ゼロ学期を迎えるに当たり~指導計画作りへの下準備
年が明けていよいよ「ゼロ学期」です。期間が短いわりにこなすべき校務が多く、どうしても慌ただしくなりがちですから、春に向けた課題/タスクのたな卸しを行い、優先順位をしっかり定めた工程表に落とし込みたいところ。先ずは「To Do リスト」を作るところからでしょうか。4月からの教育活動を振り返って、シラバスや進路の手引きなどに朱を入れる必要もありますし、年間行事予定の見直しや学校広報の年間計画作りなども…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
年が明けていよいよ「ゼロ学期」です。期間が短いわりにこなすべき校務が多く、どうしても慌ただしくなりがちですから、春に向けた課題/タスクのたな卸しを行い、優先順位をしっかり定めた工程表に落とし込みたいところ。先ずは「To Do リスト」を作るところからでしょうか。4月からの教育活動を振り返って、シラバスや進路の手引きなどに朱を入れる必要もありますし、年間行事予定の見直しや学校広報の年間計画作りなども…
旧年中は大変お世話になりました。多くの先生方に格別のご厚誼を賜りましたこと、この場で改めて、心より御礼を申し上げます。新しい年も、現場で頑張る先生方のお役に少しでも立てるよう、微力ではありますが、できる限りを尽くして参る所存です。引き続きご指導を賜りますよう、お願いいたします。年始から能登地方の地震や羽田空港の事故などが続き、穏やかならざる正月となってしまいましたが、皆様におかれまして健やかで満ち…
高大接続改革以降、パフォーマンスモデルからコンピテンシーモデルへの学力観の転換に伴う「新たな学ばせ方の確立」、さらには「総合的な探究の時間の指導法の開発」といった課題もあり、先生方が知恵を出し合い、協働で新たなチャレンジに取り組む機会が増えてきました。こうした「新たなチャレンジ」に取り組むときに大切なのは、目指すところを明確にして、工夫の一つひとつの効果を測定すること。効果測定なしには、いつまでも…
生徒をそれまでやらせたことがないことに挑ませれば、最初の戸惑いは当たり前のこと。例えば、拙稿「教科書をきちんと読ませる」や「質問を引き出す」でご提案したような活動でも、教室に初めて持ち込んでみたときから何の障害もなくスムーズに運ぶのはむしろレアケースです。最初のトライで上手くいかないからといって、その後の挑戦を止めてしまっては生徒はいつまでたってもできるようにはなりません。やらせようとしたのが必要…
授業改善は先生方一人ひとりが取り組むべきお仕事であるのは間違いありませんが、教科内外で先生方の協働があってこそ、うまく機能する/成果が上がるものという側面もあろうかと思います。周囲の優れた手法や工夫に学ぶことなしには、改善に向けた発想も自分の中に閉じたものとなり、広がりも深まりもないまま凝り固まってしまうリスクを抱え込みます。互いの実践に学ぶ中で、より良いものが共有されるにつれ、校是ともいうべき「…
総合的な探究の時間をはじめ、新しい学力観に沿った教育活動が次々と導入され、その指導法確立は喫緊の課題ですが、指導法を考えるときに大切なのは、マニュアル作りを先行させることではありません。目標とするところ(=活動を通して獲得させる能力や資質)を先生方がしっかりと共有した上で、それぞれが最善と思う方法で指導に当たり、その成果を比較する中で、より良い方法を選び出していくことです。規矩不可行尽(きくおこな…
ある単元の指導案を持ち寄ってその改善協議をするとき、あるいは教育実習生にアドバイスをするときなど、参加者それぞれの経験や考え方が競合を起こし、議論がかみ合わないことも少なくないかと思います。過日の記事とも関連しますが、エビデンスがないまま指導案/指導方法の優劣を論じても、主観がぶつかり合うばかりで、簡単には「より良い指導の方法を先生方の協働で作り出していく場」になりません。 2016/06/29 …
以下のテレビ報道をこのブログでご紹介したのは2017年の春先のこと。番組の主旨は「民主化以降不安定な情勢が続くエジプトで、社会の秩序を保つのには若者の教育が欠かせないとして、規律や協調性を重んじる日本の特活を取り入れる試みが始まっている」というものでした。日本では「当たり前のこと」として価値を忘れかけていたことに、海外から高い関心が向いていることに抱いた新鮮な驚きを覚えています。 エジプトで始まっ…
結果学力の伸長や、学びに対する自己効力感の向上などに加えて、学びに取り組む姿勢や学習方策の獲得もまた「指導を通じて目指すところ」である以上、これらもきちんとした効果測定を行う必要があります。各教科の学習指導のみならず、進路指導や探究活動を通じて形成を図る進路意識についても、定量的にその進捗を捉えなければ、計画通りの成果を得ているか判らず、やりっぱなしになってしまいます。効果測定の結果を踏まえ、付加…
授業を改善しようとするとき、他の先生にご自身の授業を観てもらうのは、とても有益です。改善に向けた直接的で効果的なアドバイスをもらえる期待もありますが、それ以上に「異なる見方/考えに触れる中で、これまでの実践を相対化してみる」ことに大きな意味がありそうです。自分では様々な改善を重ね、「これが最善」と思えることを実践していても、気づかずにいることが思わぬところにあったりするもの。そんな点に気づくには、…
授業で学んだことを使って答えを導くべき問いは、学習目標を理解させるために導入フェイズで示すターゲット設問としても、授業を終えるときの学びの仕上げの題材としても大きな役割を果たします。 しかしながら、「個々の授業で学んだこと」を使う機会は、その日の授業(あるいは単元)に閉じた如上の問い/課題以外にも、その後に学ぶ別の単元の中にも設けることができますし、設けるべきです。ある単元で既に学んだ重要なことが…
生徒の進路希望を叶えさせてあげたいとの思いが強くなるほど、「学ばせたい」ことが増えるもの。教科書以外の教材群(副教材やプリント)が「これでもか!」といわんばかりに膨らんでいく傾向があります。目標大学の合格には、これもやらなければ、あっちも削れないと思えてしまいがちですが、その熱意(あるいは不安)に押されて、容量超過を常態化させては、学びに向かう姿勢にも好ましくない影響があります。そもそも、荷物を増…
授業で学んだことをしっかり定着させることを意図して行う小テスト。授業で習って、復習で覚えて、テスト用紙に再現して…と、最低3回は対象知識への接触機会が持てますので、再記銘も進みます。また、覚える練習、思い出す練習は、記憶力そのものを鍛えるのにも欠かせません。知識の定着に加え、学習に必要なスキル/能力を得ていることにもなります。(cf. 新しい学びの中で「覚える力」が持つ意義)しかしながら、短時間で…
小テストは、知識の定着を促すには有効な手段の一つになり得るのは確かです。「思い出す練習」を重ねることは、知識を想起しやすいものに変えていく効果も備えますし、覚える力の向上も図れるでしょう。しかしながら、そうした効果も、生徒が目的意識をしっかり持って小テストに臨み、きちんと覚える努力を重ねてこそ得られるもの。手を抜く生徒にどうやってやる気にさせるかという別の問題もあります。また、小テストへの取り組み…
授業等で学んだことを定着させるために行う小テスト。授業で習って、復習で覚えて、テスト用紙に再現してと、最低3回は対象知識の記銘機会を作れるだけに、記憶への刻み付けには一定の効果が期待できます。しかしながら、小テストだけではカバーできないことや、頼りすぎることで生じる弊害(副作用)も少なくありません。これらを踏まえて、その効果的な活用を改めて考えてみる必要がありそうです。 2015/02/26 公開…
別稿でも書いた通り、新しい学力観に沿って、学ばせ方や授業デザインの転換が図られる中、予習や復習、宿題などの授業外課題の位置づけやそれらへの取り組ませ方も自ずと変わってくるはずです。教室の中でしかできないこと(対話や協働を始めとする様々な活動)と生徒が個々に取り組む学習活動でできることの間に明確な線を引くことは「新課程が求める学び」に近づくための大前提ではないでしょうか。 教室での対話を通じて学びを…