AIの活用というと、「学習指導における個別最適化」に関心が集まりますが、探究活動や進路の指導でも、個に合わせた対応での「時間やリソースの制約」にはAIを積極的に活用していく必要がありそうです。
各地の学校での取り組みを通して学ばせていただいたこと、そこで考えたことなどを折に触れておこしてきたブログ記事を、関連記事も含めてまとめてみました。お時間の許すときにご高覧いただければ幸甚です。
2025/03/16 公開のまとめページをアップデートしました。
AI時代における「問いを立てる力」の重要性:
情報が溢れる時代、生徒は適切な問いを立てられますか? AIの効果的活用には「問いを立てる力」こそが必要。その育成機会を考えます。
>関連記事:探究のプロセスを経た「問いの深化」
- 適切な問いが、正しい答えを引き出す
- AIが返した答えを吟味し、問いを重ねる
- 探究活動の成否も「問いを立てる力」が分ける
- 問いを立てる力の涵養は日々の学びと相互啓発の中で
AIが拡張した「力」は使い方次第。改めて重要な知情意の育成:
技術が拡張した力は、正しい目的と方法があってこそ活きるもの。教室での指導には知情意を整える意識がこれまで以上に求められています。
>関連記事:AIが人間に対して”不信感”を抱く?
- 力の拡張に伴って「責任」もより大きなものになる
- 日々の学習を通じて、今こそしっかりと学ばせたいこと
- AIが可能にした学びを、知情意の獲得に活かす
AIによるログの整理と分析で、学びの可視化を促進:
ポートフォリオがただの記録になっていませんか? AIの活用でログを効果的に整理・分析し、生徒の成長を可視化する方法を探ります。
- そもそもポートフォリオとは(再確認)
- 探究活動で残したログを活用する場面
- 自らの頑張りを支える材料にもなるポートフォリオ
- 進路指導を進める中で残させるポートフォリオ
- 各教科の学習の中にも進路に繋がる活動が
AIが生徒の思考を深める「対話の相手」になる:
志望理由書は生徒の本音を伝えていますか? AIとの対話を通じ、自己理解を深め、説得力ある志望理由書作成を支援する方法を探ります。
>関連記事:対話的な学びにおける”第4の相手”
- AIとの対話で内省と自己理解を深めさせる
- 実際の手順と出力されてくるもの(イメージ)
- 生徒にもどんどんやらせつつ、内省の進み方を観察
- 採点ルーブリックを「学習」させることも可能
AIを評価とフィードバックに活用して、探究活動を深化させる:
成果発表会は評価と活動自体の改善の場になっていますか? 手間のかかる評価などにAIを使い、探究活動の質を高めることに繋げましょう。
- 代表者を選んだ理由はきちんと言語化する
- 発表に対するコメントを「深く確かな学び」にするには
- 過年度の成果との比較で、指導改善の度合いを測る
AI時代を迎えて、思考力に求められるものにも変化が:
生徒の創造的思考力をどう育てていますか? PISA2022で調査が行われた「創造的思考力」とはなにか、これまでの経緯を辿り、整理します。
- 協同問題解決力(2015年調査)
- グローバル・コンピテンス(2018年調査)
- 創造的思考力(2021年調査→22年に延期)
- 遡って12年調査の「問題解決力」~原点はここに
AIを活かして先生方の負担を減らし、教育の質を向上させる:
新しい学習指導要領への諮問がありました。2030年を待たずに態勢を整えていくには、諮問の趣旨を抑えておくことろからだと思います。
>関連記事:道具が変わっても必要であり続けること(まとめ)
- ガイドラインの内容は、次期学習指導要領の方向性
- 正しい利活用に向かうための学びには3つのフェイズ
- 先生方も、まずはご自身でどんどん使ってみる
- 生徒との関係性の中での評価とフィードバックに注力
新たに開かれた可能性と、抑えるべき副作用を見据えて有効に利用:
デジタル導入の先進国では意外にも紙の教科書への回帰が進んでいるとか。弊害を押さえつつ、新たな技術の利点を存分に生かすべきです。
- 問題はデジタル教材にあるのか、使い方なのか
- 学力の低下や心身の不調を招いた原因は?
- 深く確かな学びの実現に寄与する使い方か(ICT)
- 「問い」を効果的に使って主体的な学びに向かわせる
教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一