強調の正しい方法(その5)

強調のためにプレゼン技術を正しく使う シリーズの最後にあたり、伝達技術としての強調のコツについて考えてみます。既に申し上げている通り、プレゼンテーションの技術を駆使するだけでは「生徒の認識から漏れることなく強く印象を刻む」という、本来の目的は果たし得ません。それぞれの技術を使う上でのポイントをしっかり押さえ、効果的に利用したいところです。 2014/10/21 公開の記事を再アップデートしました。…

強調の正しい方法(その4)

断片化を防ぎ、生きて働く知識・理解に 強調の目的が「目立たせることで、意識や記憶からこぼれることを防ぐこと」であるとすれば、教科書・プリントの重要ポイントにマーカーを塗らせることや、確認テストを行って覚える機会を増やすことも、広義には「強調の一種」ということになります。いずれも広く使われている方法で、生徒も小学校以来の習慣の一つとして自然に受け入れていますが、使い方を間違えると強調の効果が薄まるば…

強調の正しい方法(その3)

反復による印象強化/記銘は「重ね塗り」で 強調は、印象と記憶を刻み込むために行う行為です。前稿で書いた通り、重要度に応じたエネルギーを学習者に使わせているかどうかが肝要。以下の関係になっているか、常に意識して点検しておきましょう。 学習項目ごとの重要度∽生徒に投じさせるエネルギー 同じことでも繰り返せば、その分だけ(なれるうちに省力化も進むため、比例関係ではありませんが)大きなエネルギーを使うこと…

強調の正しい方法(その2)

強調は、学習者が投じるエネルギーを増やすことで ポイントを強調するのは、該当箇所を生徒にしっかり認識させた上で、強い印象を記憶に刻み付けようとするからですが、教える側がどれだけ汗をかいても、生徒がただ聞いているだけでは強い認識や確かな記憶の形成はあまり進まないようです。内容をしっかり認識させて記憶に刻み込ませるには、生徒自身にも対象に主体的に関わらせる(=学習活動に取り組ませる)ことで、重要度に応…

強調の正しい方法(その1)

強調することが抱える副作用 教室に限らず、何かを伝えようとしているとき、ポイントとなる部分に焦点を当てるための「強調」を、発信者/授業者は意図的に、あるいは無意識のうちに行っているものです。しかしながら、意図や方法を誤った強調が、かえって生徒を退屈させ、わかりにくさの原因になっていることもあります。何のために強調するのか、何に焦点を当てるべきか、どのような方法が最適なのか、いちど立ち止まって考えて…

伝達スキルと授業デザイン

新しい学力観に沿った学ばせ方を実現し、「生きる力」としての能力や資質を不足なく育むには、獲得した知識や技能を生きて働かせるための課題解決や、それらに取り組む対話や協働といった学習活動をきちんと配列した「授業デザイン」が不可欠なのは言うまでもありません。しかしながら、その一方では、伝わりやすい話し方、指示や説明の組み立て、効果的な板書といった「伝達スキル」の完成度が、授業の成否を大きく分ける要因であ…

目標の示し方、導入の工夫

1 学習目標をきちんと伝える(目標提示が苦手意識を抑制、学習目標が伝わらない?(前編、後編)、チェックリストを用いた目標提示と達成検証) 解くべき課題を使って目標を理解させる[授業のデザイン](単元ごとに設定するターゲット設問、活動性と学びの成果を繋ぐ鍵~課題を通じた目標理解) 3 導入フェイズの目的と方法[工夫](クイズで導入、教科書への落とし込みで仕上げ、学びの躓きをAIで予想、理解形成につなぐ問いを作る) 4 科目の導入、学びの方向付け(学ぶことへの自分の理由を持たせる~新単元等の導入指導、生徒の学力観を更新する、振り返りフェイズの問い)

活動の配列/授業デザイン

1 問いを軸に授業を設計~学習活動の適切な配列 1.1 教室でしかできない学びを充実~問いを軸に授業を設計 ★ ・学びの場での「問いの活かし方」 ・目標理解と活用機会を整える授業デザイン1.2 学習内容が同じでもアプローチによって学びの質は異なる ★ ・確かな学力を獲得させるための「学習活動の適切な配列」1.3 問いのあり方に焦点を置いた授業研究 ★ ・どんな問いを立てるかで授業デザインは決まる1…

理解確認/学びの振り返り

1 理解度の確認~場面と方法(既習内容の確認は、問い掛けで、板書を辿り直して、学びの振り返り) 2 活動させて「観察の窓」を開く(対話で行う理解確認、理解を確かめてから次のフェイズに進む) 3 知識を活用する中で行う理解の確認(課題解決の場を整えたら、挑ませる前に理解の確認) 4 仕上げの場面での理解確認/振り返り(振り返りはプロセスを分解して~失敗から正しく学ぶ) 5 学習者としての成長を促す活動評価 6 理解確認/学びの振り返りに関するその他の記事 7 実技実習系の授業でも

活動性を高める方法と効果

1 活動性を高め、成果を可視化する(対話によって学びはどこまで深まったか) 2 不用意な“待て”をかけない(できない? やらない? やらせてない?) 3 “主体的・対話的で深い学び”の実現に向けて(活動性と学びの成果を繋ぐ鍵~課題を通じた目標理解、対話の前後に取り組ませる個人ワーク) 4 積極的に活動させるツボ、授業内活動のあれこれ(学習活動の段階的拡充で目指す深く確かな学び) 5 活動性を高める方法と効果に関するその他の記事( 途中でも、その時点で成果を共有、フォーメーションは、意図的に且つ頻繁に更新)

新しい学力観に基づく評価方法(記事まとめ)

どんな道程を辿って目標に導くかは「地図」に相当するカリキュラムや指導計画に描き出されていたとしても、今どこにいるかを知るすべ(=評価)がなければ、この先をどう進めば良いか、判断がつきません。評価は「生徒の学習を改善し、成長させる」と同時に「指導の効果を測定する」ためのもの。適切な評価なしに、指導の改善はあり得ません。指導と評価の一体化を図ることはまさに急務。学びの多様な側面にきちんとモノサシを当て…

探究のスキルと姿勢を学ばせる(まとめページ)

探究活動/総合的な探究の時間で目指すのは、問題解決・発見・創造力、社会参画力、持続可能な未来への責任といった様々な能力・資質の獲得。活動にただ取り組ませても効果は限定的です。指導と評価を重ねる中で、「探究のスキルと姿勢」を学ばせていくことが不可欠です。様々なスキル(探究の方策)や活動に向かう姿勢(探究マインド)を学ばせるには、週に1~2コマの指導機会だけでは不足は明らか。教科学習指導や進路指導など…

探究活動の指導に”評価”を実装

探究活動において「評価」を行うことの重要性は、別稿「探究のフェイズごとにきちんと評価&フィードバック」で書いた通りです。探究活動は、フェイズが進むと前工程に戻ることが難しい構造のため、教科学習指導以上に「各フェイズでの着実な評価実施」が不可欠です。評価を行うためには、評価の基準(観点別に整理した段階的な評価規準=ルーブリック)に加えて、評価の機会が不可欠。探究活動では、成果物以上に、プロセスに焦点…

質問力を評価する(ルーブリックの試案)

別稿「プレゼンテーション力より質問力」では、生徒の質問力を高めることの重要性をお伝えしました。質問には「相手の思考を広げる働き」があり、そのスキル獲得は、対話の成果を大きく左右します。探究活動におけるポスターセッションなどの成果発表の場に限らず、各教科の学びの中でも、調べ学習の発表と質疑、生徒が協働で課題に解決を図る(納得解を作る)活動など、生徒が考え尽くしたことを互いに提示して議論を行う場は豊富…

プレゼンテーション力より質問力

探究活動などに限らず、日々の授業の中でも生徒がプレゼンテーションに取り組む機会が増えています。小学校からの蓄積もあってか、中高生のプレゼン力は以前に比べて大きく高まったと感じますが、プレゼン後の質疑応答では、ほとんど質問が出ないか、たまに質問が出ても散発的で、そこから議論に展開するような場面はめったに見かけません。プレゼン力だけでなく、「質問力」を高めることに注力した指導の設計が必要ではないかと感…

総合学習/探究活動における「知識の活用」

各教科の学習指導において「評価」を行うのは「生徒一人ひとりの学びをより良いものにする」ためであるのは言うまでもありません。獲得すべき知識や技能が身についていなければ、それを補う機会を用意する必要があります。知識や技能を「生きて働かせる(=活用する)」ことができていないなら、できるようにさせなければなりません。そうした指導が必要なことを見落とさず、着実に学びの成果を積み上げていくために行うのが「評価…

探究のフェイズごとにきちんと評価&フィードバック

総合的な探究の時間(探究活動)では、3/5段階の数値(評定)での評価は行いませんが、「評価」が不要ということではありません。探究活動は複数のフェイズを経て進むため、各段階で学んでいく「探究の方法と姿勢、スキルなど」の獲得を確かめ、その都度、しっかりと不足を補っていかないと、「やらせただけ」の結果になってしまいます。多大な時間と手間を投じた学び(先生方にとっては指導)が、目標を確実に達するには、各教…

探究活動の効果測定アンケート

総合的な探究の時間では「評定」こそつけませんが、指導を行う以上、きちんとその効果を測定し、「良いもの(大きな効果が見られた指導や働きかけなど)は、校内で着実に共有・継承してきたいところです。共有・継承したものを土台に、先生方の協働で、さらなるブラッシュアップを図るとともに、改めるべきところにはきちんと手を入れ、問題を残さないようにすることが大切です。効果的な指導手法も、組み合わせれば、相乗効果でさ…

次回の予習ができる状態を作って授業を終える

予習というと「次の授業で新たに学ぶことに生徒が自力で理解を試み、学びの土台を整えたり、疑問点を洗い出したりすること」と捉えるのが一般的ですが、それが上手くいくケースばかりではありません。生徒が自力でできることには、小さからぬ個人差があり、十分な策を講じることなく「生徒任せ」にしては、次の授業を始めるのにスタートがバラバラになります。発走地点に到着していない生徒も続出します。その日の授業に向けた「予…

月曜と火曜、ブログの更新をお休みします。

いつもこのブログをお読みいただき有難うございます。来週の月曜、火曜(30日、31日)はブログの更新をお休みします。先生方におかれましては、年度末のご多用の日々をお過ごしのことと拝察いたします。くれぐれも御身大切にお過ごしくださいますよう。 教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一 用事の帰り道、桜を見てきました。卒業式と入学式の間に満開ですね。