月: 2020年11月
遠隔授業のデータから考える対面の良さを生かすポイント
今年も幾つかの大学での本年度前期の授業評価アンケートのデータを分析する機会に恵まれました。今年はコロナ禍で対面授業ができず、前期を通してずっと遠隔授業が行われていたこともあり、項目間の相関など集計結果には例年と違ったものが方々に見て取れます。 対面授業が行われていた過年度と比べ、遠隔授業では以下のような変化が生じており、どうやら特定の大学だけの現象ではなさそうです。 教員の理解確認と学生の到達目標…
実技実習の授業に「振り返り」がもたらす効果
"アクティブ・ラーニング"で学習時間が減る?
所謂「アクティブラーニング的な要素を取り入れた授業」が広く行われるようになった学校で、生徒の平均学習時間が減っているというデータがありました。興味がわいて調査してみたところ、ひとつの学校の特異な事例ではありませんでした。自己評価や学習時間調査の方法は各校それぞれであり、また精度も良くない訊き方をしていることもあり、集計結果を鵜呑みにすることはできませんが、生徒が学びに主体的に関わろうとさせる中、実…
協働学習を"集団としての調和"で終わらせない
授業の中で思考力を鍛える
新しい学力観の下で、思考力を鍛えることの必要性への認識はますます高まってきています。なかなかすっきりした定義が難しい「思考力」ですが、「分析的な思考力」と「統合的な思考力」に大きく分けて考えるようにするとストンと落ちることが多いように思います。 分析的な思考力 与えられた問題を分析的に理解する力 統合的な思考力 複数の情報を統合して新しい考えに編む力 テクストを読んで理解したうえで、その中に問いを…