多様な生徒で構成する学びのコミュニティ
ご存じの通り、大学入試では、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜という大枠に加えて様々な入試方式が用意されていますが、目的とするところは多様な学生で構成する学びのコミュニティの創出にあります。学力の高い学生、日々の活動に積極的に取り組んできた学生、強い目的意識や使命感を持って入学してきた学生などがバランスよく混在していれば、様々な場面でそれぞれの強みを発揮する学生からの刺激が、他の学生にも届き、コ…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
ご存じの通り、大学入試では、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜という大枠に加えて様々な入試方式が用意されていますが、目的とするところは多様な学生で構成する学びのコミュニティの創出にあります。学力の高い学生、日々の活動に積極的に取り組んできた学生、強い目的意識や使命感を持って入学してきた学生などがバランスよく混在していれば、様々な場面でそれぞれの強みを発揮する学生からの刺激が、他の学生にも届き、コ…
一人ひとりが意欲をもって学び、生徒が互いを支え合う、互恵意識で結ばれた学びのコミュニティを作り上げることは、ホームルームの担任に限らず、各教科の授業担当者としても切なる目標の一つだと思います。新学期スタート後の数週間は、好ましい学びのコミュニティを作れるかどうかを決める大切な期間です。どんな手立てと見通しでコミュニティ作りを進めていくかしっかり戦略を立ててから新年度を迎えましょう。互恵という言葉が…
いよいよ(あっという間に?)新学期。新入生の希望に満ちた新しい顔が教室に揃うのも、間もなくです。迎え入れの準備が万端でしょうか。当地の今の気温は摂氏3度。花冷えというにも「ここまで?」と思えるほどの寒暖の差です。先生方に置かれましてもご多用と存じますが、元気に始業式を迎えるべく、くれぐれも御身大切にお過ごしください。これから3年間、6年間の学校生活を送る生徒たちですが、それぞれが抱えている事情は様…
1 働き方改革を進めるときに押さえるべきこと 1.0 働き方改革~校務の見直しと再構造化(序)1.1 業務の無駄を省く~現場レベルで可能なコストカット1.2 先生方の多忙解消に~個々の教育活動の価値見直し1.3 優先的に取り組むべき課題をどうやって選び出すか1.4 効果測定とスクラップ&ビルド(教育資源の最適配分)1.5 学びの重なりを上手に利用したコンパクトな学校経営1.6 行事にじっくり向き合…
1 互いの学びを支え合う集団を作る 1.1 教科学習指導の土台はホームルーム経営 ★1.2 ホームルームの年間実施計画 ★ Updated!1.3 互恵意識で結ぶ学びのコミュニティ1.4 グループワークで作る学びへの積極姿勢1.5 生徒が互いの頑張りを支え合う集団作り1.6 進路意識の高揚を目的とした講演会の企画1.7 多様な生徒で構成する学びのコミュニティ ★ 2 環境整備、係の仕事、トッカツへ…
授業評価における「この授業を受けて学力の向上や自分の進歩を実感するか」という質問には、全生徒にYESで答えてもらいたいものです。授業評価の結果は、教科担当の先生方の指導技術(伝達スキルと授業デザイン)に大きく左右されます。しかし、それだけではありません。ホームルームが「生徒が互いに刺激し、共に成長できる、学びにふさわしいコミュニティ」になっているかどうかも、大きな影響を与えます。本稿では、データの…
以前の記事でも書いた通り、授業や課題の難易度をある程度まで引き上げたとしても、「活動性」を十分に高めておけば苦手意識の発生を抑える/遅らせることができます。教え合い・学び合いが知識や理解の不足を補うことが、課題解決の可能性を高めるのは想像に難くありません。しかしながら、その機能にも限界があります。学習者にはそれぞれが備える「負荷耐性」があり、それを超えた負荷をかけると、生徒同士で知識・理解・発想な…
対話は、課題を前に発動した思考を、他者との気づきの交換で拡張するための活動であるのは言うまでもありませんが、その相手は「共に学ぶ周囲の生徒」に限らないのは、「自力で学ぶ力を育むのに重要な、最初に選ぶ”対話の相手”」などの別稿でも既に申し上げてきた通りです。学びにおける対話と言えば、周囲の仲間(生徒)との間に行われるもの以外に、教科書や資料を読むことによる文字を介した先人との対話や、先生との問答や発…
積極的に学ぶ姿勢を生徒一人ひとりに持たせたいというのは、先生方のどなたもが抱く思いでしょうが、その実現は言うほどには容易ではありません。学びへの積極性を引き出すには、それを成立させている要素群を正しく想定し、その一つひとつを着実に作り出す必要があります。如上の構成要素の想定(=問題の切り分け)には、生徒が学びに消極的になる場面を思い浮かべ、そこに潜む阻害要因を考えてみるのも好適。以下のようなケース…
1 問い掛けの多い授業が良い授業 1.0 問い掛けの多い授業が良い授業(序)1.1 問い掛けのタイプとその機能1.2 問い掛けにきちんと反応させる仕掛け1.3 生徒自身から問いを引き出す関連記事:プロセスに焦点を当てた問い 2 生徒を指名して発言させるとき 2.1 生徒を指名して発言させるとき(全3編) Updated!2.2 わからないでいる生徒を指名しても…2.5 発言がなかなか出ない/思考が…
言うまでもなく、教科学習指導の土台はホームルーム経営です。生徒が互いに刺激し合う(=相互啓発が働く)学びの場は、個々の生徒の学力や技能の向上を支え、学習を通じた成長/進歩を大きくします。 クラスが「成長の場」として機能するかどうかは、「係や当番の仕事」がどれだけ機能しているかや、担任の先生が「期待する行動」をきちんと打ち出しているかなどによって左右されることもわかっています。定期的にアンケートを取…
授業評価アンケートと同時に行うことを推奨させていただいている生徒意識調査(オプション)では、「生徒が互いに刺激し合い、ともに成長している」か(Q06成長の場)を生徒に尋ねて答えてもらっています。この項目は、授業評価における目的変数である「Ⅶ学習効果」との間で有意な正の相関が確認されており、最も重要な項目の一つと言えます。 (教科学習指導の土台はホームルーム経営より再掲) ❏ 好ましい学びの場(成長…
生徒一人ひとりに好ましい生活(習慣とサイクル)を身に付けさせるには、先生方から「日々をどう過ごして欲しいか」を絶え間なく伝えていく必要がありますが、それだけで着実な成果が上がるとは限りません。併行して、生徒が自ら規律について考える機会を設けたり、タスク管理や時間の使い方を学ばせたりするための指導機会の整備も欠かせないはずです。様々な場面で振り返りを行わせ、行動の変容を促しましょう。規律ある生活を送…
生徒間に十分な相互啓発が働き、且つ互恵意識で結ばれたクラスの中でこそ、生徒は様々な活動に生き生きと取り組むことができ、その中で主体性や多様性、協働性などを獲得していきます。別稿「教科学習指導の土台はホームルーム経営」でもお伝えした通り、生徒が互いに刺激し合い、共に成長するクラスを実現できるかどうかは授業の成否(学力向上など)にも大きな影響を与えます。 2015/06/12 公開の記事を再アップ…
ホームルームは、生徒にとって最も基本的なコミュニティ。その中で、自分がどんな役割を引き受け、どう貢献できるのかを考え、行動を起こしていくことは、社会性を身につける貴重なトレーニングの場です。その場面の一つが当番や係の仕事であり、その活性化は「生徒が互いに刺激し合い、ともに成長するクラス」を作るためにも欠かせません。当番や係りの仕事は、学校行事や生徒会活動とは違って「日常」の中にあるため、挑戦してみ…
同じ教材で同じ指導をしていても、得意・苦手の分布はクラスによって異なります。学習履歴の中で積まれた成功体験や獲得している学習方策によって感じ取り方が違うためです。得意寄りに分布が偏るクラスでは、より高度な課題を与えて達成感をより強固なものにする一方、苦手意識が優位なクラスでは課題のスモールステップ化や集団知の活用で成功体験を積み上げさせていきましょう。学習指導を重ねるうちに、この質問で「得意」と答…
所謂「ゼロ学期」も残り半分といったところでしょうか。これまでに重ねてきた先生方のご指導の成果として、4月に最上級生となる生徒には受験生としての意識も十分に芽生えてきたものと拝察いたします。ここから先も、進路意識の形成(進路希望作り)と具体化を目指して、自分と向き合っていく個々の生徒への支援と指導に加えて、進路希望/なりたい自分の実現に向けたそれぞれの努力を生徒が互いに尊重し、頑張りを支え合う集団(…
年度替わりは、生徒が互いの頑張りを支え合う集団作りの大切な時期です。新入生はもとより、進級する生徒もそれぞれ何かしらの希望や決意を抱いて新学期を迎えます。特に最上級生となる生徒は自らの進路希望の実現に向けて気持ちを高めていますので、「志望を同じくする生徒が互いの頑張りを支え合うコミュニティ」の創出に何か仕掛けるのには、今が絶好機ではないでしょうか。じっくり作戦を練って臨みましょう。 2017/03…
入試シーズンも後半戦に入り、新入生を迎えるのも間もなくです。4月の教室に集まるのは、第一志望を貫き、その実現に努力を重ねてきた生徒が多いと拝察いたしますが、中には第一志望だった別の学校で不合格だったために入学して来る生徒や、成績が伸びないなどの理由で出願前に志望を切り下げてしまっていた生徒もいるかと思います。第一志望以外での入学でも、きちんと気持ちを切り替え、前向きになっているなら問題ありませんが…
授業の成立を難しくさせるのは、科目の総合的な学力における個人差ではなく、新しく学ぶ単元の前提知識における差の大きさであり、事前に打つべき対策があるというのが、前稿までにお伝えしたことです。しかしながら、実際に授業を始めると、スタート時点での差に加え、新しいことを理解する速さや課題を処理するのに要する時間における個人差が問題になってきます。この差に対処するにも「クラス内の学力差を逆手に取って積極的に…