月: 2020年9月

"丁寧に教える"ことを取り違えていないか

先日、ある先生とのお話の中で、こんなご意見に触れました。───丁寧に教えてあげれば生徒は理解できるので、自分がその科目をできると誤解してしまう。進路を選んだ後になってからその科目に適性がないことに気付いたのでは、本来なら入れたはずの大学にも進めなくなる。丁寧に教えることが必ずしもよいこととは限らず、適性のなさに早めに気づかせ、ほかの進路を考えさせることも大切だ。───確かに適性のないところにしがみ…

授業評価アンケートの結果の見方、活かし方(その3)

前稿(その2)の終わりに、「改善に向けた新たな知見を得るのに最も効率的で確実な方法は、既に校内で高い評価を得ている先生の実践に倣うことであり、高評価を得た先生からの積極的な発信が期待される」と申し上げましたが、教科内/校内に向けて発信すべき実践の所在を知るには、個人票裏面の「クラス別集計」をご覧いただくのが好適です。 ❏ 相対的な位置と、クラスごとの違いを確認 個人票(授業評価集計)の裏面には、担…

授業評価アンケートの結果の見方、活かし方(その2)

前稿(その1)では、授業評価アンケートにおいて最も重要な項目である【学習効果】の集計値をみるときの観点と方法をご説明しました。本稿では、学習効果のさらなる引き上げ/授業改善が必要と判断されたときにどうすべきか、集計値から読み取る方法をご紹介いたします。 ❏ グラフ「強みの所在/改善課題」が示すもの 個人票[授業評価集計]の中段には、下図のようなグラフが表示されています。グラフを上下に分けるように引…

授業評価アンケートの結果の見方、活かし方(その1)

授業評価アンケートの実施後、しばらくしてお手元に届く集計結果には様々な数値が記載されていますが、その見方を良く知ることは評価結果を授業改善に活かすために欠かせません。下のイラストは、当オフィスが監修、株式会社ディーシーアイが開発・運用している「授業評価&生徒意識アンケート」の個人票(授業評価集計)ですが、これを例に、集計結果として出力されたデータを見るときのポイントを考えてみたいと思います。   …

情報の整理・構造化のやり方を板書で学ばせる

情報を整理/構造化する方法は、先人たちの発想と工夫によって様々なものが生み出されてきました。インデントやアウトライン記号を用いて階層性を表現したり、表組を使って対立的にものごとを捉えさせたりする場面は、日々の授業で頻繁にありますし、教科書や副教材を改めて見ると、ツリーやフローチャート、ベン図、ブロック図、概念地図といった多様なダイヤグラムが方々に登場しています。これらを身につけておけば、複雑な情報…