高大接続改革を機に、新しい学力観に沿った学ばせ方への転換を図る必要があります。どの学校でも、指導計画の見直しや授業デザインの研究が意欲的に進められているものと拝察しますが、その中で、学ばせ方の転換で家庭学習の充実が求められることへの十分な意識が必要です。
教室の中で、対話的で深い学びを実現するには、生徒の側での授業準備はこれまで以上に重要性を増しますし、そこで深めた学びをより確かなものとし、広がりを持たせるためには、家庭学習を通じてその先の課題にじっくり取り組ませる必要があるからです。
このように考えてくると、家庭学習の習慣形成を図り、一定以上の学習時間を確保するための方策を確立することは、教え方や学ばせ方の更新を図ることにも劣らぬ重要性を持つように思えます。
このような問題意識のもと、これまで考えてきたところを前・後編からなる記事2本にまとめました。
きちんと勉強させるから力を伸ばせる
目標とする学習時間は適正なのか
もう少し”科学的”に目標値を設定しようとするなら
平均値ではなく、目標時間をクリアした割合で
一日の平均を訊くより、週を通して記録させる
宿題を増やすより、履行率を高める有効な手立てを
やりかけの状態を作ってから教室を離れさせる
帰宅直後の5分間のルーチンを作らせる
これらの記事でお伝えしたことの背景には、一体のものとして扱うべき様々な課題が存在しています。
以下は、それらについて考えるところを綴ってきた拙稿ですが、お時間の許すときに合わせてお読みいただければ光栄です。
- 2020年対応型の”予・復習と授業のサイクル”
- 次回の予習ができる状態を作って授業を終える
- 知識をどこまで拡張するかは個々のニーズに合わせて
- 荷物を増やしても、学びが膨らむとは限らない
- ひとつの課題から複線的なハードルを作る
- 高大接続改革に備えて考査問題も新しいスタイルに
- 高校生のタスク管理&スケジューリング
受験シーズン真っ盛り、先生方におかれてはご多忙を極める時期ではありますが、4月に新しい生徒を迎えるまでにやっておくべきこと/しっかり考え要否を判断しておくべきことも少なくありません。新学期準備に際し、如上の記事が少しでもお役に立てばこの上ない喜びです。
教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一