ゴールデンウイークの休業について(お知らせ)

平素より格別のご高配を賜り、誠に有難うございます。4月も下旬を迎え、すっかり初夏の趣ですが、先生方におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。さて、間もなくゴールデンウィークです。当オフィスは以下の期間の業務をお休みさせていただきます。ブログの更新も休止します。 4月26日(土)~5月6日(火) 休み明けからは再び、現場で頑張る先生方を少しでも応援できるよう、できる限りを尽くして参る…

活動の配列/授業デザイン

1 問いを軸に授業を設計~学習活動の適切な配列 1.1 教室でしかできない学びを充実~問いを軸に授業を設計 ★ ・学びの場での「問いの活かし方」 ・教材としての好適性~「問い」の性能評価 New! ・目標理解と活用機会を整える授業デザイン (まとめページ)問いをテーマに授業を考える1.2 確かな学力を獲得させるための「学習活動の適切な配列」 ★1.3 授業を通して21世紀型能力は育めているか ・資…

授業改善での協働のあり方

1 授業を観る、授業を観てもらう 1.1 優れた実践を見て言語化する(見取り稽古) ★ ・実践報告に触れての気づきを言語化することの効果1.2 生徒を中心に授業を観る(その1)、(その2)1.3 授業を観てもらう「チャンス」を活かす1.4 自分撮りのススメ~自分の授業を客観的にみる1.5 教科会に期待される役割~ちゃんと機能していますか? ★ 2 組織的授業改善の土台: データを使った効果測定 2…

道具が変わっても必要であり続けること(まとめ)

ICTの導入が進み、教室で使えるサービスやアプリもどんどん増えてきました。学ばせ方の可能性が大きく膨らみ、生徒に獲得させることができる能力・資質はさらに幅広いものになったということです。別稿「新しい道具は、思考法や行動様式も変える」で書いたことと通底しますが、「道具の使い方を含めての課題解決力」です。新しい道具を使った様々なチャレンジの場を学びの中に整えていく必要があります。さらにChatGPTの…

AIが人間に対して”不信感”を抱く?

ある研究でAIが人間に対して不信感を抱いている可能性が示唆されました。実際には「与えられた質問に対して、人間をあまり信頼していないかのような応答を返す傾向が見られる」ということですが、仕組みを知るとその背後には、生徒に利活用を学ばせるときに踏まえておかなかければならない問題が見えてきます。「便利な使い方」を学ばせるだけでは足りない部分がたくさんあります。

月曜日のブログ、お休みします

いつも当ブログをお読みいただき、誠に有難うございます。都合により、月曜日(4月21日)のブログ、更新をお休みします。 休止中も、ブログやホームページはいつも通りに御覧をいただけます。更新再開は週明けの予定です。引き続きよろしくお願いいたします。4月も半ばを迎え、初夏のような陽気です。新学期のご多用でお疲れもたまってくることかと。くれぐれも御身大切にお過ごしください。 教育実践研究オフィスF 代表 …

知識の活用、学びの仕上げ

1 課題解決を軸にした授業デザイン 1.1 教室でしかできない学びを充実~問いを軸に授業を設計 ★1.2 考えるための道具(体系的知識)を揃えさせるときの手順1.3 課題解決を伴わない知識獲得は…[検証編/考察編] ・習ったことを使ってみる機会1.4 課題解決の場を整えたら、挑ませる前に理解の確認 ★1.5 確認した結果に基づいてきちんと学びを仕上げさせる ★1.6 単元ごとに設定するターゲット設…

学ぶ理由/自立した学習者

1 学び続けられる生徒を育てる 1.1 自ら学び続けられる生徒を育てる ・学習方策の獲得はどこまで進んでいるか ・目的意識をもって学びに取り組んでいるか ・生徒の興味・関心をどこまで育めたか1.2 全教科でコミットすべき能力・資質の涵養 ★ ・教科固有の知識・技能を学ぶ中で1.3 認知の網の広げ方~5教科7科目をきちんと学ばせる ★ ・5教科7科目に挑ませることの意味1.4 学びに向かう力/主体的…

単元ごとに設定するターゲット設問

習ったことを使ってみる機会を整えることは、学びを深く確かなものにする上で欠かせません。ターゲットとなる設問を導入フェイズで見せておけば、何を学ぶかをしっかり理解させることができますし、学び終えてその問いに立ち戻って答えを仕上げさせれば、「わかった/表面的に理解しただけ」の段階で学びが止まってしまうことも防げます。課題を与えて解決の方法を考えさせたり、必要な情報を集めて知に編む工程を経験させたりする…

小さな問いで学びを点検~フェイズごとの理解確認

その日の授業を終えたとき/単元をひと通り学んだときに、そこまでに理解したことをもとに考え、生徒が自力で答えを導くべき問いや解決すべき課題(「ターゲット設問」と呼びます)を与えることは、学習目標を把握させたり、何のために学んでいるかを認識させたりするのに有効であるのは、以下の各記事でもお伝えしてきた通りです。 しかしながら、その日の授業、あるいは単元を通して学んだことを俯瞰しようとすると、どうしても…

解いたことで成長ができる問題こそが"良問"

どんな問いを立てるかは授業デザインの要。導入フェイズでそれを示して学習目標を認識させるにも、学んだ後でその答えを仕上げることで学びをより深く確かなものにするにも、問いの役割は小さくありません。予習に取り組ませるときも、範囲を指定して「予習しておきなさい」と指示するだけのときと、指定範囲をしっかり勉強すれば答えられる問いが用意され、その答えを作るために教科書や参考書に当たるのとでは、学びの質に大きな…

入試問題を授業の教材に使うときに

現行課程への移行を経て、新しい学力観を取り入れた出題も、意欲的な大学・学部では広く見られるようになっています。完成年度を迎え、現課程での最初の入試も終わりましたが、暫くは大学入試問題ウォッチに一層の力を入れて、新しい学力観の下での学ばせ方を模索すべきです。出題研究を通して”問い方”を学ぶ ことは、先生方ご自身の持つ学力観を更新するのに代えがたい機会のひとつですし、「問いの立…

受験期を迎えるために春から進める準備

最終学年の夏を過ぎて「受験期」を迎えると様々な目的と課題を持った生徒が一つの教室で机を並べる状態になります。個々の生徒の力を最大限に伸ばすには、選択的な課題付与などを通じた「学びの個別化」への対応も大切ですが、それと同時に、生徒が互いの頑張りを支え合う学びのコミュニティの創出と維持にも十分な注力が必要です。新学期もまだ始まっていないこの時期に何で?との反応も想像いたしますが、新年度の初日から「秋か…

進路希望を作るまでの活動を確かめる#INDEX

生徒一人ひとりの進路希望を把握することは大切ですが、それ以上に大事なのは、生徒が「進路意識を形成し、進路希望を具体化するまでに、必要なプロセスをきちんと踏んでいるかどうか」を逐次確かめること。プロセスを正しく踏む中でこそ、生徒は「選択の力」を養い、「自らの選択の結果に向き合える準備」を整えていきます。進路指導の主眼は、まさにここにあると考えています。本シリーズでは、以下の3つの視点から「とりあえず…

進路意識形成について意識を質し、内省を促す

前々回、前回と、進路希望調査を行うときに注意したいことや、学問の細分化と学際の拡大とで進路希望を作るのに、文理選択から学部・学科を絞っていくという従来の手法には限界があることをお伝えしました。進路希望を作らせる指導で、先生方に期待されるのは、生徒が進路意識形成のプロセスを一つひとつきちんと踏んでいるかを確かめること。各プロセスを踏む中で、生徒は「選択の力」や21世紀型能力の実践力の一要素である「持…

学部・学科調べに、学問探究という入り口も

前稿で、進路希望を調べるとき、その希望が生まれる前に踏んだ事柄の確認も併せて行うことが大事だと書きましたが、進路希望を具体化していく(作り上げていく)過程において、大学を絞り込む前に学部や学科を選び出していくのは「自然な順序」でしょう。学部・学科名が挙がらないうちに、大学名が出てくるのは、どう考えてもおかしな話。自分の興味を満たしてくれる学部、学んでみたいことをきちんと学べる学科を選ばないことには…

進路希望を調べるときは、前段階の確認も併せて

生徒の進路希望を調べる場合、調査票を配って、国公立か私立か、理系か文系かなど、現時点での希望を尋ねたり、大学名や学部・学科を挙げさせるのがよく見かけるやり方ですが、不用意な訊き方では、「選択までの過程」に潜んでいる問題を見落とし、後になって思わぬ弊害が生じます。進路希望調査の実施にも「押さえるべきポイント」があります。 2017/04/10 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ 選択の結果を訊…

自らの工夫で得た成功体験は、学びの楽しさに

授業を終えて生徒から「楽しかった」「感動があった」という声が寄せられると、教える立場として大きな励みになります。そうした声の背後には、次の学びに向かうモチベーションの膨らみも想像できます。学習における感動や楽しさには、その生まれ方によって大きく二つのタイプに分けられるように思います。強いて言葉を当てるなら、一方は、授業者や教材によって「外から与えられるもの」、他方は、学習者自身の「内から芽生えるも…

教科の枠を超えて「学び」を語るために

以前に増して「思考させる授業」や「探究的な学び」が求められる中、私たちが目指すべきは、単なる知識伝達を超えた授業デザインです。探究活動やPBLに取り組む機会が増える中、狙いの中心に据えるべき対象は、単元固有の知識や理解の形成と並行して(=それを手段に)獲得を目指す「さまざまな能力や資質」へと変わってきています。 各学校が打ち出している「特色ある教育活動」もまた、既存の教科の学びに「後付け」しただけ…

カリキュラム・年間指導計画

1 新課程とカリキュラム・マネジメント 1.1 新課程に備え、改めて考えるカリキュラム・マネジメント ・カリキュラムは{学習内容×能力資質}で設計する ・カリキュラム・マネジメントの実行&検証フェイズ ・カリキュラムを活かす、目的意識を持った科目履修1.2 「学びの拡張」まで考慮したカリキュラムの設計 ★1.3 教室でしかできない学びを充実~問いを軸に授業を設計 ★1.4 探究活動やPBLを通して…