知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得(その1)

覚えやすさに偏ることで生じる、学びへの「副作用」 知識の拡充を図ろうとする場面では、覚えやすくなるような工夫をします。よく用いられるのは、蛍光ペンでのマークアップや、サブノート式のプリントで整理のフレームを与えることでしょうか。限られた授業時間の中で、必要な知識をピックアップし、漏らさず伝えるには「合理的で効率的」に見えるこれらのやり方も、よくよく考えると、学びにプラスばかりとは限らず、弊害が少な…

板書の技術、教具の使い方

1 板書の技術 2 学びを軸にICT活用を考える 3 板書が支える、主体的で対話的な学び 4 学びの個別最適化、非対面環境での学習指導 5 道具の変化と書くことの意味(教育のデジタル化) 6 知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得 7 板書の技術、教具の使い方に関するその他の記事

書くことでの学び~手書きとデジタルの併用

クローズアップ現代で「最近、手書きしてますか? 最新研究が明かす“頭を動かす力”」という番組が放送されました。番組を見て思ったのは、学習の場での「手書き/紙の教材 vs デジタル活用」の議論がときに噛み合わないのは、それぞれが違うところに焦点を当てて「学力」を語っているからではないか、ということ。手を使った方が獲得に有利な学力要素と、それ以外の要素をきちんと区別する必要があります。

その他のテーマ(記事まとめ)

1 働き方改革を進めるときに押さえるべきこと 2 新しい学力観について 3 次期学習指導要領[2030]に向けて 4 体験を再構成する学び、その舞台としてのコミュニティ 5 時期に応じた指導/スタートと仕上げ 6 学びを広く捉える~指導を通して何を目指すのか 7 より良い学びの実現へ~大学編 8 当ブログをご利用いただくためのTIPS 9 アーカイブ:古い記事をまとめてみました

評価、効果測定・成果検証

1 効果測定を通じた教育資源の最適配分 2 データを用いて理解者と賛同者を増やす 3 指導と評価の一体化~実行のハードルを下げ、効果を高める 4 新しい学力観に沿った評価方法 5 変化量に着目して行う学習評価 6 データをいかに利用するか 7 指導方法の効果測定

予習・復習、課題のあり方

1 予習・復習で何をさせるか~目的とタスクのデザイン 2 その宿題、本当に必要ですか? 3 過去問演習/出題研究の成果を授業に活かす 4 原因から考える家庭学習時間の延伸策 5 その他の記事[日々の予習・復習] 6 その他の記事[長期休業期間、タームの区切り] 7 休校中の学びをより大きくするために(コロナ禍の振り返り)

カリキュラム・年間指導計画

1 新課程とカリキュラム・マネジメント 2 シラバスの起草・更新に際して 3 教育課程と授業デザイン 4 新年度準備(ゼロ学期にやるべきこと) 5 次のステージを見据えた指導、校種・学年の接続 6 補習・講習の位置づけ(計画作りと効果測定) 7 教育課程・指導計画に関するその他の記事 8 大学におけるカリキュラム、シラバス

生徒の学力観を更新する、振り返りフェイズの問い

知識や技能は、獲得させただけでは不十分。課題解決などに実際に使わせ(=活用させ)て、生きて働かせる方法を学ばせてこそ、使える道具になります。先生方が、日々の授業に「問い」を用意して臨むのは、活用の機会を整えるためであり、実りある学びへの第一歩です。しかしながら、せっかく用意した活用機会も、生徒は「獲得した知識・理解を生きて働かせる方法を学ぶためのもの」と認識せずに、「教わったことを覚えるための反復…

答案を正しく評価できているか

答案を正しく評価するとは、答案を通じて生徒が示した学力(知識・技能、思考力、表現力など)を、過不足なく点数に変換すること。良い答案には高い点数を与え、直すべきところに応じてきちんと減点されることが第一義。生徒が採点結果に納得できるかも、重要な要素です。これが実現することによって、生徒は「学習を通じてどれだけ進歩し、どんな課題が残っているか」を知り、学びに正しい方向を得ます。同時に先生方も採点結果を…

教科固有の知識・技能を学ぶ中で

工業化社会では、正しい手順を正確に身につけ迅速に再現できることが生産性を高めることに直結しました。個々の教科の内容を学ぶ過程で発揮した「与えられた情報を素早く理解し、記憶する力」は、それ自体が武器となり、実際、テストの点数で「覚える力」の高さを証明すれば、次のステージへのパスポートが手に入りました。しかしながら、人工知能(AI)の進化などで社会構造が急激に変化していく、これからの「見通しにくい時代…

活動させるだけでは学ばせたことにならない

授業デザインでは、従来の「教えること」から「学ばせること」に発想を切り替える必要がありますが、生徒を動かす(学習活動に取り組ませる)ことが自己目的化しては、深く確かな学びの実現は遠のきます。よく言われる「教え過ぎない」というのは、生徒に取り組ませるべきことを不用意に肩代わりしないということ。「教え過ぎない」は「教えない」とは違います。「生徒に活動をさせるだけで、きちんと学ばせていない授業」になって…

答案のシェアや発表で相互啓発を正しく働かせる

生徒が調べたり、考えたりした結果を、答案、レポート、発表などの形でシェアさせると、教室には生徒間の「相互啓発」が働き始めます。直接的な対話(話し合い)の場合と同様に、「気づきの交換」で思考が深まり、視野が広がるのは当然のこととして、取り組み方(結果に至るまでの工夫/プロセス)を互いに知る(あるいは想像する)中で、課題へのアプローチやより良い学び方を、生徒は学んでいきます。そうした機能を十分に働かせ…

学習活動の段階的拡充で目指す深く確かな学び

各地の教室で拝見する、授業内活動(アクティビティ)の多彩さには、先生方の発想の豊かさとより良い学びを目指す強い意欲を感じます。多様なアクティビティが、生徒を授業に飽きさせず、学びに関わらせる効果を持つのは間違いなさそうですが、その場の盛り上がりと裏腹に、活動が自己目的化した「やりっぱなし」も珍しくありません。活動を経たら、「きちんと振り返りを行い、体験を学びに再構成する」という工程を踏んでこそ、「…

明日のブログはお休みします。

都合により、明日(1月23日)のブログはお休みさせていただきます。記事の閲覧は通常通りに可能です。
大寒を過ぎて、冷え込みもひとしおです。入試シーズンを迎えてご多用の日々と存じます。お風邪など召しませんようご自愛ください。

考査問題で何をどう測るか

1 新しい学力観のもとでの定期考査問題 1.1 考査問題の改善が授業も変える(全3編) Updated!1.2 出題研究の成果を踏まえて、考査問題のアップデート ★ ・出題研究を通して”問い方”を学ぶ ・大学入学共通テストの出題研究で持つべき視点1.3 定期考査の出題計画作りで、指導目標の確認と目線合わせ ★ 2 考査問題の妥当性評価 2.1 考査問題の妥当性を評価し、最適…

考査問題の改善が授業も変える#INDEX

先生方の頭の中にある「学力観」は、授業の進め方やテスト問題の作り方に、(ご本人の自覚以上に)はっきり現れます。出どころが同じだけに、両者は自ずと似た性質を備えています。テスト問題を拝見すると、ご本人の普段の授業もある程度まで想像できたりするものです。より良い授業作りには、根っこの「学力観」のブラッシュアップが欠かせませんが、頭の中にあるものだけに、そのままでは共有できません。本人にも自覚しない部分…

考査問題の改善が授業も変える(後編)

指導計画では、卒業までに身につけさせたい学力から逆算して、時期や単元ごとに獲得させるべき学力(各単元固有の学習内容と思考力などの能力・資質)を明確に、段階的な到達目標を設定する必要があります。その達成度をきちんと測ることができる定期考査問題は、指導計画の中間検証を行い、その後の学ばせ方に見通しを立てる上で欠かせません。新しい学力観に沿った出題を、3年間/6年間の定期考査に正しく配列することは、学び…

考査問題の改善が授業も変える(前編)

より良い授業を目指した工夫や取り組みは実に様々で、拝見するたびに先生方の意欲的な取り組みには頭が下がるばかりです。しかしながら、学びの成果を測るツールである「考査問題」の改善には、指導法の工夫ほどには、先生方の意識が向いていないようにも感じています。新しい学力観を取り入れた学ばせ方への転換が図られても、定期考査が旧態依然のままでは、その効果を正しく測定(たな卸し)できず、次の指導に向けた課題形成も…

生徒に伝える期待(=先生方の指導目標)を明確に

次年度に向けた指導計画作りが進んでいるところと拝察します。生徒への最初の指導機会である「授業開き/オリエンテーション」で何を伝えるかを、具体化していくフェイズですが、それに先駆けて行うべきは、先生方の間での「指導目標の共有(目線合わせ)」でしょう。指導に込める先生方一人ひとりの思いがどれだけ強くても、それぞれが目指す方向や程度が違っていては、具体的な指導の方法や手順を考えるときに議論が噛み合わず、…

授業開き/オリエンテーション#INDEX

まだ先のことと思える「新年度」ですが、授業開きやオリエンテーションも、直前になって準備を始めるのでは「付け焼刃」になりがち。多忙なゼロ学期が過ぎる中、後手を踏まないように検討を進めるべく、教科/学年教科内での意識の共有から取り掛かりたいところです。最初のコンタクト(授業開き)で何を伝えるかが、1年間の指導の成否を大きく左右します。新入生を対象とする学習法オリエンテーションなどに限らず、進級する生徒…