解いたことで成長ができる問題こそが"良問"
どんな問いを立てるかは授業デザインの要。導入フェイズでそれを示して学習目標を認識させるにも、学んだ後でその答えを仕上げることで学びをより深く確かなものにするにも、問いの役割は小さくありません。予習に取り組ませるときも、範囲を指定して「予習しておきなさい」と指示するだけのときと、指定範囲をしっかり勉強すれば答えられる問いが用意され、その答えを作るために教科書や参考書に当たるのとでは、学びの質に大きな…

当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
どんな問いを立てるかは授業デザインの要。導入フェイズでそれを示して学習目標を認識させるにも、学んだ後でその答えを仕上げることで学びをより深く確かなものにするにも、問いの役割は小さくありません。予習に取り組ませるときも、範囲を指定して「予習しておきなさい」と指示するだけのときと、指定範囲をしっかり勉強すれば答えられる問いが用意され、その答えを作るために教科書や参考書に当たるのとでは、学びの質に大きな…
現行課程への移行を経て、新しい学力観を取り入れた出題も、意欲的な大学・学部では広く見られるようになっています。完成年度を迎え、現課程での最初の入試も終わりましたが、暫くは大学入試問題ウォッチに一層の力を入れて、新しい学力観の下での学ばせ方を模索すべきです。出題研究を通して”問い方”を学ぶ ことは、先生方ご自身の持つ学力観を更新するのに代えがたい機会のひとつですし、「問いの立…
最終学年の夏を過ぎて「受験期」を迎えると様々な目的と課題を持った生徒が一つの教室で机を並べる状態になります。個々の生徒の力を最大限に伸ばすには、選択的な課題付与などを通じた「学びの個別化」への対応も大切ですが、それと同時に、生徒が互いの頑張りを支え合う学びのコミュニティの創出と維持にも十分な注力が必要です。新学期もまだ始まっていないこの時期に何で?との反応も想像いたしますが、新年度の初日から「秋か…
生徒一人ひとりの進路希望を把握することは大切ですが、それ以上に大事なのは、生徒が「進路意識を形成し、進路希望を具体化するまでに、必要なプロセスをきちんと踏んでいるかどうか」を逐次確かめること。プロセスを正しく踏む中でこそ、生徒は「選択の力」を養い、「自らの選択の結果に向き合える準備」を整えていきます。進路指導の主眼は、まさにここにあると考えています。本シリーズでは、以下の3つの視点から「とりあえず…
生徒の進路希望を調べる場合、調査票を配って、国公立か私立か、理系か文系かなど、現時点での希望を尋ねたり、大学名や学部・学科を挙げさせるのがよく見かけるやり方ですが、不用意な訊き方では、「選択までの過程」に潜んでいる問題を見落とし、後になって思わぬ弊害が生じます。進路希望調査の実施にも「押さえるべきポイント」があります。 2017/04/10 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ 選択の結果を訊…
授業を終えて生徒から「楽しかった」「感動があった」という声が寄せられると、教える立場として大きな励みになります。そうした声の背後には、次の学びに向かうモチベーションの膨らみも想像できます。学習における感動や楽しさには、その生まれ方によって大きく二つのタイプに分けられるように思います。強いて言葉を当てるなら、一方は、授業者や教材によって「外から与えられるもの」、他方は、学習者自身の「内から芽生えるも…
以前に増して「思考させる授業」や「探究的な学び」が求められる中、私たちが目指すべきは、単なる知識伝達を超えた授業デザインです。探究活動やPBLに取り組む機会が増える中、狙いの中心に据えるべき対象は、単元固有の知識や理解の形成と並行して(=それを手段に)獲得を目指す「さまざまな能力や資質」へと変わってきています。 各学校が打ち出している「特色ある教育活動」もまた、既存の教科の学びに「後付け」しただけ…
いよいよ(あっという間に?)新学期。新入生の希望に満ちた新しい顔が教室に揃うのも、間もなくです。迎え入れの準備が万端でしょうか。当地の今の気温は摂氏3度。花冷えというにも「ここまで?」と思えるほどの寒暖の差です。先生方に置かれましてもご多用と存じますが、元気に始業式を迎えるべく、くれぐれも御身大切にお過ごしください。これから3年間、6年間の学校生活を送る生徒たちですが、それぞれが抱えている事情は様…
中高と違い、大学では比較的大人数で行う授業が(昔ほどではないとしても)少なくありません。学生が多ければ、一人ひとりの疑問や「わからないこと」に丁寧に向き合うのは自ずと難しくなりますが、そうした疑問やつまずきを察知できなければ、学びは確かなものになりません。学生が言語化した疑問は、その先の学びを押し広げる入り口です。口頭での発言以外にも質問フォームへの投稿などの形も取れます。しっかりとその場を作り、…
探究活動の目的は、未解決の課題を見つけ、その解決に挑むことで「新たな知を創造する方法と姿勢」を身につけることにあります。さらに、それらの課題に自分はどう向き合い、関わっていくのかを考える機会であり、その中で生徒は、21世紀型能力の「実践力」を養い、とりわけ「持続可能な未来への責任」という資質を獲得します。教育の主目的は「社会に適応させるための訓練」から「社会の課題に取り組み、より良い社会を創る人材…
探究活動の成果発表会は、生徒にとって貴重な学びの場です。他の生徒が重ねた努力の成果に触れて自らの取り組みを相対化してみることは適格な振り返りへの第一歩。多くの時間をかけた学びの成果をより深く、確かなものにできるかどうかを分ける重大な局面です。 代表者による発表に触れて、その良い所を理由とともに明確に掴めてこそ、同学年の生徒は自分の取り組みの成果と過程を振り返る際の「彼我の違い」に気づき、後輩学年は…
探究活動の評価では、成果物(論文やポスター、口頭発表など)の完成度や新規性に焦点が置きがちですが、探究のプロセスを経て、どんな能力や資質、スキルを獲得したかにもモノサシをきちんと当てましょう。きちんとプロセスを踏んだ探究活動なら、最初に立てた問いは、調べたり、考えたり、フィードバックを受けたりする中で、新たな様相を得てバージョンアップしていくはず。探究の過程が進む中で問いがどれだけ深化したかを見て…