月: 2020年12月

特色ある教育プログラムに対する意欲と興味の維持

各地の学校で、意欲的な教育プログラムが創り上げられ、特色ある教育活動が行われています。現地をお訪ねし成果発表会を参観したり、指導の様子を拝見させていただいたりする中で、生徒の皆さんの熱心な取り組みや指導に当たる先生方の熱意と工夫に、こちらがワクワクを感じることがしばしばです。しかしながら、じっくり観察してみると、入学間もない1年生や2年生の一様な熱心さに比べて、3年、4年と学年が進むうちに生徒の間…

考査問題の改善が授業も変える#INDEX

先生方の頭の中には「学力観」というものがあります。普段はことさら意識することがなかったとしても、それらは授業の進め方、テスト問題の作り方にはっきりと現れます。学力観が背景要因となって{何を教えるか=何を測るか}という関係が作られているということです。瞬間ごとに相を変えていく授業は、固定して吟味の対象にするのも容易ではありませんが、紙の上に固定されたテスト問題はじっくりと眺めて検討したり、複数の先生…

考査問題の改善が授業も変える(後編)

卒業までに身につけさせたい学力から逆算して、時期ごとに獲得させるべき学力(科目固有の学習内容に加えて能力や資質など)を目標に設定し、その達成度を測れる定期考査問題を3年間/6年間に正しく配列することは、授業の改善に大きく寄与します。定期考査は学力形成の工程における「中間検証」の機会です。そこまでに獲得できた学力を正しく評価できてこそ、その後の指導に明確な指針と課題が得られます。また、定期考査の内容…

考査問題の改善が授業も変える(前編)

より良い授業を目指した工夫や取り組みは実に様々で、拝見するたびに先生方の意欲的な取り組みには頭が下がるばかりです。しかしながら、学びの成果を測るツールたる考査問題の改善には指導法の工夫に比べてあまり意識が向けられていないようにも感じています。新しい学力観を取り入れた学ばせ方への転換が図られても、定期考査が旧態依然のままではその成果を正しく測定できず、次の指導に向けた課題形成もままなりません。生徒は…

模試の結果を正しく振り返る(学習行動の改善)

以前の記事でも書きましたが、模試や考査の事後学習では間違え直しに取り組ませるだけでは不十分です。テストの結果を通じて振り返るべきは「これまでの自分の勉強への取り組み方や学習方法」であり、振り返りを行うことの目的は「より良いパフォーマンスを得るにはどのように行動すれば良いか」という自分の課題を設定すること。ひいてはその繰り返しの中で、自律的に自らの学習行動を改められるように育てることにあります。 2…