新学期を新たな気持ちで(ご挨拶)

いよいよ(あっという間に?)新学期。新入生の希望に満ちた新しい顔が教室に揃うのも、間もなくです。迎え入れの準備が万端でしょうか。
当地の今の気温は摂氏3度。花冷えというにも「ここまで?」と思えるほどの寒暖の差です。先生方に置かれましてもご多用と存じますが、元気に始業式を迎えるべく、くれぐれも御身大切にお過ごしください。
これから3年間、6年間の学校生活を送る生徒たちですが、それぞれが抱えている事情は様々。新しい学校生活への思いも、これまでの学修履歴も一人ひとりで違うはず。教室という新しい環境の中での初期に起きる変化もまちまちかもしれません。
そうした「個々の様子」を正しく捉えることは、これから始まる長い指導を円滑にスタートさせるための肝になるはず。そんな発想で、これまでに起こした記事からいくつかをピックアップしてみました。

生徒の現況と意識を把握してから新学期をスタート

新年度を前に、新たな指導/取り組みを思い描いておられることかと。意欲的なチャレンジは、指導の幅を広げます。しかしながら、指導が所期の成果を結ぶか否かは、生徒が備えているものとのマッチング次第。生徒が何を経験し、どんな能力やスキルを獲得しているか、どんな意識かを把握しないことには、せっかくの指導計画も「空回り」かも。既に備えた「良いもの」に気づかないままでは、「角を矯めて…」という事態もあり得ます。

前向きな気持ちで高校生活をスタートさせる

新入生を迎えるのも間もなく。4月の教室に集まる生徒の中には第一志望が不合格で入学して来る者や、成績が伸びないなどの理由で出願前に志望を切り下げていた者もいるかと。第一志望以外での入学でも、気持ちを切り替え、前向きになっているなら問題ありませんが、初志を貫徹できなかった現状に向き合えていない、所謂「不本意入学」をそのままにしておくのは、本人にも、共に学びのコミュニティを作る周囲にも好ましくありません。

相対順位の低さから自己効力感と学習意欲を守る

学びに限らず、どんな活動でも、集団の中で行うときは自ずと「序列」が生まれます。その中での相対的な位置によって自己効力感が好ましくない影響を受ける(深海魚になる)こともありますが、それを最小限に抑えるのは、学びの場をデザインする立場にある先生方です。本稿でご提案するアプローチを組み合わせたり、使い分けたりすることで、序列の中での順位の低さから生徒一人ひとりの自己効力感と学ぶ意欲を守っていきましょう。

■参考:年間を見通す視点として

追伸。お陰様で当オフィスも、開業から12年目を迎えました。ひとえに皆様のご厚情の賜物と、衷心より御礼を申し上げます。
気持ちも新たに、現場の先生方の実践から学び、少しでもお役に立てるよう、できる限りを尽くして参る所存です。今後ご指導を賜る機会もますます多くなるかと存じますが、何卒宜しくお願いいたします。
年度当初の数週間は、先生方におかれましては、特にご多忙を極める時期と拝察いたします。ちょっと大きく息を吸って、少し先まで目線を向けながら歩を進められるのがよろしいかと。

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一