一人一台端末を使ってアンケートを行うときの注意点

新型コロナ対応が拍車をかけ、一人一台端末の環境整備(外部リンク)が急速に進みました。教室でできることは大きく増え、コミュニケーション・ツールとしてのICTは大いに活用していきたいところです。新年度を迎えるにあたり、各地の学校での端末活用をお尋ねしてみたところ、意欲的な取り組みの数々が(新しい環境への多少の戸惑いとともに)見られます。今後、各校の実践に学べることが沢山ありそうです。学習(教科、進路、…

出題研究の成果を指導計画作りに活かす

大学入学共通テストも2回目を終えて、高大接続改革以降の新しい入試で求められる学力像もはっきりしてきました。新課程での「学ばせ方」にもあらかた方向性が定まったように見受けられます。入試シーズンの開始当初から、予備校等のホームページで入試解答速報のチェックを日々重ね、出題研究の成果を4月からの授業作りに活かす準備が既に整っている先生方も多いのではないかと拝察します。 2018年2月13日公開の記事をア…

学ぶことへの自分の理由を持たせる~新単元等の導入指導

どの教科、科目、単元でも言えることですが、生徒が「それらを学ぶことへの自分の理由」を持っていないことには、「深く確かな学び」を実現するための必須要素である「主体的な学び」は期待できません。能動的・積極的な学びには、目的意識と学びの方策の2つが必要です。目的意識をもって学びに取り組んでいるか、学習方策の獲得はどこまで進んでいるかによって、取り組みもその成果も違ったものになります。新年度に始まる新たな…

授業開き/オリエンテーション#INDEX

春休みが終わればいよいよ新年度の始まりです。オリエンテーションもあれば、それぞれの学年で教科・科目ごとの授業開きもあります。最初のコンタクトで何を伝えるかが、1年間の指導の成否を大きく左右します。新入生に限らず、新2年生、新3年生に対しても、しっかりと導入指導を行いましょう。こちらからどんなメッセージを伝えるかも大事ですが、生徒の行動様式や意識の在り方をできるだけ早く把握し、事前に想定していた指導…

授業開き/オリエンテーション(その4)

【スタートに立った生徒に伝えていること】 新年度を迎えての授業開きやオリエンテーションでは、新しく学ぶ科目の目的や学び方に加え、生活や進路に対する心構えや生徒に期待されるところが先生方から熱いメッセージとして伝えられます。こうした場を参観していると、それぞれの先生方の思いや考え方に触れ、聞いているこちらも生徒と一緒に様々な刺激を受けます。新入生を迎える場面での最初の指導とその前後の進め方を考えてき…

授業開き/オリエンテーション(その3)

【指導に臨む前の目線合わせと、効果検証への備え】 授業開きや学習オリエンテーションに臨むに当たり、「ここから始まる指導を通じて、生徒をどんな状態に到達させるのか」を改めて明確にしておく必要があるのは言うまでもありません。授業開きを起点とする一連の指導を通して目指すところが曖昧なままでは、生徒の学習行動を観察・評価する基準も持てないはずです。きちんと目線合わせをして先生方の間で指導にばらつきが出ない…

授業開き/オリエンテーション(その2)

【授業開きを起点に継続的に行う学習法確立指導】 授業開きや学習オリエンテーションでの指導はその場で完結するものではなく、新しく始まる学びに適合させる一連の取り組みの始まりに過ぎないはずです。指導で伝えたことは、生徒の学び方の改善、ひいては学力の向上という結果に結びついてはじめて意味を持ちます。如上の場にどれだけ明確なメッセージを用意して臨み、雄弁に伝えたとしても、受け手である生徒の行動に好ましい影…

授業開き/オリエンテーション(その1)

【シミュレーションを通じた学習法ガイダンス】 新学期には、新入生に対して様々なオリエンテーションやホームルーム合宿などが計画されているかと思います。進級した生徒に対しても新たに学び始める科目の授業開きでは学習法のガイダンスが行われます。いずれも生徒に対して「こんな行動を取って欲しい、こんな意識をもって日々を過ごしてほしい」というメッセージを伝える大切な場です。しかしながら、期待を伝える前には、生徒…

年度初めに生徒に伝えたことに照らした指導の振り返り

年度末のこの時期を逃さずにやっておきたいことの一つに、「新年度を迎えるに当たって生徒に伝えたことが、どこまで生徒の行動や思考に根付いているか」の点検があります。クラス担任/学年団として、教科担当者として、あるいは部活動の顧問として、1年前の年度初めに当たって生徒に伝えたことがあるはずですが、それらがどこまで生徒の中に形になって根付いたかは、この1年の指導が所期の成果をどこまで得たかを表します。 ❏…

探究活動の効果測定アンケート

いよいよ、この4月からの新課程で「総合的な探究の時間」が本格的に始まります。既に2019年度には先行実施が始まっていますが、これまでのところ、学校ごとに取り組みはまちまちのようです。指導を行う以上、きちんとその効果を測定し、「良いもの(効果をあげた働きかけなど)は教員間で共有するとともに、継承したものを土台に更なるブラッシュアップを図る」「改めるべきところは遅滞なく改善を図り、問題を残さない」よう…

新しいブログをより便利にご利用いただくために

この度、新しいサイトにホームページと公式ブログを引っ越しました。これからも引き続き、しっかりと勉強を重ねて、少しでもお役に立てる情報を発信していこうと思いますので、何卒宜しくお願いいたします。さて、新しいブログ(見た目と内容は変わりませんが…)をより便利にお使いいただく方法をまとめました。 ❏ スマホで記事をご覧いただくとき このブログをスマホでお読みいただいている方も多いかと思います。スマホを普…

ホームページとブログを引っ越しました。

平素より大変お世話になっております。 このたび、開業以来8年近く利用していたブログサービスが終了するのを受け、当オフィスの公式ホームページと公式ブログを新しいサーバーに引っ越しいたしました。 以前のホームページ/ブログは、2023年1月31日までご覧いただけますが、更新は既に終了といたしました。今後は、こちらの新しいブログとホームページをご利用いただければ幸甚です。 新サイトのデザインや構成は、ご…

サーバー移設とブログの一時休止について(お知らせ)

平素より格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。さて、当オフィスのホームページ、並びに公式ブログは2022年3月14日をもちまして新しいサーバーにお引越しいたします。移設作業の都合上、新サイト/ブログの準備が整うまで、ブログの更新を本日から3月14日(月)までの期間、お休みさせていただきます。新サイト/ブログ(お引越しだけなので内容はそのままだったりしますが…)への準備が整い次第、このページで…

活動させるだけでは学ばせたことにならない

授業のデザインでは、従来の「教えること」から「学ばせること」に発想を切り替えていく必要がありますが、生徒を学習活動に取り組ませることを自己目的化してしまえば、深く確かな学びは実現しません。よく言われる「教え過ぎない」というのは、生徒に取り組ませるべきことを不用意に肩代わりしないということですが、これを曲解してしまったのか、「生徒に活動をさせるだけで、きちんと学ばせていない授業」が生まれてしまってい…

できない? やらない? やらせてない?

本来ならば生徒自身に挑ませて完遂を求めるべきことを、先生が不用意に先回り/肩代わりしてしまうと、生徒は自力でできるようにならなければいけないことをいつまで経ってもできないままだったりします。学習者としての自立を促すためにも、主体性の及ぶ範囲を膨らませるためにも、生徒にやらせずに先生が肩代わりしていたことがないか、これまでの授業をどこかで振り返ってみる必要がありそうです。 生徒にはできないと思い込ん…

チャイムから生徒が活動を始めるまで何分かかる?

授業開始のチャイムが鳴ってから、生徒が最初の活動を始めるまでにどのくらいの時間が掛かっているか意識したことはあるでしょうか。各地の学校をお訪ねして授業を参観させていただくときに様子を観ているとクラスごとに状況は実に様々です。ちょっとした余談を挟んだり、連絡事項を伝えたり、あるいは生徒が授業の準備を整えるのを待ったりしている間にも時間は刻々と過ぎていきます。先生が最初の板書をして生徒がノートを開くま…

演習中にワンステップずつ進める板書

ひと通りの説明を終えて、生徒に問題演習や作業などを始めさせたら、そこから先はできるだけ生徒の活動を止めないようにしたいものです。指示や説明を追加するのに先生が口を開いてしまっては、生徒は先生の話を聞くために思考や手元の作業を止めてしまいます。 こうした場面では、生徒の様子を観察してタイミングを見極めつつ、口を開かず黙って板書の続きをワンステップずつ進めるのも好適です。 教室で実際にこの方法を試して…

不用意な“待て”をかけない #INDEX

せっかく動き出そうとしている生徒に不用意な”待て”をかけてしまっている場面はないでしょうか。生徒は3年間の高校生活で、のべ2,625時間(※)の授業を受けていますが、もしストップが掛かっている時間をこまめに削って毎回5分ずつ浮かすことができたら、総指導時間の10%に相当する260時間以上も授業時間枠の拡大を図ったのと同じことになります。(※50分×30単位×35週×3年=の…

不用意な“待て”をかけない(その4)

生徒は取り組むべきタスクがないときに手を止めてしまい、その時間の蓄積が1年間、3年間という長いスパンでは大きなロスとなり、学びの総量を減らしてしまいます。このシリーズの前3稿で触れたような場面に加えて、生徒に注意や指導をするときや、指名した生徒が答えられずに窮しているときにも、同じようなことが起きてしまいます。教室内で生徒に不用意な待てをかけてしまうリスクについて、これまで書いてきた記事と関連付け…

不用意な“待て”をかけない(その3)

授業計画の中に配列した学習活動に生徒が着手できるだけのレディネスを備えているのに、先生方が指示や説明などを重ねては生徒に「待て」を掛けているようなもの。学習活動に充てられる時間を圧迫しますし、仕上げる時間が足りなくなれば、学びは深く確かなものになりません。生徒が既にできるようになっていることをきちんと見極めて、不必要なところでは積極的に手を放していくようにしたいところです。「できることはどんどんや…