明日と明後日、ブログの更新をお休みします。

いつもこのブログをお読みいただき有難うございます。明日(3月5日)と明後日(3月6日)は、ブログの更新をお休みいたします。三寒四温の言葉通り、寒暖差の大気くなっています。加えて花粉も…。年度末を迎えて、先生方におかれましては、ご多用の日々と拝察いたします。くれぐれも御身大切にお過ごしくださいますよう。 教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一 先日、良い天気に誘われて、ふらふらと近所を散歩してきまし…

仮の答え(用語解説)

「仮の答え」とは、本時/単元で設定した「ターゲット設問」に対し、学習を本格的に始める前の段階で、生徒がその時点で持ち合わせている知識・経験・発想を総動員して作る「未完成の答え」です。これによって「どこまで理解しているか」「どこに不明や誤解があるか/何が不足しているか」といった、学びの初期値を測定することができます。初期値の把握は、その後の学びを正しく設計する前提です。 また、問いを与えられ、答えを…

問いの分割/スモールステップ化(用語解説)

「問いの分割/スモールステップ化」とは、大きく複雑で、どこから手を付けてよいかわからない問いや課題を、その答えに至る思考・作業のプロセスに即して、複数の小さな問いや段階的タスクに分解し、学びに取っ掛かりと方向性を与える授業設計の考え方。フェイズごとに理解や進捗を確かめながら進めることで、観察とリカバーの機会を確保し、不明や躓きの発生箇所を早期に捉えましょう。補完説明や問い直しのチャンスを確保するこ…

ターゲット設問(用語解説)

「ターゲット設問」とは、本時の授業/単元の学習を通じて、その答えを作るべき「学習内容を俯瞰し得る問い」であり、先生方が授業を設計/デザインしていくときの「思考の軸」となるものです。例えば、「荘園制度の起こりについて、以下の用語7つを使い、200字で説明せよ」という問いをターゲットにすれば、何をどう学ばせていくかを、一つの方向に沿って設計していくことができるはずです。 問いに答えるのに不足するものを…

授業改善を加速するための共通言語(用語集)

より良い授業の実現を目指した先生方の協働(学校全体での/学校を跨いだ授業改善)を進めるときに大切なことの一つに、「授業や学習を語る共通言語」の存在があります。当然ながら、学習指導要領で用いられている言葉の数々もそこに含まれますが、それだけではありません。日々の授業研究の中で、一定以上の頻度で使われていながら、きちんと定義されていない言葉も少なくないかと思います。概念を共有できる言語がなければ、噛み…

学びの躓きをAIで予想、理解形成につなぐ問いを作る

新たな単元を学ばせるとき、「生徒がどこで理解に躓くか」「イメージしにくいのはどこか」を予想し、把握できていることが大切です。ここがしっかりしていると、説明の構成や学ばせ方の工夫などで、先回りした対処ができる分、理解の形成が効率的に図れるようになります。こうした「予想」は、たいていの場合、先生方が積み上げてきた経験に基づいてなされますが、必ずしも「予想がピッタリ嵌るとき」ばかりではないはずです。予想…

中学での経験を踏まえて考える「高校での探究活動」

高校に入学してきた生徒が、小・中学校の総合的な学習の時間や、体験学習などで何をしてきたか、意外と把握できていないものです。指導はすべからく、「現時点でできていること」と「最終的にできるようにさせたいこと」の差分を埋めるために行うもの。入学してきた生徒が、それまでに何を経験し、どんなことができるようになっているかを把握しないことには、指導の設計はできないはずです。中学で経験したのと同じ活動を繰り返さ…

何を目指して、授業/指導をデザインするのか?

知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得への追記 漠然とした言い方になりますが、「先生方のお仕事が、何に対して責任を負うべきものなのか」という問いが、ときどき頭に浮かびます。上の記事を更新するときも、要所で立ち止まっては自問していました。生徒一人ひとりの「確かな学力の形成」はコミットすべきことの一つに間違いないでしょうが、「学力」の捉え方にも、幾つもの階層(=何を対象とするか、どこまで掘り下げ、拡張す…

板書の技術、教具の使い方

1 板書の技術 2 学びを軸にICT活用を考える 3 板書が支える、主体的で対話的な学び 4 学びの個別最適化、非対面環境での学習指導 5 道具の変化と書くことの意味(教育のデジタル化) 6 知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得 7 板書の技術、教具の使い方に関するその他の記事

知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得 #INDEX

科学の進歩や社会の変化で、知識は絶え間なく更新されていきます。今日までの正解が、明日も正解とは限りません。教わったことを覚えていても、知識の拡充と更新が行えなければ、知識と発想の不足や古さが、正しい選択(=より良く生きること)を妨げるリスクが膨らみます。知識は思考の道具であり、しっかり拡充を図る必要がありますが、知識付与の効率を優先するあまり「情報を集めて整理し、知に編む工程」を生徒に体験させない…

知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得(その4)

効率化を迫る「時間不足」に3方向からアプローチ 前稿では、問い掛けを重ねつつ黒板上で情報を構造化してみせる中で、生徒に「情報整理のプロセス」を学ばせることをご提案いたしました。これにより、知識の拡充と、情報整理手法の獲得という「両面作戦」にも、ある程度の見込みが立ちました。整理・構造化の方法を学んでおけば、知識の断片化が進んだり、丸暗記に頼るリスクも減るはずです。しかしながら、蛍光ペンやサブノート…

知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得(その3)

問い掛けで気づかせつつ、板書で構造化を体験させる 蛍光ペンでのマークアップやサブノート式のプリントが内包する問題点と、その悪影響を抑える工夫について考えたのが前稿、前々稿です。今回は「問い掛けで気づきを促しつつ、黒板上で情報を構造化していく」ことを軸にした、別のアプローチをご提案いたします。狙うところは、問い掛けることで、観察に焦点を与え、そこでの気づきを言語化させていくこと、加えて読み取った情報…

知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得(その2)

「空所を埋めること」と「学ばせる」の間にあるもの 前稿(その1)では、教科書・参考書などへの「マークアップ」について考えましたが、日々の学習指導では、空所に重要語句などを埋めさせる「サブノート式のプリント」を用いることも少なくありません。マーカーで色を塗るだけの方法が抱える、「重要語句を一文字たりとも自分の手で書いていない」という問題は解消されます。記入スペースを大きくとれば、観察や思考の結果を言…

知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得(その1)

覚えやすさに偏ることで生じる、学びへの「副作用」 知識の拡充を図ろうとする場面では、覚えやすくなるような工夫をします。よく用いられるのは、蛍光ペンでのマークアップや、サブノート式のプリントで整理のフレームを与えることでしょうか。限られた授業時間の中で、必要な知識をピックアップし、漏らさず伝えるには「合理的で効率的」に見えるこれらのやり方も、よくよく考えると、学びにプラスばかりとは限らず、弊害が少な…

書くことでの学び~手書きとデジタルの併用

クローズアップ現代で「最近、手書きしてますか? 最新研究が明かす“頭を動かす力”」という番組が放送されました。番組を見て思ったのは、学習の場での「手書き/紙の教材 vs デジタル活用」の議論がときに噛み合わないのは、それぞれが違うところに焦点を当てて「学力」を語っているからではないか、ということ。手を使った方が獲得に有利な学力要素と、それ以外の要素をきちんと区別する必要があります。

その他のテーマ(記事まとめ)

1 働き方改革を進めるときに押さえるべきこと 2 新しい学力観について 3 次期学習指導要領[2030]に向けて 4 体験を再構成する学び、その舞台としてのコミュニティ 5 時期に応じた指導/スタートと仕上げ 6 学びを広く捉える~指導を通して何を目指すのか 7 より良い学びの実現へ~大学編 8 当ブログをご利用いただくためのTIPS 9 アーカイブ:古い記事をまとめてみました

評価、効果測定・成果検証

1 効果測定を通じた教育資源の最適配分 2 データを用いて理解者と賛同者を増やす 3 指導と評価の一体化~実行のハードルを下げ、効果を高める 4 新しい学力観に沿った評価方法 5 変化量に着目して行う学習評価 6 データをいかに利用するか 7 指導方法の効果測定

予習・復習、課題のあり方

1 予習・復習で何をさせるか~目的とタスクのデザイン 2 その宿題、本当に必要ですか? 3 過去問演習/出題研究の成果を授業に活かす 4 原因から考える家庭学習時間の延伸策 5 その他の記事[日々の予習・復習] 6 その他の記事[長期休業期間、タームの区切り] 7 休校中の学びをより大きくするために(コロナ禍の振り返り)

カリキュラム・年間指導計画

1 新課程とカリキュラム・マネジメント 2 シラバスの起草・更新に際して 3 教育課程と授業デザイン 4 新年度準備(ゼロ学期にやるべきこと) 5 次のステージを見据えた指導、校種・学年の接続 6 補習・講習の位置づけ(計画作りと効果測定) 7 教育課程・指導計画に関するその他の記事 8 大学におけるカリキュラム、シラバス

生徒の学力観を更新する、振り返りフェイズの問い

知識や技能は、獲得させただけでは不十分。課題解決などに実際に使わせ(=活用させ)て、生きて働かせる方法を学ばせてこそ、使える道具になります。先生方が、日々の授業に「問い」を用意して臨むのは、活用の機会を整えるためであり、実りある学びへの第一歩です。しかしながら、せっかく用意した活用機会も、生徒は「獲得した知識・理解を生きて働かせる方法を学ぶためのもの」と認識せずに、「教わったことを覚えるための反復…