指導知見(実践知)を組織的に蓄積・更新する仕組み

授業改善を組織的に進める上では、先生方がそれぞれに重ねてきた工夫の成果を確かめ、効果の大きな実践を見つけ出し、共有することが不可欠。テストやアンケート、行動評価などの結果で効果測定を重ねれば、教育目標の達成により大きく近づけた指導の所在を特定できます。そこで見つけた効果的な実践を共有することで、学校全体の指導力向上が図られますが、ここで共有すべきは「良い授業」を写した「模倣のための型」ではありませ…

共有すべきは付加価値の大きな指導

以前から様々な場面で使われている「組織的な授業改善」という言葉には、何やらヘビーな響きがありますが、言わんとするのは「それぞれの先生方が重ねてきた工夫の成果を共有して、教科/学校全体でより良い授業の実現を目指しましょう」ということにほかならないはずです。別稿「互いの実践に学び、校是たる授業像を作り上げる」でも書いた通り、周囲の先生の優れた手法や工夫に学ぶことなしには、改善に向けた発想も自分の中に閉…

明日のブログ、更新をお休みします。

いつもブログをお読みいただき有難うございます。都合により、明日(9月9日)は、ブログの更新をお休みいたします。閲覧はいつも通りに可能です。 教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

同じ教材で同じように教えても~学習者特性の違いを把握

同じ教材を使って、同じ方法で教えているのに、授業評価アンケートや考査・模試の結果がクラス間で大きく違うことも珍しくありません。これらの多くは、学習者が身につけてきた「学び方」と、先生方が実践している「学ばせ方」のマッチングの度合いによって生じた違いです。アンケート等の集計結果、テストなどの成績、観察を通した行動評価やポートフォリオに残った様々なログなどに現れるマッチング度を手掛かりに、集団/個人の…

課題(教材)のシェアから始める組織的授業改善

より良い授業の実現を図るには、習ったことを使ってみる機会(=獲得した知識や理解に生きて働く場を与える問いや課題)をしっかり用意する必要があり、それを軸に学習活動(調べる、考える、話し合う、まとめる)を配列することで授業をデザインしていくことになります。本時/単元の学びを俯瞰し得る問い(ターゲット設問)や課題は、学習目標の理解や学びの仕上げにも不可欠です。出題研究で集めた良問や、先生方ご自身が作り上…

カリキュラム全体の中での英語の位置づけと授業デザイン

2030年度以降の学習指導要領について議論が進んでいます。8月31日に示された「審議まとめ」の素案では、AIの飛躍的な発展を受けた情報教育の大幅拡充に焦点の一つが当てられています。 こうした背景を受け、審議では英語を学ぶ意義についても議論が交わされています。生成AIが手軽に、高精度の翻訳を提供する今、英語学習の意義を生徒に説明するのが難しくなっている中、素案では、「言葉、文化、コミュニケーションへ…

学校評価、学校広報

1 学校評価アンケートをどう活用するか 1.0 学校評価アンケートをどう活用するか(序)1.1 意図は伝わっているか、成果はあがっているか1.2 より良く知ってもらい理解と共感を得るために1.3 効果を確かめ、教育リソースの最適配分を実現する1.4 学校改革・教育改善を進めるときの羅針盤として1.5 教育目標や指導方針をちゃんと伝える ★1.6 学校評価結果の十分な活用のための実施スケジュール ★…

その他のテーマ(記事まとめ)

1 働き方改革を進めるときに押さえるべきこと 2 新しい学力観について 3 次期学習指導要領[2030]に向けて 4 体験を再構成する学び、その舞台としてのコミュニティ 5 時期に応じた指導/スタートと仕上げ 6 学びを広く捉える~指導を通して何を目指すのか 7 より良い学びの実現へ~大学編 8 当ブログをご利用いただくためのTIPS 9 アーカイブ:古い記事をまとめてみました

指導場面でのAIの利活用(記事まとめ)

AIの活用というと、「学習指導における個別最適化」に関心が集まりますが、探究活動や進路の指導でも、個に合わせた対応での「時間やリソースの制約」にはAIを積極的に活用していく必要がありそうです。各地の学校での取り組みを通して学ばせていただいたこと、そこで考えたことなどを折に触れておこしてきたブログ記事を、関連記事も含めてまとめてみました。お時間の許すときにご高覧いただければ幸甚です。追伸: AIは「…

評価、効果測定・成果検証

1 効果測定を通じた教育資源の最適配分 2 データを用いて理解者と賛同者を増やす 3 指導と評価の一体化~実行のハードルを下げ、効果を高める 4 新しい学力観に沿った評価方法 5 変化量に着目して行う学習評価 6 データをいかに利用するか 7 指導方法の効果測定

活動の配列/授業デザイン

1 問いを軸に授業を設計~学習活動の適切な配列 1.1 教室でしかできない学びを充実~問いを軸に授業を設計 ★ ・学びの場での「問いの活かし方」 ・目標理解と活用機会を整える授業デザイン1.2 学習内容が同じでもアプローチによって学びの質は異なる ★ ・確かな学力を獲得させるための「学習活動の適切な配列」1.3 問いのあり方に焦点を置いた授業研究 ★ ・どんな問いを立てるかで授業デザインは決まる1…

思考力と表現力を養うには

1 学力の三要素~思考力の捉え方もアップデート 1.1 学力の三要素とは~もう一度考えてみました1.2 PISAが測ろうとしている「創造的思考力」 ★1.3 論理的思考と批判的思考1.4 観察をタスクに「問題発見力」を育てる ★1.5 探究活動を通じて育む「思考力」と「実践力」1.6 メタ認知、適応的学習力 ・失敗から正しく学べているか ・助言や指示は、生徒自身がじっくり振り返ってから Updat…

探究活動、課題研究

全体の見取り図:探究活動を成立させるための全体構造 探究活動については、これまで様々な視点・角度から記事を書き起こしてきました。テーマ選びの工夫、教科との連携、評価の設計、成果発表会の意味づけなど、切り口はそれぞれです。各記事に通底する、探究指導の骨格となる基本的な考え方を、別稿にまとめてみました。 1 横断的・体験的な調べ学習の先にある探究活動 1.1 調べたことの先に~新たな知と当事者としての…

授業改善での協働のあり方

1 授業を観る、授業を観てもらう 1.1 優れた実践を見て言語化する(見取り稽古) ★1.2 生徒を中心に授業を観る(その1)、(その2) Updated!1.3 授業を観てもらう「チャンス」を活かす1.4 自分撮りのススメ~自分の授業を客観的にみる Updated!1.5 教科会に期待される役割~ちゃんと機能していますか? 2 指導知見(実践知)を組織的に蓄積・更新する仕組み 2.1 効果測定は…

生徒を中心に授業を観る(その2)

本稿のタイトルは「生徒を中心に授業を観る」ですが、教室に足を運んで生徒が学ぶ姿を実際に観る前に、考査や模試などの成績とその推移、活動評価の記録、ポートフォリオなどに残された各種ログ、授業評価の集計結果などの様々なデータを通して、そこまでの指導/学びが生徒にもたらした成果を観ておくことも大切です。これまでの成績推移や学習行動/学びに対する生徒の認識の変化などを把握しておけば、指導の在り方とその成果を…

生徒を中心に授業を観る(その1)

様々なデータで所在を明らかにした「優れた実践」を共有するための相互参観、あるいは管理職による授業観察などの「他の先生の授業を観る場面」では、説明の内容や組み立て、板書の技法やプレゼンテーションの構成、確認の取り方、学習活動の配列といった、授業者の行動に着目していることが多いように思います。やり方を学ぶにも、授業を評価するにも、指導者の行動にダイレクトな関心が向くのは当然でしょうが、学びの主体はあく…

学びを深める、問いの立て方[どんな問いを選ぶか]

別稿「どんな問いを立てるかで授業デザインは決まる」でも申し上げたことですが、「問いの立て方」とその「使い方」は、授業を通した学びの大きさ(成果=深まりと広まり)を大きく左右します。問いを起点に展開する様々な学習活動を「深く広い学び」に結実させるには、どんな問いを用意するべきか、常に考える必要がありそうです。なお、用意した問いの使い方については別稿にも考えるところをまとめました。併せてご高覧下さい。…

学びの場での「問いの活かし方」

学びの過程で「問い」が担う役割は極めて大きいものです。「思考」は問いに触れて初めて発動するものであり、適切な問いが設定されないところでは、思考力を鍛えることも、評価することもできません。深い(=思考を十分に掘り下げた)学びの実現にも、問いを重ねることが不可欠。「学びの深さ」はどれだけ問いを重ねたかで決まります。また、単元の導入からまとめ(次に向けた新たな起点)に至る、すべてのフェイズで、問いはそれ…

夏期休業等のお知らせ

残暑お見舞い申し上げます。
さて、夏季休業のお知らせです。当オフィスの営業は8月8日(土)~16日(日)の期間、お休みをさせていただきます。この期間、ブログの更新もお休みいたします。(記事は通常通りお読みいただけます)

優良実践の共有~授業評価の結果を活かして #INDEX

より良い授業の実現に向けて先生方が協働で取り組むには、相応の環境が必要です。教育目標がきちんと共有され、それに基づく率直な意見交換ができる雰囲気はもちろんのこと、校内に存在する優れた実践の所在を知るツールや、知見の共有を効率的に図れる学びの場が必要です。優良実践の抽出には、考査や模試における成績の伸びや活動評価の結果の分布などのデータを用いますが、生徒自身の学びへの認識を探る「生徒による授業評価ア…