探究の各フェイズで行う「事前指導」と「目線合わせ」
― 空回りを防ぎ、確かな学びに導くために ― 探究活動の指導を行っているとき、意図するところ(各フェイズの活動への取り組み方、そこでの成果が満たすべき要件など)が生徒に上手く伝わらず、狙った方向の取り組みにならないことが少なくありません。取り組んでいる生徒の側でも、戸惑いながらも努力しているつもりなのに、しっくりくるものにならず、挙句の果てに、だいぶ進んだところでダメ出しを喰らっては、やる気も削が…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
― 空回りを防ぎ、確かな学びに導くために ― 探究活動の指導を行っているとき、意図するところ(各フェイズの活動への取り組み方、そこでの成果が満たすべき要件など)が生徒に上手く伝わらず、狙った方向の取り組みにならないことが少なくありません。取り組んでいる生徒の側でも、戸惑いながらも努力しているつもりなのに、しっくりくるものにならず、挙句の果てに、だいぶ進んだところでダメ出しを喰らっては、やる気も削が…
教科学習指導において、各単元の内容を理解することは、「ゴール」というよりむしろ「中間地点」と捉えるべきものと考えます。単なる理解に止まらず、獲得した知識や技能が活きて働くことは必達目標ですが、さらにその先もあるはず。そこに導くのも先生方のお仕事です。理解したことの中に新たな疑問を見つけて掘り下げていけば、知の地平が広がり、解決すべき自分事としての課題を見つけることもあると思いますが、外からの働き掛…
課題研究や探究活動の成果発表会は、生徒一人ひとりが取り組んできたことを互いに知り、相互に新たな刺激を得る「相互啓発」の機会としてとても大切だと思います。先輩たちの発表を見た後輩学年も大いに刺激を受け、自分たちも頑張ろうとの思いを持ってくれるはず。こうして受け継がれていく成果と刺激が、やがては学校に「文化」になります。さて、その成果発表会ですが、押さえるべきところをきちんと押さえないと、形だけのもの…
探究活動の目的は、未解決の課題を見つけ、その解決に挑むことで「新たな知を創造する方法と姿勢」を身につけることにあります。さらに、それらの課題に自分はどう向き合い、関わっていくのかを考える機会であり、その中で生徒は、21世紀型能力の「実践力」を養い、とりわけ「持続可能な未来への責任」という資質を獲得します。教育の主目的は「社会に適応させるための訓練」から「社会の課題に取り組み、より良い社会を創る人材…
探究活動の成果発表会は、生徒にとって貴重な学びの場です。他の生徒が重ねた努力の成果に触れて自らの取り組みを相対化してみることは適格な振り返りへの第一歩。多くの時間をかけた学びの成果をより深く、確かなものにできるかどうかを分ける重大な局面です。 代表者による発表に触れて、その良い所を理由とともに明確に掴めてこそ、同学年の生徒は自分の取り組みの成果と過程を振り返る際の「彼我の違い」に気づき、後輩学年は…
探究活動の評価では、成果物(論文やポスター、口頭発表など)の完成度や新規性に焦点が置きがちですが、探究のプロセスを経て、どんな能力や資質、スキルを獲得したかにもモノサシをきちんと当てましょう。きちんとプロセスを踏んだ探究活動なら、最初に立てた問いは、調べたり、考えたり、フィードバックを受けたりする中で、新たな様相を得てバージョンアップしていくはず。探究の過程が進む中で問いがどれだけ深化したかを見て…
課題研究などの探究型学習に限ったことではありませんが、何かに取り組ませたら、その成果と過程(取り組み)をきちんと評価をする必要があるのは言うまでもありません。できるようになったことを「たな卸し」することで生徒に自らの成長を自覚させるとともに、これまでの取り組みに足りなかったものに気づかせ、「この先、何にどう取り組むべきか」を考えさせること(=進捗と改善課題を捉えた学びの実現)が評価を行うことの第一…
総合的な探究の時間で「ビジネスプラン作り」に取り組ませるケースも少なくありません。社会課題の解決を図る中で新たなサービスや商品が生まれますが、探究とビジネスプランの親和性は元々が高いものです。以前の教育が、現状における社会の仕組みありきで、生徒をそれに適合させるプログラムだったとしたら、今の教育が目指すのは「社会課題を解決してどんな未来を創るか」を考え、行動できる人材の育成です。身の回りから人類の…
新しく見聞きしたことを理解したり、そこに問題を発見したりするのは、もともと持っていた知識と新たな情報が接点を持ったということ。新たな情報が放り込まれたところの周辺に、既に蓄えられていた知識が待ち受けていないと、情報は接点を得ることなく素通りしていきます。既に知っていること/理解していることは、新しい情報を拾い上げるための「認知の網」として機能します。学びや体験の欠如で「網」が張られていない/穴が開…
探究活動や課題研究のプログラムを作って導入し、生徒に取り組ませるとき、「何を目的とする活動か」という根源の問いに先生方がどのような答えを共有しているかはとても大事なことだと思います。探究活動には様々な役割がありますが、以下の2つは他の活動での代替は困難です。 指導に当たる中、「調べ学習」で終わっている生徒、そこにも到達していない「検索&コピペ作業」だけで調べ終えた気になっている生徒を見過ごしてしま…
各地の学校で探究活動や課題研究の成果発表会を拝見していると、自らの興味を掘り下げ、リサーチクエスチョンを立て、きちんと探究のプロセスを踏んで答えを導いた後に、自分の生き方・あり方まで踏み込めているものも多々見かけますが、そうでないものも少なからず…。先行研究を拾い上げ、そこに書かれていたことを繋ぎ合わせただけに見えるものもあります。高校で体験する探究活動は「どんな研究成果が得られたか」より「各プロ…
各教科の学習指導において「評価」を行うのは「生徒一人ひとりの学びをより良いものにする」ためであるのは言うまでもありませんが、これは探究活動や進路指導においても同じだと思います。獲得すべき知識や技能(=各単元に固有の知識など)がきちんと身についていなければ、それを補う機会を与える必要がありますし、知識や技能を「生きて働かせる(=活用する)」ことができていないようなら、できるようにさせなければなりませ…
総合的な探究の時間での「テーマ選び」は生徒にとっても大きな関門ですが、ご指導に当たられる先生方も、その指導にはお悩みを抱えながら試行錯誤を続けておられる様子が伝わってきます。多くの生徒により意欲的に取り組んでもらいたいとの思いからなのか、生徒それぞれに「興味のあること」からテーマを探させるアプローチが多いようですが、必ずしも上手く機能していないように見えます。上手くいかないケースの多くは、「興味が…