月: 2020年1月

質問や相談が上手にできない生徒

学校生活を送る中で生徒は様々な悩みや問題を抱えます。生活、学習、進路の各領域で成長を遂げようとする中、自分の中に蓄えてきた知識や経験だけでは判断がつかないことや解決できない問題に遭遇します。 先生方との相談で、周囲からの刺激を上手に消化 しかしながら、そうした悩みや問題を抱えたときに適切な相談ができていない生徒もいます。周囲に信頼して相談できる人がいても、自分が抱えている悩みや相談の正体を捉えきれ…

終盤まで伸び足を止めないために

模擬試験の成績や授業評価アンケートのデータを見ていると、2年生のときの大きな低下(あるいは停滞)を3年生の前半で大きく巻き返したと思ったのに、夏を越えて受験期を迎えた途端にパタッと伸び足が止まってしまうことがあります。(cf. 年度の後半で授業評価が下がる?)原因は様々で、見立てを誤り拙速な対処策を考えると却って問題を大きくするリスクがあります。本稿をご参考に幾つかの類型を想定した上で生徒をじっく…

探究から進路へのきっかけを作るプラスαの一問

クラス全体に与える必達課題と、学力に余裕のある上位生に挑ませる任意課題を併用することで複線的にゴールを構えることの効用は、以前に別稿「知識をどこまで拡張するかは個々のニーズに合わせて」でご説明した通りです。本稿で新たにご提案するのは、そこからもう一歩踏み込んだ、「単元で学んだことの先を上級学校に進んでさらに深く学んでみたいという生徒に、探究に繋がる問いをもう一つ用意してみる」ということです。 20…

隠されているものは覗きたくなる

以前、”所さんの目がテン”というテレビ番組で「のり弁の心理効果」を特集していました。このブログでのり弁について考察する気は毛頭ありませんが、「のり弁には好奇心をくすぐる宝探しのようなわくわく感がある」という点には興味を覚えました。「ご飯を隠すように海苔がのせられていることで、見えない中身を知りたいという意識が働く」というメカニズムは、学ばせ方のデザインにも応用ができそうです…

先生も生徒も、評価者としてのトレーニング

新しい学力観への転換に伴い、指導方法の工夫を重ねるのと並行して評価方法にも組み直しが必要になりますが、ここで忘れがちなのは、新しく設けた評価基準を正しく適用できるようになるための評価者としてのトレーニングです。試行期間を使ってしっかり練習を積みましょう。当ブログでも繰り返し申し上げてきましたが、学習評価は以下のような様々な材料とそれに応じたツールを用いて多面的に行うものです。 結果学力を測定するた…

新しい評価の実行可能性を高めるための工夫

新しい学力観への転換が図られる中で、学習指導の方法の工夫と開発が進んできました。新たな指導法を開発・発見すると、すぐに教室で試してみたくなりますが、ぐっと立ち止まって「評価はどうする?」と自問してみましょう。ここに来て、学習評価の改善も本格化な取り組みを始めた学校も少なからず見受けられるようになってきました。学習の「結果」と「プロセス」の双方について「到達点」と「変化量」を視点に把握する必要がある…

最初の答えと作り直した答えの差分=学びの成果

何らかの課題や問いを与えて生徒に取り組ませるとき、生徒が最初に作った答え(=単元やテーマを学ぶ前の段階で考え出せたこと)を保存しておき、それを学び終えて仕上げた答えと比べてみると、両者の違いに着目することで学びの成果を確認・可視化できるようになります。たとえ、答えに行きつかなかったとしても、書きかけの答案や題意を図に起こそうとしたときの痕跡もあるはずです。それをノートやワークシートから消してしまわ…