強調の正しい方法(その3)
強調は、印象と記憶を刻み込むために行う行為です。重要度に応じたエネルギーを学習者に使わせているか、常に意識して点検しておく必要がありそうです。公式っぽく書き出してみると、こんな感じでしょうか。 学習項目ごとの重要度∽生徒に投じさせるエネルギー 反復という手段を用いた強調(印象強化/記憶への刻み込み)の方法について、日々の授業の中で試せることを考えてみたいと思います。 2014/10/17 公開の記…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
強調は、印象と記憶を刻み込むために行う行為です。重要度に応じたエネルギーを学習者に使わせているか、常に意識して点検しておく必要がありそうです。公式っぽく書き出してみると、こんな感じでしょうか。 学習項目ごとの重要度∽生徒に投じさせるエネルギー 反復という手段を用いた強調(印象強化/記憶への刻み込み)の方法について、日々の授業の中で試せることを考えてみたいと思います。 2014/10/17 公開の記…
教室に限らず、何かを伝えようとしているとき、ポイントとなる部分に焦点を当てるための強調を、発信者/授業者は意図的にあるいは無意識のうちに行っているものです。しかしながら、意図や方法を誤った強調が、却って生徒を退屈させ、わかりにくさの原因になっていることもあります。何のために強調するのか、何に焦点を当てるべきか、どのような方法が最適なのか、いちど立ち止まって考えてみる必要がありそうです。 2014/…
教科・科目を教育課程表に最適配置するだけでは、残念ながらカリキュラムを作ったことになりません。カリキュラムとは、各教科の内容を学習しつつ、様々な能力・資質を獲得させるという目的を達成するために作るものであり、その目標達成のために設計、実行、検証、修正を重ねる循環的・継続的な活動をカリキュラム・マネジメントと呼びます。新課程の土台となったのは「21世紀型能力」という新しい学力観です。これを改めて理解…
各教科の内容をしっかり学習させつつ、21世紀型能力を構成する様々な能力・資質を獲得させるべく練り上げられたせっかくのカリキュラムも必要な科目を必要な生徒が正しく選択して履修してくれないことには、本来備えている性能を十分に発揮できません。嫌いな科目を避けたり、受験情報誌などが示すモデルパターンを鵜呑みにしたりの履修科目選択では、いざ出願校を選ぶときになって落とし穴に入り込んでいることに気づいたり、進…
学習評価は多様なツールを組み合わせて多面的・総合的に行わなければなりませんが、そこで用いる様々なツールの内、授業評価アンケートが測定を担うのは、「学習の主体である生徒の認識」についてです。とりわけ、確実に把握しておきたいのは「授業を受けて、学力の向上や自分の進歩を実感できているか」です。この質問にYESと答えた生徒は、その科目を学ぶことへの自己効力感を保ち、興味関心膨らませることがデータで明らかに…
学校に限らず組織経営にはスピード感が大事だと言われますが、矢継ぎ早に手立てを講じながら、その一つひとつの実行が疎かになっては何にもなりません。スピードと着実性を両立させる必要があります。対策の打ち出しだけはスピード感があるのに、肝心の実行フェイズでブレーキが掛かり、頓挫しては何にもなりません。 新型コロナの感染拡大が始まってから状況が刻々と変化する中で、各校はそれぞれの対策を講じていますが、多くの…
新型コロナが教育現場を取り巻く環境にもたらした様々な変化に、生徒や保護者は大きな不安を抱えています。緊急事態宣言が解除され、一時の切迫した状態は脱したかのように思われますが、今後も状況は刻々と変化するでしょうし、そのたびに新たな不安が生まれます。 その不安に対して、自分が/我が子が通う学校がどんな答え/解決策を提示してくれるか、生徒と保護者は強い関心と期待を向けています。 ❏ 学校が導いた解をタイ…
臨時休校が終わり、学校が再開されました。新しい生活様式への転換が求められる中、昨年度末に描いていた2020年の学校像にも大きな変更が余儀なくされたと思いますが、そんな状況だからこそ、改めて「様々な制限がある中でどんな学校を目指すのか」「どうやって新しい学力観での学びを実現していくか」を示す必要があると考えます。校内外のステークホルダーも多くの不安を抱えています。この先にある新たな学校像/目指すべき…
授業ごとに/単元ごとにターゲットとなる問いや課題を設定するのは、教室での対面で行う学習活動と、それ以外の場で獲得させるものを切り分けることで限られた授業時間を効率良く活かすための方策の一つになるのは、別稿で申し上げた通りです。 そうしてデザインした授業をワンステップずつ確実に進めて行くには、前稿のように、ターゲット設問を分割した小さな問いで要所ごとにそこまでの理解を確認していく必要があります。 …
その日の授業を終えたとき/単元をひと通り学んだときに、そこまでに理解したことをもとに考え、生徒が自力で答えを導くべき問いや解決すべき課題(「ターゲット設問」と呼びます)を与えることは、学習目標を把握させたり、何のために学んでいるかを認識させたりするのに有効であるのは、以下の各記事でもお伝えしてきた通りです。 学習目標は解くべき課題で示す 単元ごとに設定するターゲット設問 解くべき課題で「何のために…
緊急事態宣言の解除を受け、様々な活動が再開します。学校もリモートでの学習指導を続けてきたとはいえ、学年での指導、進路指導、生徒会活動なども含めた学校全体の教育活動では「改めての新年度」です。 新しい生活様式の中でどんな学校を作るか/作りたいか、展望と意志を示し、校内外のステークホルダ(生徒、保護者、教職員、地域の方々)の理解と共感を得るべき局面であるのは、例年の新学期と同じです。 ❏ 教員間の「目…
新型コロナによる臨時休校が長引く中、生徒の学びを可能な限り保証しようと教室での対面授業に代わる指導法が試されています。YouTubeでの授業動画の配信や zoomでの遠隔ライブ授業も拡充の一途です。様々な方法が試されたことでそれぞれの方法の強みや弱みも明らかになってきました。深く確かな学びを実現するには、様々なツールを組み合わせ、各々の利点を活かした授業構成が最も合理的なアプローチです。特に、利用…
臨時休校、分散登校、短縮授業と、授業日数・指導時間の確保を困難にする要因がズラリと並ぶ中、日々の授業をより効率的で密度の高いものにするには教室の対面授業で行う学習活動を精選する必要があります。 ターゲットとなる問いを設定することは本時の主眼や指導の目標を明らかにするとともに、個人で出来ることと教室で行うべきことの選別にも有益であるというのが、昨日の記事の主旨でした。 そうしてデザインした授業の一つ…
緊急事態宣言の解除が進む中、学校の再開にむけた準備が本格化しています。「休校期間中の自学自習/遠隔指導」と「学校再開後の教室での対面授業」との円滑な接続をいかに実現するかは、この局面での最重要課題の一つであると考えます。 まずは、休校期間中の学びの成果をしっかり確かめることが先決です。3か月近くに及んだ臨時休校の間に、生徒が何を身につけ、どんなことができるようになっているのかを見極めないことには、…
臨時休校が続く中、教室での対面授業から自宅学習や遠隔指導といったイレギュラーな形に切り替えての学習指導が続いてきました。そんな中でご相談をいただくことが増えているのが「例年行ってきた授業評価を今年はどういう形で行えばよいか」というものです。 授業再開後に学校が日常を取り戻して一定期間が経過したら、例年と同じ方法・内容で授業アンケートを行い、継続的な授業改善を着実に進めて行く必要があることは言うまで…