月: 2016年10月

生徒を活動させることの意味を考える(記事まとめ)

各地で行われる研究授業を拝見する中、協働学習やアクティビティなど授業内での生徒の活動性が、以前とは比較にならないほど高まっていることを実感します。その一方で、活動性が、「深い学び、対話的な学び、主体的な学び」 に直結し、思考力・判断力・表現力の向上やコンピテンシーとしての学力形成に直接的に寄与しているかというと、一定の疑問も残ります。そんな疑問を起点に、データを検証してみると、「個々の活動に生徒が…

せっかくの授業内活動を活かすために(その3)

授業時間内の活動性を高めることには、①生徒の頭の中を覗く「観察の窓」を開く、②他の生徒の意見や考えに触れさせて相互啓発を働かせる、③学習方策や知識の不足を生徒が相互に補完する、④知識や経験を交換することでの発想の拡充を図る、などの狙いがあるというのが前稿で申し上げたことです。 これらに加えて、 活動課題に取り組む中で使用機会を自然に増やし習熟を促すことや 生徒一人ひとりに役割を持たせることで能動的…

せっかくの授業内活動を活かすために(その2)

授業内活動を設計するときに、「この活動で狙っているものは何か」 を明確にしておくことが大切です。手段の合理性や妥当性は、目標に照らしてこそ評価ができるということを忘れないようにしたいものです。 昨日の記事では、 生徒の頭の中を覗く「観察の窓」を開くこと、 他の生徒の意見や考えに触れさせて相互啓発を働かせること について考えました。 今日はその続きとして、 学習方策や知識の不足を生徒が相互に補完する…

せっかくの授業内活動を活かすために(その1)

授業における学習者の活動性を高めることは目的ではなく、別の目的を達成するための手段です。個々の活動によって目指しているものをきちんと区別しておけば、その活動が妥当なものか工夫の余地が残っていないか判断がつきやすくなるのではないでしょうか。 一昨日に公開した「生徒がみな一斉に反応できていることに感じた違和感」 から続くシリーズです。 活動とかアクティビティという言葉でひとくくりにするから、根っこの問…

生徒がみな一斉に反応できていることに感じた違和感

この数年、高校に限らず機会があれば小中学校の授業も参観させていただいています。素晴らしい実践、実に様々な工夫を拝見して、大いに刺激されます。生徒や児童の活動性を高める工夫が随所に凝らされ、「おおっ、こんな方法もあるのか」と勉強になります。しかし、小中のみならず高校も含めた話ですが、授業内活動の充実を図ったことの成果が、どこに繋がっているかに注目してみると、ちょっと立ち止まって冷静に考えてみる必要を…