月: 2015年11月

シラバスの起草・更新に際して(その4)

十分な検討と協議を経て、3年/6年間を見渡したグランドデザイン、科目・教科ごとの到達目標、学び方を生徒に伝える手引きの3つが調ったら、いよいよ年間授業計画を書面に起こして最終的な仕上げです。 ❏ 年間授業計画の起草は、約束事を確認する機会 年間授業計画は、授業の進め方や指導法についての約束ごとを明文化して、授業に様々な立場から関わるすべての当事者(先生、生徒、学校、保護者)が互いに確認・共有するた…

シラバスの起草・更新に際して(その3)

年間授業計画を起草・改訂するときに欠かせない前段階であるグランドデザインの描出と学年✕教科ごとの検証可能な到達目標の設定が完了したら、次に取り掛かるのは、それらを達成するための方法の立案です。学年✕教科ごと到達目標を、どの教材を、どの時期に、どう使って達成を図るかを考え、総指導時間の中に配置していきます。その中で、授業時数に収まり切れないものをどう扱うかという検討も必要になります。 ❏ 副教材の取…

シラバスの起草・更新に際して(その2)

シラバスや年間授業計画を書き起こしたり、改定したりするときのスタートは、前稿でもふれた「3年/6年を見渡したグランドデザインを描くこと」ですが、グランドデザインができたからといって、すぐに各科目で起草に進むのは早計です。指導や学習の方法・手順を考える前には、学年・学期といった時期ごとの到達目標と、達成検証の手段を決定する必要があります。 ❏ 教科✕時期ごとに、目指すべき到達状態を規定する 指導計画…

シラバスの起草・更新に際して(その1)

シラバスや年間授業計画は、学校によって構成や内容がまちまちです。使う場面を想定して、学校独自のフォーマットが確立されたケースも見られますが、どちらかというと記述の約束ごとが曖昧なまま各科目で起草や更新を重ねる中、いつの間にか整合が取れなくなっているケースが多いように見受けられます。 多大な手間をかけても作成しなければならないものなら、「誰がどう使うのか」 をしっかり考えた作りにしたいもの。何のため…

活動の成果を可視化する(英語の音読を例に)

学習成果のうち、獲得した知識の量や解けるようになった問題の範囲などは、テストで点数に変換される「目に見える学力」です。否が応でも定期考査のたびに、成果を実感したり結果を突き付けられたりします。成績が伸びればモチベーションにもつながります。これに対して音読の練習などは、もちろんテストで成果を測ることもできますが、実施・採点の手間も小さくないこともあって、客観的に効果を測定するのはそれほど頻繁にではな…