月: 2019年9月

最短の進路がベストにあらず

普段乗ることがあまりない路線を利用したとき車内を見回していたら、専門学校の中吊り広告に「私の進路は最短距離」というコピーを見つけました。ある職業を志す決意で入学する専門学校では、進路希望という夢を最短距離で実現させることが求められるのは当然ですが、高校での進路指導となると全く別の話になります。 ❏ 寄り道が視野を広げ、正しい選択を可能にする 高校の進路指導は、「進路希望や志望理由を作るフェイズ」と…

課題(教材)のシェアから始める組織的授業改善

より良い授業の実現を図るには、習ったことを使ってみる機会(=授業を通じて獲得した知識や理解を用いて答えを導くべき問い)をしっかり用意する必要があり、それらが学習目標の理解や学びの仕上げに正しく利用できているか、生徒の学力向上感との間で散布図を描いてチェックしてみるべき、というのが一昨日と昨日の記事の趣旨です。 ❏ 紙の上に固定できることは議論の進めやすさ どのように授業を進めていくかは、教科の中で…

散布図中の位置で探る改善課題[活用機会×学習効果]

昨日の記事でお伝えした通り、「授業を受けて獲得した知識や理解を用いて、問いに解を導いたり様々な課題に解決方法を考えたりする機会」をどれだけ整えたかは、生徒の認識にある「授業を受けての学力向上/自分の進歩の実感」を大きく左右します。下図は、横軸に【活用機会】の得点を、縦軸に【学習効果】の得点を配して作成した散布図です。各得点は、下表の方式で5択(とてもそう思う~そう思わない)の回答選択率に基づいて算…