授業改善での協働のあり方

チームで取り組んでこその授業改善(協働のデザイン)

より良い授業の実現は、先生方一人ひとりの仕事でもありますが、チームで取り組んでこそ、知見や発想の交換を通じて効率よく進めることができます。自分一人で頑張っても、気づけないことがあるはずです。先生方一人ひとりの試行錯誤と努力の中で作り上げてきた優れた実践を互いの良さとして学び合ってこそ、校是たる授業像も見えてきます。先生方がそれぞれに工夫を重ねることに加えて、同僚や先輩が辿った足跡を知って(巨人の肩…

指導知見(実践知)を組織的に蓄積・更新する仕組み

授業改善を組織的に進める上では、先生方がそれぞれに重ねてきた工夫の成果を確かめ、効果の大きな実践を見つけ出し、共有することが不可欠。テストやアンケート、行動評価などの結果で効果測定を重ねれば、教育目標の達成により大きく近づけた指導の所在を特定できます。そこで見つけた効果的な実践を共有することで、学校全体の指導力向上が図られますが、ここで共有すべきは「良い授業」を写した「模倣のための型」ではありませ…

共有すべきは付加価値の大きな指導

以前から様々な場面で使われている「組織的な授業改善」という言葉には、何やらヘビーな響きがありますが、言わんとするのは「それぞれの先生方が重ねてきた工夫の成果を共有して、教科/学校全体でより良い授業の実現を目指しましょう」ということにほかならないはずです。別稿「互いの実践に学び、校是たる授業像を作り上げる」でも書いた通り、周囲の先生の優れた手法や工夫に学ぶことなしには、改善に向けた発想も自分の中に閉…

課題(教材)のシェアから始める組織的授業改善

より良い授業の実現を図るには、習ったことを使ってみる機会(=獲得した知識や理解に生きて働く場を与える問いや課題)をしっかり用意する必要があり、それを軸に学習活動(調べる、考える、話し合う、まとめる)を配列することで授業をデザインしていくことになります。本時/単元の学びを俯瞰し得る問い(ターゲット設問)や課題は、学習目標の理解や学びの仕上げにも不可欠です。出題研究で集めた良問や、先生方ご自身が作り上…

授業改善での協働のあり方

1 授業を観る、授業を観てもらう 1.1 優れた実践を見て言語化する(見取り稽古) ★1.2 生徒を中心に授業を観る(その1)、(その2) Updated!1.3 授業を観てもらう「チャンス」を活かす1.4 自分撮りのススメ~自分の授業を客観的にみる Updated!1.5 教科会に期待される役割~ちゃんと機能していますか? 2 指導知見(実践知)を組織的に蓄積・更新する仕組み 2.1 効果測定は…

生徒を中心に授業を観る(その2)

本稿のタイトルは「生徒を中心に授業を観る」ですが、教室に足を運んで生徒が学ぶ姿を実際に観る前に、考査や模試などの成績とその推移、活動評価の記録、ポートフォリオなどに残された各種ログ、授業評価の集計結果などの様々なデータを通して、そこまでの指導/学びが生徒にもたらした成果を観ておくことも大切です。これまでの成績推移や学習行動/学びに対する生徒の認識の変化などを把握しておけば、指導の在り方とその成果を…

生徒を中心に授業を観る(その1)

様々なデータで所在を明らかにした「優れた実践」を共有するための相互参観、あるいは管理職による授業観察などの「他の先生の授業を観る場面」では、説明の内容や組み立て、板書の技法やプレゼンテーションの構成、確認の取り方、学習活動の配列といった、授業者の行動に着目していることが多いように思います。やり方を学ぶにも、授業を評価するにも、指導者の行動にダイレクトな関心が向くのは当然でしょうが、学びの主体はあく…

優良実践の共有~授業評価の結果を活かして #INDEX

より良い授業の実現に向けて先生方が協働で取り組むには、相応の環境が必要です。教育目標がきちんと共有され、それに基づく率直な意見交換ができる雰囲気はもちろんのこと、校内に存在する優れた実践の所在を知るツールや、知見の共有を効率的に図れる学びの場が必要です。優良実践の抽出には、考査や模試における成績の伸びや活動評価の結果の分布などのデータを用いますが、生徒自身の学びへの認識を探る「生徒による授業評価ア…

優良実践の共有~授業評価の結果を活かして(その3)

焦点を定めた参観、そこでの気づきのシェア 模試や考査での成績、行動評価の記録、授業評価アンケートの集計結果といった「指導効果や学びの状況に関するデータ」を使って優れた成果を残した実践の所在を特定し、そこでの手法を互いに学ぶことが、学校/教科全体での授業改善を確実でスピーディーなものにします。前稿では、どのようにデータを使って優良実践の所在を知るか、その授業を担当する先生からどのように効率的に発信を…

優良実践の共有~授業評価の結果を活かして(その2)

高い評価を得た理由を考え、言語化して発信 学校全体で授業改善を進めていく上で欠かせないのが「データを用いて優れた実践の所在を明らかにした上で、そこでのやり方や工夫を教科内あるいは校内で広く共有すること」であるのは言うまでもありません。文字にすると、やや長いとは言え、一文に収まってしまう単純なことですが、実現にはいくつもの要件を満たさなければなりません。魅力的に見える実践も、それを取り入れたことで生…

優良実践の共有~授業評価の結果を活かして(その1)

校内に存在する優れた実践を共有する 授業評価アンケートは、校内/教科内に存在している優れた実践(=高い評価を得ている授業)の所在を確かめ、それを広く共有して学校全体あるいは教科全体での授業改善を進めていくためのツールです。校外から持ち込んだ新たな手法が、自校の生徒の学習者特性にマッチする保証はありませんが、校内で既に高い評価を得ている授業でのやり方なら、生徒が身につけている学び方との高い親和性が期…

授業観察を行うときに押さえるべきところ

管理職の先生方が「授業観察」を行うときや、教育実習生の授業を指導役の先生が観るときには、押さえておきたいポイントが多々あります。さらには観察で実際の教室に足を運ぶ前にも、観察者と授業者との間で行っておくべきことがあり、参観を終えた後も同様です。どこに観点を置いて授業を観るかに加えて、参観結果をどのように授業者にフィードバックするかは、授業を観察する先生方それぞれの経験則に頼りがちかと思います。授業…

実践報告に触れての気づきを言語化することの効果

より良い授業の実現を目指し、全国各地で様々な指導法研究や実践報告が行われています。ご参加の先生方からの意欲的な提案や報告にいつも大きな刺激をいただき、たいへん勉強になります。 各地の先生方が、それぞれの置かれた状況の中で「あるべき学びの姿」を考え続けて生み出してきたアイデアの数々は、それに触れた人が授業をデザインするときの手札を増やし、それを使ってさらに工夫を重ねた実践はまた別の機会で報告され、さ…

改善が遅れた授業のキャッチアップを支える

授業評価アンケートの集計結果や、模試や外部検定のデータを拝見していると、改善を重ねてより良い指導を実現している授業/先生/クラスがある一方で、キャッチアップが必要なのに改善が遅れてしまうケースも少なからず見られます。これをそのままにしては、改善が進まない先生ご自身もお困りでしょうし、そこで学んでいる生徒にも小さからぬ不利益が及びます。自校に通うすべての生徒に「より良い学び」を約束するために、改善が…

優れた実践にも手札は様々、組み合わせて更なる進化

生徒による授業評価アンケートを利用して、継続的な授業改善(=より良い授業の実現)に取り組んでおられる学校が各地にあります。多くのケースでは、集計結果を用いて、校内に既に存在している優れた実践の所在を探り、そこでの工夫やノウハウを共有することで、改善が遅れた授業でのキャッチアップを支える取り組みがなされています。 また、高い評価を得ることができた授業における工夫も様々。それらを効果的に組み合わせれば…

キャッチアップ(授業改善)を効果的に進めるために

~優良実践を「自分の授業の次の一手」に変える~ 優れた実践を知る機会があることは、授業改善にとって大きな助けになります。ただし、実践報告を聞いたり、授業を参観したりしただけで、自分の授業がすぐに改善に向かうとは限りません。場合によっては、次のように感じることもあります。「良い実践だと思うが、自分の授業とはスタイルからして違う」 「実際にやるには、特別なスキルや教師のキャラが必要なのでは?」 「担当…

出題内容から窺う、大学の教育姿勢

別稿「出題研究を通して”問い方”を学ぶ」では、新しい学力観に沿った問い方を学ぶのに好適な教材を、高大接続改革以降の大学入試問題から探しましょうとのご提案をいたしましたが、出題研究を通して「各大学の教育姿勢」を窺い知ることも同時にできるはずです。特徴的な出題の背後には、それを選択した理由があるはず。大学ホームページ等に記されたカリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーと関連…

自分撮りのススメ~自分の授業を客観的にみる

別稿で申し上げた通り、授業を改善しようと思ったら、伝達スキルより授業デザインに焦点をおいて、その改善を先行させた方が改善の効果が短期間で現れますが、話し方・伝え方、強調の方法などに問題を抱えているなら、その解消も先送りするわけにはいきません。 授業デザインは、構成要素の大半が言語化できる外在知ですので、校内/教科内にある優れた実践から学びやすいもの。高い評価を得た授業でのやり方を知れば、まったく同…

授業改善を加速するための共通言語(用語集)

より良い授業の実現を目指した先生方の協働(学校全体での/学校を跨いだ授業改善)を進めるときに大切なことの一つに、「授業や学習を語る共通言語」の存在があります。当然ながら、学習指導要領で用いられている言葉の数々もそこに含まれますが、それだけではありません。日々の授業研究の中で、一定以上の頻度で使われていながら、きちんと定義されていない言葉も少なくないかと思います。概念を共有できる言語がなければ、噛み…

授業改善の方向性は合っているか?(チェックリスト)

現行課程において、知識・理解の着実な形成に加え、基礎力(=言語、数量、情報の各スキル)や、思考力(狭義の問題解決力に限らず、問題発見力、メタ認知・適応的学習力なども含む)などの獲得が、これまで以上に求められているのは、これまでの別稿でも書いてきた通りです。 日々の教室での「学ばせ方」にも、こうした「新しい学力観」に沿うことが求められ、その方向で授業改善も進んでいるはずです。さらに歩を進める前に一度…