探究活動、課題研究

探究活動、課題研究

全体の見取り図:探究活動を成立させるための全体構造 探究活動については、これまで様々な視点・角度から記事を書き起こしてきました。テーマ選びの工夫、教科との連携、評価の設計、成果発表会の意味づけなど、切り口はそれぞれです。各記事に通底する、探究指導の骨格となる基本的な考え方を、別稿にまとめてみました。 1 横断的・体験的な調べ学習の先にある探究活動 1.1 調べたことの先に~新たな知と当事者としての…

既卒生が残した「成果」を教材に~探究活動の導入指導

高校に入学してくる生徒は、小学校や中学校で横断的、体験的な「総合的な学習の時間」を経験してきていますが、高校で新たに取り組むのはその先にある「総合的な探究の時間」です。数学や情報の授業で新たに獲得する知識や技能なども駆使して課題の解決に取り組む中、これから自らが生きていく社会に自分がどう関わり、どんな接点を持ちえるのかを「探究」していくことになります。当然ながら、初めて挑戦する学びである以上、取り…

成果発表会の“成果”(その2)

前稿(その1)に書いた通り、探究活動の成果発表会は、生徒にとって自分たちの成果を示し、他者からの質問や評価を受ける中で、得られたものを確かめ、残された課題を明らかにする「仕上げ」の機会です。周囲の仲間の頑張りに触れ、彼我の違いを知るのは、自分の取り組みを相対化し、次のチャレンジに向けた課題を見出す相互啓発の機会です。同時に、成果発表会は、次学年に多くのものを引き継ぐための教育機会でもあります。先輩…

成果発表会の“成果”(その1)

機会あるごとに、各地の学校での探究活動/課題研究の発表会を参観させていただいております。プレゼンやポスターからは、生徒一人ひとりの頑張りや先生方のご指導の成果が伝わってきます。活動を通して得たもの(テーマに関する新たな知見、問題意識のみならず、探究を進める上で必要なスキルや姿勢など)を発表するのは、成果をまとめて、確かなものにする「仕上げ」のためだけではありません。さらに大きな成果をより広く得るに…

プレゼンテーション/成果発表を機につくる成長の場

探究活動をはじめ、生徒が自分(たち)で取り組んできたことの成果を発表する機会は以前に比べて多くなっています。日々の授業の中でも、個人/グループで調べ学習や討論を行った結果をプレゼンテーションにまとめるのは既に「ごく普通の光景」になったように思います。プレゼンテーションの準備に取り組む工程での試行錯誤や努力そのものに加え、発表の場を通して得る直接/間接のフィードバックは、生徒にとって代えがたい成長の…

"探究活動の作法"を学ぶ機会は整っているか

総合的な探究の時間(探究活動)が「自己の在り方生き方を考えながらよりよく課題を発見し、解決していく」ための能力・資質の育成を目標とする学びの場であることは言うまでもありません。前半の「自己の在り方生き方を考えながら」を実現するには探究テーマの選択に際して「進路との接点」をしっかり意識する必要があります。 ここで目指しているのは、21世紀型能力の外縁を形成する「実践力」に含まれる「自律的活動力」「持…

身の回りの問題を多角的に捉えさせる

身の回りに起きていることの中にも様々な問題があり、それらの多くは日々の授業や総合的な探究の時間の中に、学んだり、解決策を考えたりする機会を持ち得るものであると思います。各単元の学習の中で扱うことができるものもあれば、単元を跨いだ融合問題を設定することで学習機会が作れるものもありますし、他の教科と連携した合教科型学習、探究活動で扱うのが好適なものもあります。そうした問題について学んだり考えたりする中…

探究活動を成立させるための全体構造

探究活動については、これまで様々な視点・角度から記事を書き起こしてきました。テーマ選びの工夫、教科との連携、評価の設計、成果発表会の意味づけなど、切り口はそれぞれ異なります。今回は、それらの記事に通底する、探究指導の骨格となる基本的な考え方を改めてまとめてみたいと思います。個々の記事は、いわばこの骨格のどこかを掘り下げたものです。先に全体を通した「主旨」を踏まえていただくと、それぞれの記事が何を意…

違和感は思考[探究]の入り口(まとめ)

本稿を起こしたひと月前、2025年7月の朝日新聞『折々のことば』に美術家・評論家である岡﨑乾二郎氏の「批評の始まりは、まず説明しがたい奇妙な細部を見つけることだ」との言葉が紹介されていました。 どんな絵にもうまく説明できない細部がある。そこで感じた違和を抑え込み、既存の枠組みで説明しようとすると、対象は歪(ゆが)んでしまう。逆にその違和をもはや違和としない理解の枠組みを組み立てるのが批評だと、造形…

探究のプロセスを経た「問いの深化」

探究活動の評価では、成果物(論文やポスター、口頭発表など)の完成度や新規性に焦点を置きがちですが、探究のプロセスを経てどんな能力や資質、スキルを獲得したかにもモノサシをきちんと当てましょう。 きちんとプロセスを踏んだ探究活動なら、最初に立てた問いは、調べたり、考えたり、フィードバックを受けたりする中で、新たな様相を得て深化/バージョンアップしていくはず。探究の過程が進む中で、問いがどれだけ深化した…

知りたいから始める探究テーマ選び

総合的な探究の時間での「テーマ選び」は生徒にとっても大きな関門ですが、ご指導に当たられる先生方も、その指導にはお悩みを抱えながら試行錯誤を続けておられる様子が伝わってきます。多くの生徒に、より意欲的に取り組んでもらいたいとの思いから、生徒それぞれに「興味のあること」からテーマを探させるアプローチが多いようですが、これは必ずしも上手く機能していないように見えます。上手くいかないケースの多くは、以下の…

探究のスキルと姿勢を学ばせる(まとめページ)

探究活動/総合的な探究の時間で目指すのは、問題解決・発見・創造力、社会参画力、持続可能な未来への責任といった様々な能力・資質の獲得。活動にただ取り組ませても効果は限定的です。指導と評価を重ねる中で、「探究のスキルと姿勢」を学ばせていくことが不可欠です。様々なスキル(探究の方策)や活動に向かう姿勢(探究マインド)を学ばせるには、週に1~2コマの指導機会だけでは不足は明らか。教科学習指導や進路指導など…

調べ、整理し、問いを磨く~教科学習で作る探究の土台

探究活動は「疑問や興味」を出発点にしますが、浮かんだ疑問や日々の興味を、見直すこともなく、そのまま「探究テーマ」として確定させてしまっては、その先の活動の質を高めるのは難しくなりそうです。少し調べてみれば既に解明されていることなのに、その見極めもないまま飛びつき、テーマに設定したら、せっかく取り掛かる「探究」も「調べて終わり」になりがち。探究活動の本質である「問いの更新」もろくに起こらずに活動が終…

探究活動の指導に”評価”を実装

探究活動において「評価」を行うことの重要性は、別稿「探究のフェイズごとにきちんと評価&フィードバック」で書いた通りです。探究活動は、フェイズが進むと前工程に戻ることが難しい構造のため、教科学習指導以上に「各フェイズでの着実な評価実施」が不可欠です。評価を行うためには、評価の基準(観点別に整理した段階的な評価規準=ルーブリック)に加えて、評価の機会が不可欠。探究活動では、成果物以上に、プロセスに焦点…

プレゼンテーション力より質問力

探究活動などに限らず、日々の授業の中でも生徒がプレゼンテーションに取り組む機会が増えています。小学校からの蓄積もあってか、中高生のプレゼン力は以前に比べて大きく高まったと感じますが、プレゼン後の質疑応答では、ほとんど質問が出ないか、たまに質問が出ても散発的で、そこから議論に展開するような場面はめったに見かけません。プレゼン力だけでなく、「質問力」を高めることに注力した指導の設計が必要ではないかと感…

総合学習/探究活動における「知識の活用」

各教科の学習指導において「評価」を行うのは「生徒一人ひとりの学びをより良いものにする」ためであるのは言うまでもありません。獲得すべき知識や技能が身についていなければ、それを補う機会を用意する必要があります。知識や技能を「生きて働かせる(=活用する)」ことができていないなら、できるようにさせなければなりません。そうした指導が必要なことを見落とさず、着実に学びの成果を積み上げていくために行うのが「評価…

探究のフェイズごとにきちんと評価&フィードバック

総合的な探究の時間(探究活動)では、3/5段階の数値(評定)での評価は行いませんが、「評価」が不要ということではありません。探究活動は複数のフェイズを経て進むため、各段階で学んでいく「探究の方法と姿勢、スキルなど」の獲得を確かめ、その都度、しっかりと不足を補っていかないと、「やらせただけ」の結果になってしまいます。多大な時間と手間を投じた学び(先生方にとっては指導)が、目標を確実に達するには、各教…

探究活動の効果測定アンケート

総合的な探究の時間では「評定」こそつけませんが、指導を行う以上、きちんとその効果を測定し、「良いもの(大きな効果が見られた指導や働きかけなど)は、校内で着実に共有・継承してきたいところです。共有・継承したものを土台に、先生方の協働で、さらなるブラッシュアップを図るとともに、改めるべきところにはきちんと手を入れ、問題を残さないようにすることが大切です。効果的な指導手法も、組み合わせれば、相乗効果でさ…

探究活動の指導におけるフィードバック(AIも活用)

探究活動の指導を行うときに頭を悩ませるのは、生徒の活動にどこまで介入するかです。とりわけ、生徒の取り組みや成果を、中間段階でどう評価・フィードバックするかで困る、とのお声は少なくありません。生徒の探究テーマと先生方ご自身の専門領域が大きく異なると、内容や探究方法に助言を行うことへの躊躇や不安も生じがちですが、「専門外の助言はできない」との結論に向かうのはやや拙速な感じがします。生徒と一緒に(同じ目…

朝読書で興味を育て、探究に繋ぐ指導の設計

ホームルームで行う「朝読書」を「総合的な探究の時間」と関連付けて実施している学校は少なくないようです。興味を持ったことを掘り下げるための読書との位置づけが多いかと思いますが、「ねらい」にできるところはそれだけには限らないはずです。興味や関心の所在が自分で特定できていない生徒なら、図書室を歩き回って「自分の関心が反応」したタイトルを手に取り、本の内容とその周辺にどんな探究の可能性があるか探ってみるの…