思考力と表現力を養うには

1 学力の三要素~思考力の捉え方もアップデート 1.1 学力の三要素とは~もう一度考えてみました1.2 PISAが測ろうとしている「創造的思考力」 ★1.3 論理的思考と批判的思考1.4 観察をタスクに「問題発見力」を育てる ★1.5 探究活動を通じて育む「思考力」と「実践力」1.6 メタ認知、適応的学習力 ・失敗から正しく学べているか ・助言や指示は、生徒自身がじっくり振り返ってから Updat…

探究活動、課題研究

全体の見取り図:探究活動を成立させるための全体構造 探究活動については、これまで様々な視点・角度から記事を書き起こしてきました。テーマ選びの工夫、教科との連携、評価の設計、成果発表会の意味づけなど、切り口はそれぞれです。各記事に通底する、探究指導の骨格となる基本的な考え方を、別稿にまとめてみました。 1 横断的・体験的な調べ学習の先にある探究活動 1.1 調べたことの先に~新たな知と当事者としての…

授業改善での協働のあり方

1 授業を観る、授業を観てもらう 1.1 優れた実践を見て言語化する(見取り稽古) ★1.2 生徒を中心に授業を観る(その1)、(その2) Updated!1.3 授業を観てもらう「チャンス」を活かす1.4 自分撮りのススメ~自分の授業を客観的にみる Updated!1.5 教科会に期待される役割~ちゃんと機能していますか? 2 組織的授業改善の土台: データを使った効果測定 2.1 効果測定は、…

生徒を中心に授業を観る(その2)

本稿のタイトルは「生徒を中心に授業を観る」ですが、教室に足を運んで生徒が学ぶ姿を実際に観る前に、考査や模試などの成績とその推移、活動評価の記録、ポートフォリオなどに残された各種ログ、授業評価の集計結果などの様々なデータを通して、そこまでの指導/学びが生徒にもたらした成果を観ておくことも大切です。これまでの成績推移や学習行動/学びに対する生徒の認識の変化などを把握しておけば、指導の在り方とその成果を…

生徒を中心に授業を観る(その1)

様々なデータで所在を明らかにした「優れた実践」を共有するための相互参観、あるいは管理職による授業観察などの「他の先生の授業を観る場面」では、説明の内容や組み立て、板書の技法やプレゼンテーションの構成、確認の取り方、学習活動の配列といった、授業者の行動に着目していることが多いように思います。やり方を学ぶにも、授業を評価するにも、指導者の行動にダイレクトな関心が向くのは当然でしょうが、学びの主体はあく…

学びを深める、問いの立て方[どんな問いを選ぶか]

別稿「どんな問いを立てるかで授業デザインは決まる」でも申し上げたことですが、「問いの立て方」とその「使い方」は、授業を通した学びの大きさ(成果=深まりと広まり)を大きく左右します。問いを起点に展開する様々な学習活動を「深く広い学び」に結実させるには、どんな問いを用意するべきか、常に考える必要がありそうです。なお、用意した問いの使い方については別稿にも考えるところをまとめました。併せてご高覧下さい。…

学びの場での「問いの活かし方」

学びの過程で「問い」が担う役割は極めて大きいものです。「思考」は問いに触れて初めて発動するものであり、適切な問いが設定されないところでは、思考力を鍛えることも、評価することもできません。深い(=思考を十分に掘り下げた)学びの実現にも、問いを重ねることが不可欠。「学びの深さ」はどれだけ問いを重ねたかで決まります。また、単元の導入からまとめ(次に向けた新たな起点)に至る、すべてのフェイズで、問いはそれ…

夏期休業等のお知らせ

残暑お見舞い申し上げます。
さて、夏季休業のお知らせです。当オフィスの営業は8月8日(土)~16日(日)の期間、お休みをさせていただきます。この期間、ブログの更新もお休みいたします。(記事は通常通りお読みいただけます)

優良実践の共有~授業評価の結果を活かして #INDEX

より良い授業の実現に向けて先生方が協働で取り組むには、相応の環境が必要です。教育目標がきちんと共有され、それに基づく率直な意見交換ができる雰囲気はもちろんのこと、校内に存在する優れた実践の所在を知るツールや、知見の共有を効率的に図れる学びの場が必要です。優良実践の抽出には、考査や模試における成績の伸びや活動評価の結果の分布などのデータを用いますが、生徒自身の学びへの認識を探る「生徒による授業評価ア…

優良実践の共有~授業評価の結果を活かして(その3)

焦点を定めた参観、そこでの気づきのシェア 模試や考査での成績、行動評価の記録、授業評価アンケートの集計結果といった「指導効果や学びの状況に関するデータ」を使って優れた成果を残した実践の所在を特定し、そこでの手法を互いに学ぶことが、学校/教科全体での授業改善を確実でスピーディーなものにします。前稿では、どのようにデータを使って優良実践の所在を知るか、その授業を担当する先生からどのように効率的に発信を…

優良実践の共有~授業評価の結果を活かして(その2)

高い評価を得た理由を考え、言語化して発信 学校全体で授業改善を進めていく上で欠かせないのが「データを用いて優れた実践の所在を明らかにした上で、そこでのやり方や工夫を教科内あるいは校内で広く共有すること」であるのは言うまでもありません。文字にすると、やや長いとは言え、一文に収まってしまう単純なことですが、実現にはいくつもの要件を満たさなければなりません。魅力的に見える実践も、それを取り入れたことで生…

優良実践の共有~授業評価の結果を活かして(その1)

校内に存在する優れた実践を共有する 授業評価アンケートは、校内/教科内に存在している優れた実践(=高い評価を得ている授業)の所在を確かめ、それを広く共有して学校全体あるいは教科全体での授業改善を進めていくためのツールです。校外から持ち込んだ新たな手法が、自校の生徒の学習者特性にマッチする保証はありませんが、校内で既に高い評価を得ている授業でのやり方なら、生徒が身につけている学び方との高い親和性が期…

授業立案の手順~初期値を捉え、学びの地図を描く

授業を設計するとき、どうしても「本時で何を理解させるか」「どんな結論に導くか」から考えることになりがちです。もちろん、到達させたい理解を明確にすることは不可欠ですが、そこから逆算するだけでは、学びが十分に立ち上がらない/進まないことがあります。効果的な授業を成立させるには、以下の3つは外せない大前提です。 この記事の内容をChatGPTでイラストにしました。クリックで拡大します。 生徒が何を知って…

AIの答えを疑ったあとに、さらに問うべきこと

AIの「同調」によって陥りがちな「独善」の罠 別稿「AIの答えをどう疑わせるか(教室での指導)」を起草した後、実際にAIを使っている場面を観察する中で、もう一つ、別の角度から問い直すべき論点があると感じています。それは、AIが示すユーザーへの同調や全肯定の姿勢を、どう受け止めるべきかという問題です。AIの回答に、論理的に批判・反論すると、「おっしゃる通りです」とあっけなく折れて、AIが全面的に同調…

助言や指示は、生徒自身がじっくり振り返ってから

生徒に課題を与えて取り組ませ、上手くいかないときに、的確な助言・アドバイスを行い、次のチャレンジで上手くいくように導くのは指導者の役割でしょうが、生徒が自ら「何をどうすべきか」を考え尽くす前に指導者が「先回り」してしまうと小さからぬ弊害が生じます。新課程の土台だった「21世紀型能力」では、その中核たる「思考力」の構成要素のひとつに「メタ認知・適応的学習力」があります。メタ認知・適応的学習力は、自身…

既卒生が残した「成果」を教材に~探究活動の導入指導

高校に入学してくる生徒は、小学校や中学校で横断的、体験的な「総合的な学習の時間」を経験してきていますが、高校で新たに取り組むのはその先にある「総合的な探究の時間」です。数学や情報の授業で新たに獲得する知識や技能なども駆使して課題の解決に取り組む中、これから自らが生きていく社会に自分がどう関わり、どんな接点を持ちえるのかを「探究」していくことになります。当然ながら、初めて挑戦する学びである以上、取り…

成果発表会の“成果”(その2)

前稿(その1)に書いた通り、探究活動の成果発表会は、生徒にとって自分たちの成果を示し、他者からの質問や評価を受ける中で、得られたものを確かめ、残された課題を明らかにする「仕上げ」の機会です。周囲の仲間の頑張りに触れ、彼我の違いを知るのは、自分の取り組みを相対化し、次のチャレンジに向けた課題を見出す相互啓発の機会です。同時に、成果発表会は、次学年に多くのものを引き継ぐための教育機会でもあります。先輩…

成果発表会の“成果”(その1)

機会あるごとに、各地の学校での探究活動/課題研究の発表会を参観させていただいております。プレゼンやポスターからは、生徒一人ひとりの頑張りや先生方のご指導の成果が伝わってきます。活動を通して得たもの(テーマに関する新たな知見、問題意識のみならず、探究を進める上で必要なスキルや姿勢など)を発表するのは、成果をまとめて、確かなものにする「仕上げ」のためだけではありません。さらに大きな成果をより広く得るに…

明日、ブログの更新をお休みします。

いつもブログをお読みいただき有難うございます。都合により、明日(7月24日)はブログの更新をお休みいたします。閲覧はいつも通りに可能です。先生方におかれましては、ご多用の日々をお過ごしのことと拝察いたします。くれぐれも御身大切にお過ごしくださいますよう。 教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

プレゼンテーション/成果発表を機につくる成長の場

探究活動をはじめ、生徒が自分(たち)で取り組んできたことの成果を発表する機会は以前に比べて多くなっています。日々の授業の中でも、個人/グループで調べ学習や討論を行った結果をプレゼンテーションにまとめるのは既に「ごく普通の光景」になったように思います。プレゼンテーションの準備に取り組む工程での試行錯誤や努力そのものに加え、発表の場を通して得る直接/間接のフィードバックは、生徒にとって代えがたい成長の…