探究活動、課題研究
探究活動、課題研究
アイデアを膨らませ、まとめる方法への習熟
総合学習/探究活動における「知識の活用」
各教科の学習指導において「評価」を行うのは「生徒一人ひとりの学びをより良いものにする」ためであるのは言うまでもありませんが、これは探究活動や進路指導においても同じだと思います。獲得すべき知識や技能(=各単元に固有の知識など)がきちんと身についていなければ、それを補う機会を与える必要がありますし、知識や技能を「生きて働かせる(=活用する)」ことができていないようなら、できるようにさせなければなりませ…
知りたいから始める探究テーマ選び
総合的な探究の時間での「テーマ選び」は生徒にとっても大きな関門ですが、ご指導に当たられる先生方も、その指導にはお悩みを抱えながら試行錯誤を続けておられる様子が伝わってきます。多くの生徒により意欲的に取り組んでもらいたいとの思いからなのか、生徒それぞれに「興味のあること」からテーマを探させるアプローチが多いようですが、必ずしも上手く機能していないように見えます。上手くいかないケースの多くは、「興味が…
探究テーマに偏りは生じていないか
探究活動の成果発表会などを参観する際に、各生徒の「探究テーマ」が学年全体でどのように分布しているかに注目してみると、各校の指導の様子も垣間見えるように感じます。探究活動の指導における目標の一つは、探究のスキルと姿勢を学ばせることですが、生徒が「適切なテーマを、適切な手順を踏んで選び出す/打ち立てる(=問題を見つけ出す)ことができる」ようになってこそ、「社会参画力」や「持続可能な未来への責任」の涵養…
探究活動を通じて育む「思考力」と「実践力」
問いそのものを深化、拡張する練習の場
授業を受けている中でも、日々の生活の中でも、何かしら疑問が思い浮かぶことがありますが、多くの場合、スマホでググってちょこっと調べてみたりするところに止まるのではないでしょうか。ときには何の行動も取らず、そのまま放置してしまうことも少なくないかと思います。疑問が逼迫したものでなければ、それでも実害はないかと思いますが、そこに潜む問題の実態を探り、その解決策を考え出していく力(姿勢と方法)を獲得するチ…
進路を選択する中での「自分を知る」をどう考えるか
進路指導計画は大きく分けて進路意識を形成する過程と進路希望を具体化し実現する過程とがありますが、前者の中に配置されているのが「自分を知る」ことをテーマにしたセクションです。呼び方は学校によって様々ですが、職業や社会を知ること、大学(学部・学科)や学問を知ることとともに3ヵ年/6ヵ年の計画に何らかの形で配列されています。 2019/11/18 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 知るべき「自分」…
探究のスキルと姿勢を学ばせる(まとめページ)
探究のフェイズごとにきちんと評価&フィードバック
教科学習指導では、”学習目標は解くべき課題で示す“で書いたように、導入フェイズでターゲット設問を提示しておけば、学び終えてからその問いに立ち戻って答えを仕上げさせることで学習目標の達成を検証すると同時に、学びをより深く確かなものにすることができますが、探究活動や課題研究の場合、同じ手法が使えません。探究活動の目的から考えるテーマ選びでも申し上げましたが、探究活動では、生徒自…
探究活動や課題研究と成果発表会(まとめと追記)
課題研究や探究活動の成果発表会は、生徒一人ひとりが取り組んできたことを互いに知り、相互に新たな刺激を得る「相互啓発」の機会としてとても大切だと思います。先輩の発表を見た後輩たちも大いに刺激を受け、自分たちも頑張ろうとの思いを持ってくれるはず。こうして受け継がれていく成果と刺激は、やがて学校に「文化」を創り出していきます。さて、その成果発表会ですが、押さえるべきところをきちんと押さえないと、形だけの…
成果発表会の“成果”(その2)
前稿(その1)でも書いた通り、課題研究/探究活動の成果発表会は、次学年に多くのものを引き継ぐための教育機会です。先輩学年が考察を重ねてもなお残った未解決の課題は、後輩学年の研究テーマになり得ますし、研究や考察の中で用いた/見出した優れた手法は、倣うべきものとして後輩たちにもしっかりと学ばせたいものです。自分自身で探究に取り組んだ経験は、大学で何を学びたいのか/学んだことを通じて社会とどう関わるのか…
成果発表会の“成果”(その1)
機会あるごとに、各地の学校での探究活動/課題研究の発表会を参観させていただいております。プレゼンやポスターからは、生徒一人ひとりの頑張りや先生方がご指導に凝らした工夫の成果が伝わってきます。活動を通して得たもの(テーマに関する新たな知見のみならず、探究を進める上で必要なスキルや姿勢も含めて)を発表するのは、成果をまとめて、確かなものにする「仕上げ」のためですが、さらに大きな成果をより広い範囲に届け…
他教科の授業で生徒が学んでいる「探究の方策」
総合的な探究の時間が「教科横断型の学びの場」である以上、自教科以外の授業で生徒がどんな探究のスキルや姿勢を身につけているかを知ることは不可欠。それらを踏まえないことには、生徒が獲得しているものを活かした/土台にしたその先の指導にはなり得ません。探究活動は、各教科で学んだこと(学習内容そのものに加えて、それらを学ぶことを手段として獲得した能力・資質)を、自分事としての課題の解決に使ってみることで、そ…
PPDACサイクルを用いた課題研究(後編)
昨日に引き続き、PPDACサイクル(以下の5フェイズからなる統計を使った課題発見&解決の手順)を用いた課題研究について考えます。 Problem(問題): 問題の把握と明確化 Plan(調査の計画): 研究計画づくり、不足する知見の補完 Data(データ): データの収集・整備、統計表の作成 Analysis(分析): グラフの作成、問題点の分析 Conclusion(結論): 分析結果の解釈、レ…
PPDACサイクルを用いた課題研究(前編)
課題発見や課題解決を行う枠組み(型)の一つに、「PPDACサイクル」というのがあります。 未だに認知度は高くないようですが、総務省統計局が開設している 「データ・スタート」というWEBサイトに紹介されています。ちなみに「なるほど統計学園」もお役立ちサイトです。この枠組みでは、問題の解決に至るまでのプロセスを以下の5フェイズで構成されるものと考えています。 Problem(問題): 問題の把握と明確…
探究活動の充実には図書室との連携が不可欠
探究型学習の充実を図ろうとするとき、図書室との十分な連携は欠かせません。各教科の学習で「調べる、資料を探す」といった活動を増やしていこうとするときも同じです。これらを教育活動の軸に据えて全校で力を入れていこうと決めたのであれば、なおさらでしょう。学校をお訪ねするとき、可能な限り図書室を覗くようにしていますが、自習室としての使用がメインになっていることがしばしばで、蔵書群に学校の教育目標や特色ある教…
成果発表会は、先生方が指導を振り返る機会
生徒が1年かけて取り組んできたことの成果は、取りも直さず、先生方が重ねてきた指導の成果にほかなりません。成果発表会での講評者からの指摘や助言などからどれだけ反省(課題)と展望を得て、その先の活動に活かせるかは、生徒のみならず、先生方にも問われるところだと思います。日々の学習でも、「振り返り」は次に向けた課題形成を図るのに欠かせませんが、特色ある教育活動として小さからぬリソースを割いて取り組んでいる…
良いものを選んで重点的に~探究活動の成果発表
探究活動や課題研究の成果発表会では、優れたものをきちんと選び出してスポットライトを当てるよう、その運用には細心の注意が必要です。後輩たちは先輩の発表を見て参考やヒントにします。良いものと悪いものの違いがはっきり判るようにしてあげないと、適当にお茶を濁したものを目にして「あの程度でOK」という誤解を抱くかも知れません。成果を発表させる/まとめる機会は、学校全体で取り組んできた新たなチャレンジが、次年…