「質問を引き出す」でご提案したような活動でも、教室に初めて持ち込んでみたときから何の障害もなくスムーズに運ぶのはむしろレアケースです。最初のトライで上手くいかないからといって、その後の挑戦を止めてしまっては生徒はいつまでたってもできるようにはなりません。やらせようとしたのが必要…

互いの実践に学び、校是たる授業像を作り上げる

授業改善は先生方一人ひとりが取り組むべきお仕事であるのは間違いありませんが、教科内外で先生方の協働があってこそ、うまく機能する/成果が上がるものという側面もあろうかと思います。周囲の優れた手法や工夫に学ぶことなしには、改善に向けた発想も自分の中に閉じたものとなり、広がりも深まりもないまま凝り固まってしまうリスクを抱え込みます。互いの実践に学ぶ中で、より良いものが共有されるにつれ、校是ともいうべき「…

マニュアルありきでの指導にはリスクあり

総合的な探究の時間をはじめ、新しい学力観に沿った教育活動が次々と導入され、その指導法確立は喫緊の課題ですが、指導法を考えるときに大切なのは、マニュアル作りを先行させることではありません。目標とするところ(=活動を通して獲得させる能力や資質)を先生方がしっかりと共有した上で、それぞれが最善と思う方法で指導に当たり、その成果を比較する中で、より良い方法を選び出していくことです。規矩不可行尽(きくおこな…

指導案の優劣を論じるときも

ある単元の指導案を持ち寄ってその改善協議をするとき、あるいは教育実習生にアドバイスをするときなど、参加者それぞれの経験や考え方が競合を起こし、議論がかみ合わないことも少なくないかと思います。過日の記事とも関連しますが、エビデンスがないまま指導案/指導方法の優劣を論じても、主観がぶつかり合うばかりで、簡単には「より良い指導の方法を先生方の協働で作り出していく場」になりません。 2016/06/29 …

年度の後半で授業評価が下がる?

1学期の授業評価アンケートで見出された改善課題を着実にクリアし、数ヶ月後に実施した2学期のアンケートでは大きく評価を改善しているケースが少なくありませんが、これとは逆に1学期の高い評価を2学期に維持できていないこともあります。経年データを見ると、年度が替わるごとに評価を上げて、夏を過ぎるとまた下がるという繰り返しが観察されるケースも少なくありません。集計結果を折れ線グラフにしてみると、あたかもノコ…

学習者としての成長を促す"活動評価"と"振り返り"

生徒は各教科を学ぶ中で、教科固有の知識や理解を蓄えているだけではありません。学びへの姿勢や物事の学び方、課題を解決するための思考手順、協働場面でのふるまい方など、様々なものを身につけています。どんな能力や資質、姿勢を獲得させたいのか(ゴール)を明確にし、生徒一人ひとりが今、成長過程のどこにいるのか(現在位置)を掴まないことには、両者を結ぶプロセスである「指導」も計画できません。生徒自身もまた、段階…

海外も注目している日本の”トッカツ”

以下のテレビ報道をこのブログでご紹介したのは2017年の春先のこと。番組の主旨は「民主化以降不安定な情勢が続くエジプトで、社会の秩序を保つのには若者の教育が欠かせないとして、規律や協調性を重んじる日本の特活を取り入れる試みが始まっている」というものでした。日本では「当たり前のこと」として価値を忘れかけていたことに、海外から高い関心が向いていることに抱いた新鮮な驚きを覚えています。 エジプトで始まっ…

積極的に学ぶ姿勢(記事まとめ)

積極的に学ぶ姿勢を生徒一人ひとりに持たせたいというのは、先生方のどなたもが抱く思いでしょうが、言うは易く、その実現は中々たいへんです。学びへの積極性を引き出すには、それを構成する要素群を正しく想定し、その一つひとつを着実に成立させていく必要があります。如上の構成要素の想定(=問題の切り分け)には、生徒が学びに消極的になる場面とその要因を考えてみるのも一つの手。以下のようなケースは教室でも多く観察さ…

学びの方策、進路意識の形成過程における効果測定

結果学力の伸長や、学びに対する自己効力感の向上などに加えて、学びに取り組む姿勢や学習方策の獲得もまた「指導を通じて目指すところ」である以上、これらもきちんとした効果測定を行う必要があります。各教科の学習指導のみならず、進路指導や探究活動を通じて形成を図る進路意識についても、定量的にその進捗を捉えなければ、計画通りの成果を得ているか判らず、やりっぱなしになってしまいます。効果測定の結果を踏まえ、付加…

共有すべきは付加価値の大きな指導

昨今、耳にすることも少なくない「組織的な授業改善」。何やらヘビーな響きがありますが、それぞれの先生方が重ねてきた工夫の成果を共有して、教科全体、さらには学校全体で「より良い授業の実現」を目指しましょうということにほかならないはずです。別稿「互いの実践に学び、校是たる授業像を作り上げる」でも書いた通り、周囲の先生の優れた手法や工夫に学ぶことなしには、改善に向けた発想も自分の中に閉じたものとなりがち。…