事前フォームで進路面談への準備を整えさせる
秋には、生徒が様々な「選択」の場に臨みます。1年生は2年からの履修科目群、2年生は進路希望の具体化の中での志望学部、3年生は出願する先を決める中で、先生方との面談は非常に大きな意味を持ちます。それぞれが、進路学習を通して得た情報を消化し、自分事として解釈していかなければなりませんが、刺激を上手に消化するには、信頼出来る相手との相談も欠かせないもの。当座の正解を見つけるだけでなく、正しい選択をする方…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
秋には、生徒が様々な「選択」の場に臨みます。1年生は2年からの履修科目群、2年生は進路希望の具体化の中での志望学部、3年生は出願する先を決める中で、先生方との面談は非常に大きな意味を持ちます。それぞれが、進路学習を通して得た情報を消化し、自分事として解釈していかなければなりませんが、刺激を上手に消化するには、信頼出来る相手との相談も欠かせないもの。当座の正解を見つけるだけでなく、正しい選択をする方…
当ブログでしばしば取り上げてきた「問いを立てる力」は、単なる学習技術ではなく、「より良く生きる」ために欠かせないスキルです。身の回りの「当たり前」の中に問題を見出し、その解決策を考え、実現することによって、社会とそこでの暮らしはより良くなります。当たり前のことですが、問題を見つけられないことには、解決への道筋をつけるところには到達せず、いつまでも同じ問題を抱えます。総合的な探究の時間で生徒に取り組…
教科学習指導において、各単元の内容を理解することは、「ゴール」というよりむしろ「中間地点」と捉えるべきものと考えます。単なる理解に止まらず、獲得した知識や技能が活きて働くことは必達目標ですが、さらにその先もあるはず。そこに導くのも先生方のお仕事です。理解したことの中に新たな疑問を見つけて掘り下げていけば、知の地平が広がり、解決すべき自分事としての課題を見つけることもあると思いますが、外からの働き掛…
生徒一人ひとりの進路希望を把握することは大切ですが、それ以上に大事なのは、生徒が「進路意識を形成し、進路希望を具体化するまでに、必要なプロセスをきちんと踏んでいるかどうか」を逐次確かめること。プロセスを正しく踏む中でこそ、生徒は「選択の力」を養い、「自らの選択の結果に向き合える準備」を整えていきます。進路指導の主眼は、まさにここにあると考えています。本シリーズでは、以下の3つの視点から「とりあえず…
生徒の進路希望を調べる場合、調査票を配って、国公立か私立か、理系か文系かなど、現時点での希望を尋ねたり、大学名や学部・学科を挙げさせるのがよく見かけるやり方ですが、不用意な訊き方では、「選択までの過程」に潜んでいる問題を見落とし、後になって思わぬ弊害が生じます。進路希望調査の実施にも「押さえるべきポイント」があります。 2017/04/10 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ 選択の結果を訊…
探究活動の目的は、未解決の課題を見つけ、その解決に挑むことで「新たな知を創造する方法と姿勢」を身につけることにあります。さらに、それらの課題に自分はどう向き合い、関わっていくのかを考える機会であり、その中で生徒は、21世紀型能力の「実践力」を養い、とりわけ「持続可能な未来への責任」という資質を獲得します。教育の主目的は「社会に適応させるための訓練」から「社会の課題に取り組み、より良い社会を創る人材…
進路指導の目的の一つは、生徒がそれぞれの能力や志向に合った進路を見つけ、実現することです。しかしながら、この目的を達成する過程で生徒が身につけるべき様々な資質や姿勢のことも忘れてはいけません。中でも、進路を選択するプロセスの中で養われる「選択の力」は生徒が人生を歩む上でとりわけ大切。進路指導はその力を育む重要な場です。 2014/12/29 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ 高校卒業の時点…
進路形成は大小様々な選択の積み重ねであり、ある局面の選択によってその先に見える景色が違ってきます。もちろん、選択のやり直しはいつでも可能ですが、ある分岐点を右に曲がった場合、左に折れたら見えたはずの光景(≒興味や関心)に出会うチャンスは小さくなります。どちらの道に進むかは、できる限りの情報を集め、吟味し、それぞれの道の先に広がる世界を想像してから決めたいもの。生徒を選択の機会に臨ませるとき、拙速な…
進路を決定するまでのプロセスにおいて、生徒は小さいものから大きなものまで多くの選択を経ながら自分の未来を拓いていくもの。ある場面でおこなった選択は、その後の選択肢の構成を変えてしまいます。選択を間違えたとしても、方向転換や多少の後戻りで正しいルートに戻ることは可能ですが、それには多大なエネルギーが必要となります。時間も巻き戻しはできませんので、「進路決定までのタイムリミット」を超えるリスクのある歩…
進路指導計画を作るときも、それに基づいて実際の指導を進めていくときも、「先に控える選択の機会」をどのタイミングで生徒に認識させるかは、様々なことを想定して決めていくべき重要事項です。タイミングが早すぎると、今やるべきことに集中できなくなり、その中で得られるはずの成果を逃してしまうリスクを抱えますし、逆に遅すぎれば、準備を十分に整えないまま選択に臨ませてしまい、「とりあえずの選択」でその先の可能性を…
選択を迫られれば、誰しも「これが本当に正解なのか」と迷い、選択の結果が左右するものが大きいほど悩みは深まります。それでも「人生で何をすべきか」は外の誰でもなく、自分で決めなければならないもの。進路を選ぶところに来てなお、まったく悩みがないという生徒は、調べたり考えたりするのが足りていないだけかも。多くの情報を集め真剣に考えるほどに選択肢は増え、悩みが増えることも少なくなさそうです。選択に悩んでいる…
日々の学校生活の中では、生徒は様々なことを感じたり気づいたりしていますが、それを漠然とした感想にとどめず、少し立ち止まって考えを深めさせるとともに、言語化し記録に残すことを習慣にさせましょう。先生方とのやり取りや周囲との会話、あるいは授業で読んだ資料など、生徒が受ける「成長のための刺激」は学校生活を送る中のあらゆる場面に存在していますが、それらをもとに熟慮する機会がなければ、気づきや学びは深まりま…
探究活動や課題研究のプログラムを作って導入し、生徒に取り組ませるとき、「何を目的とする活動か」という根源の問いに先生方がどのような答えを共有しているかはとても大事なことだと思います。探究活動には様々な役割がありますが、以下の2つは他の活動での代替は困難です。 指導に当たる中、「調べ学習」で終わっている生徒、そこにも到達していない「検索&コピペ作業」だけで調べ終えた気になっている生徒を見過ごしてしま…
進路希望なり、将来の夢なり、目標となるものを決めたら、それを達成するためにクリアすべき課題が何かを洗い出し、その一つひとつにどう取り組んでいくかを考えていく必要があるのは言うまでもありません。目標達成の要件/課題を正しく捉え、それを充足するための行動を持ち時間の中に効率よく配列しておかないと、無駄なことに時間を費やしたり、肝心なことが意識から漏れて手付かずになったりしがちです。最上級生となる3年生…