次期学習指導要領[2030]に向けて(記事まとめ)

現行課程が完成年度を迎えると同時に、次の学習指導要領に向けた検討が始まりました。別稿の通り、基本的な方向に現行課程と変わるところはなく、社会の変化に合わせた「調整」が掛かるくらいです。
これまでに積み上げてきたものをきちんと生かし、新たな要請を正しく捉え、しっかり応えていきたいところ。検討が終わり、結論が示されるのはまだ先ですが、それまでに現場で進めるべき準備もありそうです。
これまでに、折々に触れて起こしてきた記事を(順不同で)まとめてみました。次に向けた準備にご参考となる部分があれば幸いです。
現場で向き合うべき課題を整理するときのキーワードは「学びの個別最適化」「デジタル化」「問い・探究の力」といったところでしょうか。今後も議論を見守りながら、記事を起こしていこうと思います。

次期学習指導要領にむけた論点整理を読んで

・3つの方向性は、現行課程の成果と課題の延長上に
・まずはこれまでの授業改善の成果の可視化と整理から
・カリキュラムマネジメントと学びの個別化
・スクラップ&ビルド、知恵の共有、協働

学びの個別最適化の問題点と教室での対応

・学びの個別最適化で、どんな違い/差をカバーするのか
・デジタル技術は、学びの個別最適化を容易にするが…
・共通課題と選択課題の2段構えで、協働と個別化を両立
・最初の共通課題で、最小限の学習成果と協働性の涵養
・用意した課題だけでは、関心の所在をカバーできない
・学んだことを土台に生徒に「自分の問い」を作らせる

評価は「知識・技能」のみ?(次期学習指導要領)

・育成には評価が不可欠~進捗と改善課題を捉えた学び
・最終的な成果だけを見ようとするから評価が歪む
・そもそも「思考力」などを狭く捉えすぎていないか?

教科書をコスパよく使う~適切な問いの付与

・教科書への批判の多くは「使い方の拙さ」によるもの
・手作り教材にも同じ問題が付きまとう
・教材作りと、適切な問いのバランスをとる
・学びの起点や、学びを落とし込む先としての教科書
・デザインした授業の効果はきちんと測定

生徒が問いを立てる授業(導入から仕上げまで)

・まずは、教科書を音読し、学習内容を概観させる
・授業準備として、予習範囲に「問い」を立てさせる
・どんな問いを立てられたか、しっかり観察&評価
・持ち寄った問いに答えを作る&問いをブラッシュアップ

教育のデジタル化~しっかり考え、正しくかじ取り

・問題はデジタル教材にあるのか、使い方なのか
・学力の低下や心身の不調を招いた原因は?
・深く確かな学びの実現に寄与する使い方か(ICT)
・「問い」を効果的に使って主体的な学びに向かわせる
cf. このデータをどう読むか~教育のデジタル化

AIの時代だからこそ「問いを立てる力」

・適切な問いが、正しい答えを引き出す
・AIが返した答えを吟味し、問いを重ねる
・探究活動の成否も「問いを立てる力」が分ける
・問いを立てる力の涵養は日々の学びと相互啓発の中で

ネットで検索した結果を鵜呑みにさせない

・ネットの使い方も、日々の学びの中で獲得する能力次第
・集めた情報を構造化する方法、背景意図を読み解く力
・正しい検索=広範な背景知識+問いを立てる力

次期学習指導要領に向けて~教育へのAI利活用

・ガイドラインの内容は、次期学習指導要領の方向性
・正しい利活用に向かうための学びには3つのフェイズ
・先生方も、まずはご自身でどんどん使ってみる
・生徒との関係性の中での評価とフィードバックに注力

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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一